商談パスの設定に困ったことはありませんか?
Salesforceで効果的に営業管理をするにあたり、外せない設定が商談パスの設定ではないでしょうか。
しかし、そんな商談パスを設定するためには、事前にしなければならない設定がいくつかあります。
それを理解していないと、効果的な営業管理をできなかったり、手戻りが発生したりしてしまいます。
本記事では、新卒未経験の私が、実際に商談パスを設定するのにつまずいた経験をもとに、効果的な営業管理を実現する商談パスの設定に必要な手順を解説いたします。
商談パス設定の目的
商談パスを設定することで効果的な営業管理をすることができます。
具体的には以下のようなメリットが挙げられます。
適切な商談管理を実現
商談パスを設定すると、全員が同じプロセスで営業活動を実施することができるため、正しく営業管理を行なうことができます。
例えば、「この商材ではこのフェーズで停滞しがちだ」や「この営業マンはこのフェーズで停滞しがちだ」などの示唆が得られたり、画一化された基準で営業活動を実施していることで適切なパイプライン管理をすることができ、正確な売上予測に寄与したりします。
チーム全体の成約率向上
商談パスを設定することで、各商談フェーズにおいて「何をすることで次のフェーズに進めることができるのか?」を明確にすることができます。
経験の浅い営業マンであろうと、熟練の営業マンであろうと、標準化された営業プロセスを実施することで営業スキルに頼らない、属人性を排除した営業活動が期待できます。
商談パス設定の全体像
商談パスの設定には大きく以下の4つの手順を順々に踏む必要があります。
- 商談フェーズの定義
- セールスプロセスの設定
- レコードタイプの設定
- 商談パスの設定
商談パスはレコードタイプに紐付けて設定するため、商談パスの設定にはレコードタイプの設定が必須となります。
また、商談オブジェクトでレコードタイプを設定する際にセールスプロセスを選択するため、レコードタイプの前にセールスプロセスを設定しておくことが必要です。
そしてセールスプロセスを設定する際に、使用する商談フェーズの値を選択するため、セールスプロセスを設定するために商談フェーズを定義しておく必要があります。
少しややこしいかもしれませんが、以下で順を追って見ていきましょう。
商談フェーズの定義
まずは商談フェーズを定義します。
既に定義されている方も多いとは思いますが、Salesforce公式でも商談フェーズの定期的な見直しを推奨しているため、これを機に見直してみることをおすすめします。
商談フェーズを定義する際の基本的な考え方はSalesforce公式のサクセスナビを参照することをおすすめします。
(Salesforce公式のサクセスナビより引用)
特に大事なポイントは「①自社のタスクではなく、お客様の合意や行動によってフェーズを決める」ことです。
なぜなら、商談はお客様の意思決定やお客様との合意を起点に進むからです。
例えば商談フェーズとして「提案書の作成」を設定した場合を考えてみましょう。
これは自社のタスクを起点として商談フェーズを設定していますが、提案書の作成が完了することで商談の確度が上がったと言えるでしょうか?
提案書を作成することで商談が進んだと言えるでしょうか?
「提案書の作成」という自社側のタスクはあくまでお客様の意思決定を手助けするために必要な一要素に過ぎません。
どのフェーズにおいても、商談が進むためにはお客様の意思決定・お客様との合意が必要です。
だからこそ、お客様の意思決定やお客様との合意を起点に商談フェーズを定義する必要があります。
既に商談フェーズを設定されている方は、この観点で商談フェーズの見直しの見直しを実施することを強くすすめます。
少し本筋からはそれましたが、商談フェーズの設定方法について説明します。
設定自体は簡単で、
設定>オブジェクトマネージャー>商談>項目とリレーション>フェーズ
から、選択リスト値を編集することで設定することができます。
ここで注意したいのが、後述しますが、複数のセールスプロセスを設定したい場合です。
ここでは、全てのセールスプロセスに含まれるフェーズを設定する必要があります。
後続の「セールスプロセス」「レコードタイプ」の設定でどの値をプロセスに使用するか出し入れすることができるので、ここでは使用したい値全てを設定しましょう。
セールスプロセスの設定
セールスプロセスを設定することで、各レコードタイプで使用できるフェーズの値を定義できます。
言葉だけで理解するのは難しいので、実際に設定してみましょう。
設定>クイック検索で「セールスプロセス」と検索>セールスプロセス
から、セールスプロセスの設定をします。
「新規」を押したら「セールスプロセス名」を入力し、「保存」を押すと、セールスプロセス内に含めるフェーズの値を選択する画面に遷移します。
ここでは、1セールスプロセス内に含めたい値を選択します。
ここではわかりやすいように全く別の値を選択したセールスプロセスを二つ作ります。(実際には必要な数で構いません)
(「テスト01」セールスプロセス作成画面)
(「テスト02」セールスプロセス作成画面)
必要な値を含めたら「保存」を押してここでの設定は完了です。
レコードタイプの設定
次にレコードタイプを作成し、セールスプロセスと紐付けます。
設定>オブジェクトマネージャー>商談>レコードタイプ>新規
から、レコードタイプを新規作成します。
「レコードタイプの表示ラベル」「レコードタイプ名」を入力し、紐づけたいセールスプロセスを選択し、必要に応じてプロファイルを設定して「次へ」を押します。
ページレイアウトの設定をしたら「保存」をクリックで完了です。
パスの設定
前置きの設定が長くなりましたが、いよいよパスの設定です。
設定>クイック検索で「パス設定」と検索>パス設定>新しいパス
から、新しいパスを作成します。
パス名、API参照名を入力し、オブジェクトで「商談」を選択、対象とするレコードタイプを選択し、選択リストで「フェーズ」を選択したら、「次へ」を押します。
各フェーズにおいて、次のフェーズに進むために必要なことを「成功へのガイダンス」に記載し、それに関連する項目を「重要な項目」として選択します。
各フェーズ設定が完了したら「次へ」を押し、「あなたのパスを有効化」したことを確認し、(任意で「お祝いを有効化」した上で)「完了」を押したら設定は完了です。
実際に新規の商談を該当のレコードタイプで作成して画面で確認してみましょう。
このように、レコードタイプによって表示されるフェーズを使い分けることも可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
商談パスを設定するためには前置きの設定が必要ですが、適切な定義のもと設定することで効果的な営業管理を実現することができます。
この記事により、商談フェーズの適切な定義、商談パスの活用、効果的な営業管理ができるようになる手助けとなれば幸いです。
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