はじめに
Salesforce開発をしていると、「カスタム表示ラベル」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 この記事では、カスタム表示ラベルとは何か、どんな場面で使うのか、そして使い方の基本について解説します。
カスタム表示ラベルとは?
カスタム表示ラベルとは、文字列を定義・管理できる仕組みです。 文字列をカスタム表示ラベルの値に設定することでフロー・入力規則・Apex・LWCなどで呼び出して使うことができます。 メンテナンス性が非常に高く、カスタム表示ラベルの値を編集するだけで文字列を変更可能です。
たとえば、複数の処理で使用している「aaa」という文字列を「bbb」に変更したい場合、通常は1つ1つ文字列を編集しなければなりません。 しかしカスタム表示ラベルを使用していればラベルを1箇所修正するだけで複数処理すべてに反映されます!
カスタム表示ラベルを使用した実例
実際に私が体験した使用例を紹介します。
■商談が「提案完了」フェーズになったら、ToDoを作成する機能
私が参画していた案件では、商談のフェーズが「提案完了」になったとき、営業担当者にフォローアップのToDoをフローで作成していました。
ToDo内容をカスタム表示ラベルで設定していたため、「提案完了」のフェーズ名を変えたときなど、ToDo内容を変更する場合はカスタム表示ラベルを編集するだけで変更ができていました。
■AIチャットにおける自動返信のメッセージ
お客様がチャットに何かを入力した時に自動でメッセージを返す機能があり、そのメッセージに対してカスタム表示ラベルを使用していました。
※「これは~~で~~になります!不明点は解消されましたか?」といったメッセージ
よく担当者から「メッセージをこういう風に変更してほしい」と依頼がありましたが、メッセージをカスタム表示ラベルで作成することにより、フローを改修することなく簡単に変更ができていました。
カスタム表示ラベルの作成方法
ここまでは文面でカスタム表示ラベルを紹介しました。 文面だけだと想像しづらいかもしれませんので、ここからは画像を含めてカスタム表示ラベルの作成方法と使用方法をご紹介します。
カスタム表示ラベルの作成
① クイック設定に「カスタム表示ラベル」と入力し、ユーザーインターフェースから「カスタム表示ラベル」を選択。
カスタム表示ラベルが開かれたら「新規カスタム表示ラベル」を押下する。
② 任意の設定を行い保存ボタンを押下する。今回はデモのため下記設定とする。
- 簡単な説明:記事用テストメッセージ
- 名前:TestMessage
- 値:テスト
※作成後の名前(今回でいうとTestMessage)は変更不可のため要注意!
③ カスタム表示ラベルが新規作成されました。
トリガフローでの使用例
取引先責任者オブジェクトにトリガフローを作成しました。起動条件、設定内容は下記になります。
- エントリ条件:なし
- 処理内容:「役職(Title)」の値をカスタム表示ラベルの値に更新する
画像2枚目の更新要素で「役職」の値にカスタム表示ラベルの値(!$Label.TestMessage)を指定しています。
このフローで取引先責任者をデバッグすると・・・
無事にフローが起動し「役職」がカスタム表示ラベルの値である”テスト”に更新されました。
入力規則での使用例
取引先責任者オブジェクトに入力規則を作成しました。起動条件、設定内容は下記になります。
- 起動条件:名(FirstName)が カスタム表示ラベルの値と等しい
- エラーメッセージ:取引先責任者の名が”テスト”です!
名がカスタム表示ラベルの値と同等の取引先責任者を作成すると・・・
取引先責任者の名 = カスタム表示ラベルの値 を検知して入力規則が動作しました。
おわりに
以上、カスタム表示ラベルについて説明をさせていただきました。
カスタム表示ラベルは一見地味な機能にも見えますが、プロジェクトが大きくなるほど重要性が増してきます!
コードの可読性や保守性に直結するため、初心者のうちからぜひ使い方を覚えておきましょう!
それ、サンブリッジなら実現できます!
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