Salesforceを触り始めたばかりの方にとって、「メタデータ」という言葉は少し難しく感じるかもしれません。
本記事では、「メタデータ」とは何か、さらにSalesforceの「カスタムメタデータ」の特徴や使い方を初心者の方にもわかりやすく解説します。
図を交えながら、具体例も挙げて説明していきますので、ぜひ参考にしてください!
そもそもメタデータとは?
メタデータの定義
メタデータとは、「データについてのデータ」のことです。
簡単に言うと、ファイルや情報そのものではなく、それらを説明する付加情報を指します。
例:
- 写真データの場合
- データ本体:実際の写真画像
- メタデータ:撮影日時、カメラの機種、ファイルサイズ など
Salesforceにおけるメタデータの役割
Salesforceでは、環境の構築やカスタマイズを行う際、メタデータが重要な役割を果たします。
たとえば、以下のような設定情報はすべてメタデータに該当します。
例:
- オブジェクトや項目の定義
- ページレイアウトやLightningコンポーネントの設定
- 承認プロセスやフロー
カスタムメタデータとは?
カスタムメタデータの特徴
カスタムメタデータは、簡単に言うと設定内で保持できる小さなカスタムオブジェクトです。
通常のカスタムオブジェクトと同じように項目やレコードを作成する事が可能で、 以下のような利点があります。
- Sandbox⇒本番環境間での設定データの簡単な移行
- 通常作成したレコードは変更セットで移行する事はできませんが、
カスタムメタデータで作成したレコードは移行する事が可能です。
- 通常作成したレコードは変更セットで移行する事はできませんが、
- Apexコードからの参照による自動処理の管理
- Apexコードを作成する際にカスタムメタデータを使用する事が可能となり、
記述を短縮することでハードコーディングを避ける事ができます。 - Apexのカスタムメタデータはガバナ制限の対象外です。
通常SOQLクエリの1トランザクションでの発行数は100回までという制限がありますが、
カスタムメタデータはその数に含まれません。
- Apexコードを作成する際にカスタムメタデータを使用する事が可能となり、
例えば「地域のマスタ」や「部署のマスタ」など、頻繁には変更しないものの年に数回変更があるようなデータを保存や移行をするのに適しています。
注意点
- カスタムメタデータ型の使用量は組織全体で 1,000 万文字までの制限があります。
- 1,000 万文字の制限に満たない場合でもカスタムメタデータ型は組織全体で 200 個までの制限があります。
- かつ1 つのカスタムメタデータ型に含めることができる項目数は 100 個までです。
- ロングテキストエリア項目は 1,000 万文字の制限に含まれ、項目ごとに 255 文字としてカウントされます。
- カスタムメタデータ型作成時および項目作成時での説明項目には 1,000 文字まで入力できます。
- 標準項目(表示ラベル、名前、名前空間 など)は使用量の計算に含まれます。
- 説明 と 修飾された API 参照名 は計算に含まれません。
- メタデータリレーション項目は、参照先がカスタムメタデータ型の場合は 15 文字、
オブジェクトまたは項目の場合は10 文字としてカウントされます。 - 選択リストとチェックボックスは10 文字としてカウントされます。
- Apex からカスタムメタデータを使用する場合、SOQL クエリ数に制限はありません。
フローで使用する場合、Apex ガバナ制限が適用されます。 - ロングテキストエリア項目を含む SOQL クエリは、Apex ガバナ制限の対象となります。
その他詳細は下記をご確認ください。
Salesforce Help:カスタムメタデータの割り当ておよび使用量の計算
カスタムメタデータの作成方法
ステップ1:カスタムメタデータ型を作成する
- Salesforceの設定画面で「カスタムメタデータ型」を検索します。
- 「新規カスタムメタデータ型」をクリック。
- 必要な情報(表示ラベル、オブジェクト名など)を入力し、保存します。
ステップ2:カスタム項目を追加する
- 作成したカスタムメタデータ型を開き、「カスタム項目」セクションまで移動し、「新規」をクリックする。
- データ型やラベルを設定して保存します。
ステップ3:レコードを作成する
- カスタムメタデータ型の管理画面で「レコードの管理」をクリック。
- 「新規」を選び、必要な値を入力して保存します。
カスタムメタデータの具体的な活用例
活用例1:地域別設定情報の管理
たとえば、地域ごとに異なる配送料金を管理する場合、
カスタムメタデータを使うことで各環境間で設定データを容易に共有できます。
活用例1:地域別設定情報の管理
地域ごとに異なる消費税率を管理する場合を考えてみましょう。
カスタムメタデータを使うことで、各環境間で設定データを容易に共有できます。
例えば、「地域設定」というカスタムメタデータ型を作成し、「地域名」と「消費税率」という項目を定義します。
このように設定しておけば、Apexコードや数式項目で簡単に消費税率を取得することができます。
参考
Salesforce Help:カスタムメタデータ型
Salesforce Developers:カスタムメタデータ型
まとめ
カスタムメタデータは、Salesforceでの柔軟な構築に欠かせない機能です。
特に設定情報を簡単に管理・移行できる点は、初心者にとっても利点といえると思います。
ぜひ、この記事で紹介した方法を参考にしながら、自社の業務に適したカスタムメタデータを活用してみてください!
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