Sales Cloud Keynote: Accelerate Growth, Pipeline to Paycheck (Day2 13:00-13:50)
AIエージェントを導入した営業チームが顧客の成功を支援し、テクノロジースタックを簡素化する自立型AI、Agentfoceの紹介をテーマにSales Cloudのキーノートが行われました。
セッションはSale CloudのEVP&GMであるKeta Karkhanisのプレゼンテーションから始まりました。
Keta Karkhanis氏によると、Sales Cloudを利用している営業チームは、日時で780万件の顧客とのエンゲージメントや通知、1億8千万ものAIによる売上見通しの予測、350万件の商談の成立・ロストについての業務を行っているとのことです。
AIの第三の波において、AIとは営業活動を成功させるための情報を提示し、不要なデータを除外し、担当者のデータ入力の負荷を下げるべきという考え方を示しました。
エージェントはミーティングの情報を余すことなく記録・サマライズし、Salesforceの情報をアップデートします。
これにより営業パイプラインは常に満たされている状況になると説明されました。
エージェントが存在するメリットとしては、24時間稼働できるため顧客接触のチャンスを逃さない、マルチチャネルで対応が可能、データに基づき営業担当者のコーチという役割を果たすが挙げられます。Agentforceを使うということは24時間稼働可能なエージェントを雇うようなものであるとKarkhanis氏は語りました。
またSales AIには7つのユースケースが用意されているため、導入企業がDIYでエージェントを作成する必要はないとのこと。
リレーションシップマップを生成し、貢献度を可視化することができたり、Agentforceが毎日どのようなアクティビティを優先度をあげて実施すべきかレコメンドしてくれます。
Linkdinや連携したメールの情報からも、顧客のニーズ分析をエージェントが実施することができます。
統合されたビューでパイプライン管理から関連するアクティビティ、収益まですぐに確認可能になります。電話での会話サマリを含めた顧客情報を分析し、各観点でスコアリングができるようになります。
またData Cloudを利用することで1st Party Dataだけでなく3rd Party Dataを統合することができ、より深いSales Insightを得ることができることや、Slack AIと連携することで、レポートの確認や、1週間の活動サマリの生成などをSlackアプリ上で実施することが可能になるとのことです。
パイプラインの一覧からドリルダウンして情報を確認な他、商談の見込みや最近議題になっていることなど、あらゆる情報を瞬時に把握することが可能となり、Sales Cloudにおけるエージェント活動により営業活動そのものも大きく変わりそうです。これらの機能は9月18日にGAになりました。
Agentforce for Salesを活用した顧客の事例では、25%の収益向上に繋がったとの報告もありました。
機能紹介デモではエージェントを選びカスタマイズができることが紹介されました。
SDRエージェントの機能デモでは以下の簡単なステップでエージェントをカスタマイズし利用できることが紹介されました。
- 機能の有効化
- エージェントの生成
- エージェントのカスタマイズ
- グラウンディングデータの設定
作成されたエージェントに対し、メール送付するとエージェントが回答し、ミーティング時間の設定を行います。これらのプロセスをAgentforceが自立して実施することが可能です。さらにWhatsAppでのチャットから営業へのエスカレーションも行います。
顧客名を選択すると、SDRエージェントが顧客に関連するあらゆる情報をもとにセールス成功のためのインサイトを提供してくれます。
Sales Coachの機能ではWebミーティングを模して、該当顧客のプロファイルを理解したSales Coachとロールプレイを実施することができることに加えフィードバックの生成も可能になります。実際の顧客とのミーティング後にもサマリーやフィードバックを生成します。
事例として、AIアワードを受賞したアクセンチュアのSara Porter氏が登壇し、エージェントが意図を持ってアクションすることは、大きな変革になると語りました。
次に登壇したRevenue CloudのEVP&GMのMeredith Schmidt氏は、Revenue CloudはAIとの接続が可能であり、カタログ・CPQなど営業活動から請求までを網羅するコンポーネントが揃っているとの機能紹介を行いました。
見積商品を登録すると顧客は値引きを希望しているなどAIによるレコメンドが行われます。
目を引いた機能としては、新しいDocument Editerにより帳票機能が追加されるのではという点。
Revenue Cloudでは、業務フローに合わせてワークフローを定義しておくことで、一連の業務をより効率よく半自動化可能になります。
Sales Cloud関連のセッションで次に紹介されたのはSales Performance Managementです。
Sales Planningでは、営業計画・データの設定を行い、Segment Builderを使い組織を設定し、単価等を設定できます。
テリトリーごとのアカウント数や従業員数、売上等を可視化することができ、より直感的な営業管理ができ、また数字の変化についても可視化可能になります。
地図を見て、各エリアごとの顧客数や見込み金額を可視化し、その上で均一になっていない場合、均一化しテリトリーの設計を完成させることもできます。
コミッションプランもセールスプランと同じように30分で対応可能であり、設定したコミッションは、商談金額を変動させたりすると、画面上で金額変更をしたことによる影響が表示されるようになります。
データ保護のクラウドソリューションを提供するVeeam社の事例が紹介されました。ISVパートナーとしても活躍し、数千の顧客を持つ同社では、ワールドワイドで150以上の国の顧客のためにあらゆる粒度、軸でスピーディかつ正確に営業のパフォーマンスを確認する必要があり、Agentforceを活用することでこれを可能にしており、Salesforce Spiffの導入を含めてすべてのプラットフォームの見直しを行い成果を出したとのことです。
この冬にGAになるSales Cloud GoはEinstein Conversation機能をONにすることで数分間で営業活動の要約を実施するとのことです。
主要製品であるSales Cloudのセッションは濃密で充実したものでした。これらの機能が日本で利用可能になる日が楽しみです。
