Salesforce Anywhere(Quip)とは?QuipとSalesforceの連携や統合について解説
技術コラム
Salesforce Anywhere(Quip)とは?QuipとSalesforceの連携や統合について解説
「Salesforce Anywhere(Quip)」と呼ばれるドキュメントツールをご存じでしょうか。
Salesforce Anywhere(Quip)は、Salesforceが提供するデータの管理やコミュニケーションのためのツールで、いま注目を集めているサービスです。
おそらく「Quip(クイップ)」という名前を聞いたことがあっても、「実際に使用したことがない」もしくは「どういうものなのか詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コミュニケーションに主眼を置いたドキュメントツールである「Salesforce Anywhere(Quip)」に焦点を当てて、その概要やSalesforcerとの連携などについてご紹介していきます。
Quipとは?
「Salesforce Anywhere(Quip)※」のカッコ書きにある「Quip」とは?について、まずはご説明していきます。
Quipはもともとは独立したサービスでしたが、2016年にSalesforceのサービスとして統合されました。
Quipには、「文書」「スプレッドシート」「スライド」といったドキュメントを参加しているメンバー間でリアルタイムに作成・編集・共有できるオンラインツールで、さらにチャットができる機能が搭載されています。
業務で必要となる文書やスライド、ミーティングの議事録などを、オンライン上で会話をしながら作成できるという点が大きな特徴で、昨今ではその機能性・利便性から数多くの企業で導入されています。
類似のツールとして、「Microsoft Office」や「Googleドキュメント・スプレッドシート」などをイメージすると分かりやすいでしょう。
Quipが求められる背景
Quipのようなコミュニケーションを主眼に置いたドキュメントツールが求められる背景として、社会的な変化が要因として考えられます。
昨今において、新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワーク推進の流れを受けて、オンライン業務へのシフトが、社会全体でかつてないスピードで進んでいます。
CRM(顧客管理)やSFA(営業支援)のシステムと各種デジタルツールとの間の連携が重要視されるなかで、 Salesforceは企業向けサービスのさらなる拡充のために、新たな取り組みを加速させています。
その代表的な各種デジタルツールのひとつが、「Quip」です。
Quipは、まさにオンラインでの共同作業を基本としたリモートワークに相応しいドキュメントツールで、かつSalesforceとの連携も可能としています。
こういった背景から、今後はQuipの活用とSalesforceとの連携がさらに進んでいくと予想されます。
Quipでできること
では、具体的にQuipを使うと何ができるのでしょうか。ここではその機能や用途、特徴について見ていきましょう。
Quipを使用すると、ドキュメント、スプレッドシート、チャットの機能により、リモートで離れた場所にいるメンバー同士のリアルタイムの共同作業が実現できます。
主なQuipの用途や機能、特徴を以下にまとめました。
- ドキュメントの作成・共有・管理
- チャットを介したコミュニケーション
- マルチデバイスで使える
ドキュメントの作成・共有・管理
Quipでは、オンライン上でドキュメントを作成し、他のユーザーに共有することができます。共有範囲は、会社・部署・チーム・個人単位など、ドキュメントごとに設定することも可能です。
対面でわざわざ同じ場所に集まらなくても、リモートでドキュメントを簡単に作成・共有・管理できる点は、コロナ禍でリモートワークが必要となった企業にとって非常に役に立ちます。
さらにQuipは、仕事の煩雑さを解消し、部署間でのコミュニケーションを円滑にするため、業務効率化にも役立ちます。
業務効率化が進むことでチームの意識が活性化し、作業の質が向上するため、最終的には顧客満足度の向上にもつながります。
チャットを介したコミュニケーション
Quipでは、作業に関するすべての会話をドキュメント上でチャットを介して行うことができます。
他のメンバーからドキュメントに対してフィードバックや変更があれば、その都度通知が送られるため、後からまとめて確認するなど、時間を有効に使いながら作業に集中できます。
