年末から年始にかけて、この時期は今年のマーケティングトレンドをテーマとして扱う記事が増えてきます。各社専門分野に合わせて扱うテーマや粒度もさまざまですので、複数の記事に目を通しておきたいものです。
そこで今回は、「デジタルマーケティング」におけるトレンドというテーマで、日本よりもマーケティングが進んでいるといわれる米国のサイトを複数閲覧し、気になった内容をご紹介します。自社のマーケティング施策やお客様との会話のヒントにしていただければと思います。
1.コンテンツとパーソナライゼーションは、ますます重要に
「コンテンツ」や「パーソナライゼーション」といった施策は、デジタルマーケティングの世界ではもやはお馴染みでしょう。
コンテンツにおいては、自社製品を売り込むのではなく顧客層に役立つ情報を提供する、という姿勢は引き続き重要視されています。同様に、パーソナライゼーションにおいては
Impersonalized email blasts and ads are going the way of the fax machine(注1)
(パーソナライズされていない一斉配信メールは、Faxと同様に衰退するだろう)
とForbsの記事で述べられているように、今後もひとりひとりの顧客にあった対応が一層求められるようです(日本企業ではまだFaxは健在かと思いますが…)。
このようにコンテンツ施策は今後も優先度の高い施策として考えられていますが、コンテンツにおいて考慮すべき点は内容だけではありません。SEO対策や配信チャネルなども併せて検討が必要です。
2.キーワードは「音声」と「ビデオ」
音声検索への対応
iPhoneのSiriやAmazonのAlexanaなど、声で検索することが日本でも珍しくなくなってきました。昨年、Googleが開発者向けのカンファレンスにて「モバイル検索の20%は音声検索であると」発表したこともあり、音声検索にさらに注目が集まっているようです。前述のForbsの記事でも、音声検索に対応したコンテンツの準備が必要であると述べられました。
具体的な施策ととしては、「音声でよく使われるキーワードに対応する」などで検索結果の上位を狙うといったことが考えられますが、詳細は「海外SEO情報ブログ」の記事などを参照いただければと思います。
とはいえ、日本において音声検索はまだ、若者の利用率の方が高く、自宅や家庭内で使うことが主流かと思いますので、扱っている商材やターゲットによって強化すべきか判断したいところです。
映像が引き続きトレンドに
昨年の「ワールドマーケティングサミット(WMS)」の参加レポートにて、今後はビジュアルがますます重要になるというLaura Ries氏の講演を紹介しましたが、今年のトレンド情報を見てもその傾向がみられます。特に動画、なかでもライブビデオについて触れている記事が目立ちました。
Whether it’s a behind-the-scenes look at life in the office or a virtual launch party, live video humanizes your brand and builds trust with your audience in ways more polished and produced content never could,(注3)
(ライブビデオはあらかじめ整えられたコンテンツよりも人間味を感じさせ、顧客との信頼関係が構築される)
編集されたコンテンツよりも素の状態が見られるライブは、より信頼感を持てるということでしょう。また、FacebookをはじめとしたSNSにおいてライブビデオの環境が整ったことなども、今後のトレンドとして注目されている理由のようです。
3.データを活用した顧客の理解 +予測分析
パーソナライゼーションが重要とわかっていても、すべての顧客に対応するのは「言うは易く行うは難し」でしょう。実施においては、マーケティングオートメーションのようなツールはもちろん、顧客データが欠かせません。企業属性情報から行動データまで、データの活用は今後ますます重要視され、また精度が求められていくようです。
If you have the right data, then a professional digital marketer can understand the exact customer behavior(略)(注4)
(正しいデータを持っていれば、プロのデジタルマーケターは顧客の行動を正確に理解することができる)
Data-driven marketing is a powerful tool, but how that data translates to the customer journey will be paramount in digital marketing success in 2018(注5).
(データドリブンマーケティングは強力なツールであり、顧客のカスタマージャーニーにいかに活用するかがデジタルマーケティングの成功において重要である)
4.広告は今後もネイティブアドが主流
パーソナライゼーションが重視される一方で、欧州のGDPR(一般データ保護規則)ガイドラインの影響も気になるところです。そのためか「ネイティブアド」を取り上げている記事は約10サイト中半分以上ありました。
In the context of General Data Protection Regulation (GDPR), we can expect that it will be more complicated for ad tech vendors to track user behaviors with cookies. Audience targeting strategies will be progressively replaced by contextual targeting strategies (略)(注6)
(GDPRの状況において、アドテク業者にとってクッキーをもとに行動を記録することが複雑になるだろう。オーディエンス広告は徐々にコンテンツ広告に変わっていくと予想される)
ネイティブアド(ニュースサイトの記事やSNS上において、閲覧している内容と関連のある文脈として表示される広告)は、日本でもここ数年導入企業が増えているようです。
5.マーケティングオートメーション(MA)はさらに強化
インパクトを与えるマーケティング施策として毎年アンケートをとっているSmartInsight によれば、マーケティングオートメーション(MA)は2018年も上位にあがっており(注6)、今後も注目されています。しかし、今年は「マーケティングオートメーション」というツールではなく、利用目的の一つである「パーソナライズ」という言葉が前面にでてきた印象をもちました。
また、Salesforceでは「5 future of marketing trend in 2018(注7)」という記事において、今後のMAはデータや他ツールとの連携でより強化されていくと述べています。日本国内でも、MAをCRMやSFAとの連携したり、MarketoのLaunchPoint、PardotのAppExchangeといったツールで、自社に必要な機能を強化するという動きは今後も増えてくるのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。今回サイトを調べていて、コンテンツやパーソナライズの重要性を改めて認識しました。できるだけ必要のないコンテンツをお客様に届けないようにしたいものですが、一方で潜在ニーズも喚起したいところ。その境界を判断をするためにも、データやそれを用いた予測技術はますます必要となってくるでしょう。
(注1,2,5,6) How Digital Marketing Will Change In 2018: 15 Top Trends
https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2017/12/18/how-digital-marketing-will-change-in-2018-15-top-trends/#445be89a2d9a
(注3)4 Digital Marketing Trends that Will Take 2018 by Storm (fusion.com)
https://learn.infusionsoft.com/marketing/digital-marketing/digital-marketing-trends-2018
(注4)7 Major Digital Marketing Trends For 2018 (SmartInsigt)
https://www.smartinsights.com/digital-marketing-strategy/7-major-digital-marketing-trends-2018/
(注7)10 Marketing Trends to act on in 2018
https://www.smartinsights.com/digital-marketing-strategy/10-marketing-trends/
(注8)5 Future Marketing Trends of 2018
https://www.salesforce.com/blog/2017/11/5-future-marketing-trends-of-2018.html
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