MAと他ツールとの連携によって何ができるようになるのか
マーケティングの中心としてのマーケティングオートメーション
技術コラム
MAと他ツールとの連携によって何ができるようになるのか
マーケティングの中心としてのマーケティングオートメーション
以前「マーケティングオートメーションツール比較のためのシナリオ作成のポイント」という記事において、マーケティングオートメーション(以下MA)の導入を検討されている方のためにMAツールの機能を比較するためのコツについて書かせていただきました。
MAは複数チャネルでのマーケティングを実現するための理論であり、またそのための統合的なマーケティングシステムなのですが、完璧なシステムなど存在しないようにMAツール単体でマーケティングすべての領域をカバーできるわけではありません。
MAを考えるときには機能の比較というミクロの視点だけではなく、大局的にマーケティング全体を通して考えるマクロの視点が必要になってきます。
例えば広告管理ツールやSNS、モバイルプッシュ通知など、さまざまなシステムやツール(以下ツールに統一します)と連携をすることで、MA単体では決して実現できないお客様とのコミュニケーションを実現することができます。そのため、連携できるツールの豊富さや連携のしやすさという観点もMAツールを選ぶときには非常に重要になってきます。
ウェブページやメールなどのオンラインだけではなく、オフラインのリアルなコミュニケーションまで、お客様とのコミュニケーション全体においてMAが中心的な役割を果たす未来がすぐそこまで近づいて来ています。
本日はMAがそのほかのツールと連携することで、どのようなことができるようになるのかについて、具体例を交え解説させていただきます。
マーケティングハブとしての役割
上図はMAと連携することができるツールの一部です。これら独立したツールとMAを連携させるということだけではなく、例えば以前のブログでご紹介したデータクレンジングやデータマッシュアップのためのツールなど、MAやSFA(CRM)を強化することを目的として連携を前提としている新しいツールも開発されていますので、その数は日々増えています。
業務のためにERP(統合基幹業務システム)があり、営業のためにSFA(営業管理システム)があるように、MAはマーケティング担当者のために開発されたシステムです。
そのためMAは、名刺管理やSNSなど様々なツールで得た情報を有機的に統合するハブ(中心)として見込客の行動や属性データを統合し、さらにそのデータをセグメントして連携ツールに渡すことで、例えば広告配信やプッシュ通知など別のキャンペーンに活かすことができるといったマーケティングの中心としての役割に長けています。
他ツールとの連携によって何ができるようになるのか
それではここで具体的にMAとツールを連携することでどのようなことが可能になるかシミュレーションをしてみたいと思います。ご紹介するのはさまざまなツールがあるうちの一部だけですので、それ以外にもできることはたくさんあるのですが、少しでも具体的なイメージが想起いただければ幸いです。
① 獲得した見込客情報を早く正確にMAに格納
マーケティング担当者のAさんは展示会で獲得した大量の名刺情報を名刺デジタル化サービスを使ってMAに格納しています。以前はエクセルにひとつひとつ手入力していたので膨大な時間がかかっていました。名刺読み取りソフトも使ってみましたが機械だけでは間違いも多く、結局目検でひとつひとつ確認が必要となり手間は変わりませんでした。今ではスキャナーに名刺を通すだけで正確な情報がMAに入ってくるのですぐにマーケティングに活用することができます。
② 最新の企業基礎情報を付加してデータを強化
さらに、登録された見込客情報にはデータマッシュアップツールを使用して、名刺情報に加えて従業員数や業界区分、資本金額など様々な会社情報が自動的に付加されます。MAではこの情報を活用し、会社規模や業界に合わせて、コンテンツのメッセージが最適化されるように設定がされています。これによってセミナーに以前よりも多くの見込客が参加してくれるようになりました。
③ アンケートの結果をマーケティングや営業に活用
セミナーの参加者に最初に送られるフォローアップメールはセミナーのアンケートです。以前は紙で管理をしていたので集計にも時間がかかり、結局は机の引き出しの中に埋もれてしまっていました。現在はウェブアンケート管理ツールを使用しているので、回答結果は自動的にグラフ化され、集計に手間を割くことはなくなりました。回答はすべてMAに連携され、見込客の情報に統合されます。同じ見込客が複数回セミナーに参加してアンケートに回答した場合でも管理が非常に楽になりました。
アンケート情報は回答によってセグメントをしてマーケティングに活用したり、営業がコンタクトをする際の参考にしたり、有効に活用しています。
④ オンラインでコミュニケーションできない見込客のフォローアップ
メールを何通送っても開封してくれずコミュニケーションをとることができない見込客にはMAでセグメントをして、DMやFAXを送信しています。全体の内のわずかではありますが、ここから毎月何件かは商談まで進む見込客もおり、案件数の底上げができるようになりました。
⑤ 離脱した見込客の呼び戻し・新規顧客獲得の強化
コンバージョンを上げるための施策として、フォームページに訪問はしたが離脱してしまった見込客だけをMAで抽出しDMP(データマネジメント・プラットフォーム)と連携して、リテンションのバナー広告を表示させています。
また、DMPが蓄積している様々なデータ提供企業が保有している第三者データと、MAが保有している成約まで至った見込客の属性情報を組み合わせ、最も成約まで至る可能性が高いユーザーの属性を特定してウェブ広告を配信し、新規顧客開拓(リードジェネレーション)にも役立てています。
⑥ PDCAサイクルの高速化
これらのマーケティング施策の効果検証はBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを使って結果と属性情報を素早く簡単にクロス集計をしてグラフ化することができるので、データ抽出や可視化を効率化させることで短期間での実施と検証のPDCAサイクルを可能にしています。
いかがでしたでしょうか。
さまざまなツールとMAを連携することで多様なマーケティングを展開することができるようになります。
当然多くのツールを導入する場合、その分コストがかかりますしツールの習熟にも時間がかかってしまいますので、目的や予算に応じて優先度の高いものから検討すると良いでしょう。
各連携ソリューションについての詳しい内容は今後当ブログでご紹介していく予定ですので、ぜひご期待ください。
また、本日記載した内容はすべて当社がご提供・ご紹介できるサービスですので、ご興味があるお客様はぜひ一度お気軽にお問い合わせください。