前回のブログでは、「マーケティングオートメーションにおける品質」について、MAの運用で発生する事故のパターンやMAの品質の重要性についてご説明しました。
今回はその後編としまして、MAにおける検証についてご説明いたします。
マーケティングオートメーション(MA)において品質を高める為の視点
– 最低限実施すべき検証とは?
1. ソフトウェア検証における品質の考え方
ソフトウェア検証では、「製品」が要求・要件通りに実装されているかを検証します。
品質向上におけるアプローチを「予防」と「対処」に分類した場合、予防とは、事故の要因を植え付けないこと。対処は植え付けられた要因を取り除くこと。と定義できると考えられます。
テストを含む各開発工程において、テストはあくまでも対処でしかなく、品質を創りこむのはテスト以外の設計・実装工程になります。
各工程で要求・要件レベルに応じた予防策、対処策を講じることが品質向上に直結します。
2. MAにおける品質の考え方
ソフトウェア検証に対し、MA検証では「製品(ツール)」による「設定」が要求・要件通りに実装(設定)されているかを検証するものであり、MAにおける品質でも「予防」と「対処」によって向上できるものと考えます。
MAにおける検証(設定検証)も「対処」に該当し、今回は、植え付けられた要因を効率的に防ぐ方法を簡単に解説いたします。
3. MAの設定検証における現状
ソフトウェア検証では、内部で品質保証部を構築する、または品質保証プロセスを外部委託するなど、品質における重要性が高まってきている中、MA導入・運用では品質・検証の重要性が浸透していないのが現状です。
そのため、「そもそも検証を実施していない」、実施していたとしても、検証方法が確立されていないように見受けられます。
例えば、「該当するリードが意図したプログラムに入っているか」、「該当するアクションを行った際に意図したリードにスコアが付与されているか」など、「対象となるリードの状態」しか見ていないことが多いと思います。
意図したリードにプログラムが動く。という検証はしていますが、意図したリード”のみ”にプログラムが動く。という検証がされていないなど、対象外のリード・プログラムに対しての検証が行われていない状況です。
4. 最低限やるべき検証とその効果
ただ、上記のような「全部のパターン」「全部の可能性」「全部のタイミング」を網羅的に検証することは、非現実的です。
ソフトウェアのテストにおいても、テスト戦略・観点なくテスト実施をした場合、「しらみつぶしに検証する」「経験や勘に頼る」「スケジュール内でできるところまでやる」など、テストの意義が不明な検証をしているプロジェクトも多々存在しています。
不具合がゼロになることはない。予算・期間は有限であることを意識し、今回の検証ではどこに着目して狙い撃ちするか、どういう手法が今回の要求・要件に合致するかを事前に定めることにより、予算・期間・品質への無理無駄を省くことに繋がります。
先のブログで紹介したような事故事例(悪い出来事)に対しても、プログラムの修正・追加箇所を把握し、確認ポイントをしっかり押さえておけば防げるものでした。
例えば、以下のようなテスト技法が考えられます。
・時系列やタイミングに左右される設定
⇒フローに沿ったシナリオテスト
・条件設定に左右される設定
⇒条件を網羅するような単機能検証
今回のセミナーでは、上記のような手法について例を挙げながらお話させていただきます。
(寄稿:株式会社Shift)
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