Salesforceの生成AI機能『Einstein Knowledge Creation』を使ってみた!

技術コラム

Mao Suzuki

Salesforceの生成AI機能『Einstein Knowledge Creation』を使ってみた!

Mao Suzuki

昨今、生成AIの急速な進化により、ビジネス界での活用が大きな注目を集めています。この潮流を受け、サンブリッジではSalesforceのAI機能について積極的な調査を進めております。

本記事では、Salesforce Spring ’24リリースで正式に導入された生成AI機能『Einstein Knowledge Creation』について、実際に使ってみた感想を交えてご紹介します。

Einstein Knowledge Creationとは

一言で言うと、Einstein Knowledge Creationは「ケース」「メール」「チャット/メッセージング」をソースとしてKnowledgeのドラフトレコードを生成する機能です。

この機能を使用することによって、お客様との問合せ対応後に実施するKnowledgeの作成時間を短縮できることが見込まれます。

生成される内容

Einstein Knowledge Creationで生成できる内容は11種類あり、Salesforceの設定画面ではEinstein 応答と記載されていました。

今回は設定方法の説明は割愛させていただきますが、Einstein Knowledge Creationを使用するためには、事前に任意のEinstein 応答とKnowledge項目を対応付ける設定が必要があり、対応付けた項目に値が生成されます。

Salesforceの設定画面では、11種類ある各Einstein 応答について、以下の説明が記載されています。

これだけ見てもあまりイメージがつかないと思いますので、全11種類のEinstein 応答を以下のようにKnowledge項目に対応付け、各ソース(「ケース」「メール」「チャット/メッセージング」)ごとに実際にEinstein Knowledge Creationを実行してみました。

実際に使用する前に、まずは実行手順を記載します。

実行手順

実行手順は以下3ステップです。

①ケースまたはメッセージングセッションの詳細画面のナレッジコンポーネントから「新規記事 > Einstein を使用してドラフトを作成」をクリックします。

ケース詳細画面

メッセージセッション詳細画面

②タイトルと言語を設定します。

③ナレッジのドラフトが生成されるので必要に応じて編集し、「ドラフトとして保存」をクリックします。

これらの実行手順に沿って、各ソース(「ケース」「メール」「チャット/メッセージング」)ごとに実行してみた結果を以下にご紹介します。

検証前提

前提として、今回の実行結果は弊社の検証環境で実行し、表示しているデータや内容はテストデータになります。

生成AIという特性から環境によって異なる内容が生成される可能性がございますので、ご留意ください。

各ソースごとの実行結果

ケース

以下の件名と説明項目を入力したケースをソースとします。

タイトルに「スマートフォンアプリのクラッシュ問題について」と入力してEinstein Knowledge Creationを実行した結果、以下のKnowledgeが生成されました。

メール

メールをソースとする場合はメールtoケースを使用して、メールが紐づいたケースの詳細画面からEinstein Knowledge Creationを実行します。

以下3点のメールのやり取りをソースとします。

タイトルに「スマホの画面の復元方法」と入力してEinstein Knowledge Creationを実行した結果、以下のKnowledgeが生成されました。

メッセージング

以下のメッセージングのやり取りをソースとします。

タイトルに「スマホの画面の復元方法」と入力してEinstein Knowledge Creationを実行した結果、以下のKnowledgeが生成されました。

生成結果に対する所感

各ソースごとの実行結果を見た感想として、生成内容の精度が微妙である項目があるものの、ドラフト版ということであれば十分に役立つ機能だと感じました。

具体的には「概要」「トラブルシューティングステップ」「解像度」「回答」「質問」といった項目はきちんと生成されてくるように思われます。

一方生成結果の中で、「not specified」という応答が見られたことから、AIが適切に内容を特定できていない可能性が示唆されました。そのため、インプット情報となるソース(「ケース」「メール」「チャット/メッセージング」)を作成する際に、Einstein 応答の種別ごとの見出しを記載することで精度の向上が期待できるのではないかと考えます。

また、実際に運用することを考えた場合、似通った内容が生成される項目や、必要性がわからない項目があったため、使用するEinstein 応答の種別は少数に絞るか、期待に添わない内容は削除して空欄で保存するなどした方がよさそうだと思いました。

最後に

本記事では、生成AI機能『Einstein Knowledge Creation』について紹介させていただきました。

サンブリッジでは、Salesforceの生成AI機能の拡充に伴って、積極的に機能検証を行い、一部の機能では実際にサービス提供を行った事例がございます。

生成AI機能について気になる方は、ぜひ、サンブリッジにご相談ください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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