Agentforce: Transform Financial Services with Humans and AI (Day2 15:00-15:50)
Agentforce for Financial Services のセッションでは、顧客との関係を深めながら、クライアント、会員、保険契約者に優れたサービス成果をもたらすことがテーマでした。
10年前に初めてリリースされたIndustry Cloudもまた人とエージェントが連携することでこれまで以上のエクスペリエンスを提供できると強調。
反復する作業はAIに任せ、推論もAIに任せられる、そしてAIは24時間働くことができることが強みであると語り、金融業界においてはクレーム対応の一連の流れをAIにより対応することができると語られました。そして24時間の稼働が可能であり、スケールは無限大であるAgentforceは、各業界の業務を自動化することができると説明されました。
Agentforce for Financial Servicesはゼロコピーのため、金融業界においてもセキュアな環境で情報を保護することができ、Augmented Agent、Personalized Engagement、Revenue Growthの3つのサービスを提供するとのことです。
American Family InsuranceのCTOであるBrad Burke氏は、金融業界における課題は多くの流通チャネルがあるということであり、その中でセキュアな状態でデータをまとめることが必要になる、これに対してData Cloud + Financial Service Cloudの構成で全てのデータの最適化が実現する、そしてエージェントが顧客ごとの各ステージ(ライフサイクルの把握)を理解できることによって、付加価値のあるタスクが遂行可能になると語りました。
この後に登壇したSalesforceのFinancial Service & InsuranceのSVP & GMのEran Arios氏は
- AIがサービスの定義を変えている
- ルールベースのチャットボットはより複雑な(コンテキストを理解した)対応が可能になった
- これまでコストセンターであったサービス部門がプロフィットセンター化した
と語り、複雑なコンテキストを理解できるようになったことで、より複雑な対応が可能になったコストセンターからプロフィットセンターになれる可能性があると提言しました。
Financial Service Cloudでは、1つサービスで全てのチャネルを統合できるようになり、以下の新サービスが提供されます。
- Banking Agent
- Advisor Agent
- Clims Agent
人とエージェントの役割をどう決めるかについては、AIが正確なレスポンスを返すためにはデータの精度が、重要でありガバナンス強化が必要であるため、1番はじめにやるべきことはプロセスを明確化すること。金融業界は複雑な業務があるため、プロセスをFinancial Service Cloudに登録することでAIが業務プロセスを覚えることができるようになります。
デモでは、Financial Service Cloudの画面の中で各数値指標やアラートの確認ができることが説明され、アラートはデータからAIがレコメンドします。Financial Service Cloudタイムライン上で、複数チャネルでの過去のコミュニケーション履歴も管理できます。また、Service Consoleから統合ビューを確認し、情報を把握しアラートから不正を確認(クレジットカードの利用比率超過等)もできます。またこれらはモバイルアプリからも確認可能です。
Financial Service Cloudでは、フローオーケストレーションによりクレームが発生した際の一連のプロセスを自動化でき、エージェントに次に何をすれば良いかと質問すると具体的な対応内容を教えてくれます。
顧客と連絡をとる時もAIを活用し、メール文面はAIが自動的に作成することが可能になります。
Standard BankのNeil Pryce氏は、金融サービスにおけるあらゆるカスタマーサービスの展開をしている同社においてSalesforceで、初めて全社の顧客管理を1システムで実施したと語り、Agentforceがサービスプロセスの中で非常に活躍していると語りました。同社のAI戦略において様々な部分でAIを活用しており、プロセスを自動化できる部分を拡大していきたいとのことでした。
銀行にとって重要なことは顧客を理解することであり、ビジネスプロセスが正しく理解できていないとAIの組み込みが効果的に行えない、Agentforceを利用することで、従来、長時間かかっていた一連の業務プロセスを短時間にすることが可能であることがデモで提示されました。
AI Analytics Unleashed:Tableau AI Roadmap(9:45-10:30)
Tableau AIのロードマップに関するセッションでは、スニークピークとして将来のビジョンについて語られました。
ロードマップでは3つの製品が紹介されました。
Tableau Pulse
現在は英語版のみがリリースされている状況ですが、今後対応言語を増やしていく予定であることが表明されました。
Pulseの様々な指標に基づき、より多くのQ&Aを使用してエージェントが質問に答えることが可能になります。
Pulse for Salesforce
SaleforceのUI上にPalseを載せることができる。それによりチームの作業の効率化が可能になります。
Tableau Agent
AIアシスタントは、自然言語を使用するAIの利点を生かしてアシスタントやエージェントに質問をコマンドできるとのことです。
Web広告会社での利用事例として顧客からのフィードバックを得て、Tableauで改善点を明確にし、迅速に改善することが紹介されました。
デモでは、Tableau Palseに依頼した内容に対してエージェントが、アドバイスのメッセージを回答、それに基づき必要なデータにたどり着けるため、時間をかけてデータ探索をするのではなく、自然言語で質問することでエージェントと共同で作業することが可能になります。
セッションの最後では、Tableau Einsteinが紹介されました。
Tableau EinsteinではSalesforceの画面内で、データ探索が可能であり、情報を収集し、要約を作成しエンドユーザーはプロンプトエンジニアリングをしらなくても、GUI操作でAI活用を実現できるとのことです。
Day2のセッションもDay1同様に濃密で得るものが多かった印象です。
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