Salesforceからメールが送信できない時に
確認すること

技術コラム

Masaki Kaneko

Salesforceからメールが送信できない時に確認すること

Masaki Kaneko

「Salesforceからメールを送信したはずなのに、メールが確認できない」「メールを送信する処理を起動するとエラーが発生して送信できない」

このようにSalesforceを活用している中で、メールの送信に関するトラブルは少なからず発生することがあります。

もしメール送信に関するエラーが生じた際、どのように解決していけばよいのでしょうか。

本記事では、私がメール送信処理の実装時に遭遇したエラーを元に、よくあるエラー原因とその解決策についてご紹介いたします。

※エラー調査の初期段階にSalesforceのメールログ機能を活用し、Salesforceからの送受信状況を調査することも重要なため以下もご覧ください

(参考)Salesforce Help|メールログのリクエスト

Salesforceからメールが送信できない原因5選

【原因①】組織のメール設定が[すべてのメール]になっていない

Salesforceからメール送信が確認できない場合、まずはSalesforce組織自体のメール設定を確認しましょう。多くの場合、[システムメールのみ]となっていることが原因で、組織からメールが送信されていません。

組織の立ち上げ時やSandbox環境を作成・更新した際は[システムメールのみ]となっているので特に注意が必要です。

【解決策】

  • [設定]>[送信]からアクセス権を[すべてのメール]に変更し、設定を保存します。

(参考)Salesforce Help|メール送信

【原因②】実行ユーザのメールアドレスが未検証となっている

組織のメール送信設定が適切にも関わらずメール送信が確認できない場合は、実行ユーザのメールアドレスが検証済みであるかを確認しましょう。

メールの送信元に実行ユーザのメールアドレスが使用される場合、実行ユーザのメールアドレスが検証済みでないとメールが送信されません。

Sandbox環境を作成・更新した際にユーザのメールアドレスが未検証となる(末尾に.invalidがつく)ので注意が必要です。

【解決策】

  • 実行ユーザのメールアドレスを検証済みとする(末尾の.invalidを外して保存後、設定したメールに送られてくるリンクをクリック)
  • 検証済みメールアドレスのユーザを実行ユーザとする

【原因③】メール受信先がnullとなっている

メール送信をメールアラートで行っている場合などに生じるのが「Probably Limit Exceeded or 0 recipients」というエラーです。

原因は指定しているメールの受信先がnullとなっていることです。

【解決策】

  • メール受信先を確認し、有効ユーザ、検証済みのメールアドレスを指定可能な状態とする

※受信先が無効ユーザまたは未検証なメールアドレスを指定している状態を解消します

【原因④】ゲストユーザから送信されるメールの送信元が未検証のメールアドレスとなっている

Summer ’23のリリース更新により、ゲストユーザから送信されるメールの送信元が未検証のメールアドレスの場合はSalesforce組織からメールが送信されなくなりました。

考えられる場面としては、コミュニティサイトなど組織外部の操作を起点としてメールを送信するケースです。

【解決策】

  • メールの送信元を検証済みのメールアドレスに設定する(例:組織のメールアドレス)

例えば、コミュニティサイト上のフォームに入力が行われた時、送信元に入力者のメールアドレスを指定してメールを送信する処理を下記のように構築している場合は、メールアクションの送信元を組織のメールアドレスに指定することで解決可能です。

(注意)メールアクションの[送信者メールアドレス]に組織のメールアドレスに設定する際、[送信者タイプ]に「OrgWideEmailAddress」を入力する必要があります

(参考)Salesforce Help|ゲストユーザから送信されたメールの制限 (リリース更新)

(参考)Salesforce Help|フローコアアクション: メールを送信

【原因⑤】Chatterメール設定の送信者が未設定

最後はChatter通知時にメールが送信されない場合です。

Winter ’24のリリース更新により、Chatterメール設定で[差出人名][メールアドレス]が設定されていない場合、Salesforceからメールが送信されなくなりました。

【解決策】

[設定]>[メール設定]から[差出人名][メールアドレス]を設定します

(参考)Salesforce Help|Chatter メール通知を送信するときの送信者名とメールアドレスの必須化 (リリース更新)

最後に

いかがでしたでしょうか?メール送信処理はSalesforce機能の中でも活用頻度が高いため、よくあるエラーの解決策を事前に把握しておくことで解決時間の短縮に繋がります。

サンブリッジではメール送信フローに関わる改修など、技術支援サポートも行っております。

「既存処理を改修しているがエラーで上手くいかない」「改修したいと思っているが影響範囲が分からず安易に手が付けられない」などお困りの際はまずサンブリッジにご相談ください!

本記事が皆様の運用の参考になれば幸いです。

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