マルチデバイスで使える
Quipは、マルチデバイスに対応しています。移動中や隙間の時間でも、スマートフォンでリアルタイムにビジネスの進行を確認でき、コミュニケーションを気軽に取ることができます。
スマートフォンであれば、
- iOSアプリ
- Androidアプリ
PCであれば、
- ブラウザ
- Macアプリ
- Windowsアプリ
など、あらゆるマルチデバイスに対応しているので、作業環境面でのストレスが少なく、幅広いシーンで使える点も大きな特徴です。
Quipの使用を開始する方法
Salesforceが提供するサービスのため、「Salesforceを導入していないとQuipは使えない?」と思われがちですが、実際にはそうではありません。
Salesforce導入の有無に関わらず、Quipは単体サービスとして使用できます。
その開始方法について以下よりご紹介します。
まず、Quipのサインイン画面を開きます。
会社のメールアドレスを入力して、[サインアップまたはサインイン]ボタンをクリックします。
必要項目を入力して[次へ]ボタンをクリックします。
さらに、社名などの必要項目を入力して[次へ]ボタンをクリックします。
最後に招待するチームメンバーのメールアドレスを入力して[次へ]ボタンをクリックします。
以上が単体でQuipを利用する場合の方法です。
このように現時点では単体でもQuipを利用することはできますが、オススメするのは次に紹介するSalesforce Anywhere(Quip)です。
Salesforce Anywhere(Quip)とは?
「Salesforce Anywhere(Quip)」とは、単体のツールとして利用されていたQuipをSalesforce向けに最適化したソリューションです。「Salesforce Anywhereアプリ(ベータ版)」という別の製品と統合され「Salesforce Anywhere(Quip)」となりました。(2021年執筆時点の情報)。「Salesforce Anywhere」は「Quip」が発展したプロダクトと認識すると分かりやすいでしょう。
Salesforce Anywhereは、オンラインのドキュメント作成・編集・管理をベースに、メンバーとのコミュニケーション、業務の効率化を促進するツールであり、基本的にその機能性や利便性はQuipと変わりありません。
ただ、Salesforceとの統合が強化されたことによって、従来のQuipを単体で使用するより格段に連携機能がバージョンアップされています。
Salesforce Anywhereでは、
- ドキュメント
- スプレッドシート
- チャットを介したリアルタイムの会話
- Salesforceデータ
- 個別に最適化されたアラート
などを、Salesforceとシームレスに連携でき、チームや部門、そして取引先との間でスムーズな情報共有が図れ、幅広いビジネスシーンで活用できるようになっています。
Salesforce Anywhereでできること
最後にSalesforce Anywhereでできること、その機能や特徴について見ていきましょう。
Salesforce連携によって、リアルタイムにSalesforce AnywhereからSalesforceデータの作成や更新、確認を画面遷移なしで行えるようになります。
また、SalesforceからSalesforce Anywhereを開くだけで、自身が所有するレコードデータと連動しているドキュメントやスプレッドシートの状態も確認できます。
他にも、情報連携できる例として「レコード情報」「リストビュー」「レポート情報」などが代表的なものとして挙げられます。
サンブリッジのQuip活用ご紹介
サンブリッジでも日頃からQuipを活用しています。役立っているポイントや具体的な活用方法について社内でインタビューをした動画をご紹介します。
その他の機能
さらに細かいSalesforce Anywhereの機能については、以下に記載しています。
Salesforce Anywhere オートメーション
自動化されたビジネスプロセスで Salesforce Anywhereの機能を使用できます。
Salesforce Anywhere(Quip) Lightning コンポーネント
Quip関連文書コンポーネントなどのSalesforce Anywhere Lightningコンポーネントを使用すると、Lightning ExperienceでSalesforce Anywhereの機能を最大限に活用できます。
Salesforce Anywhere(Quip) グローバルクイックアクション
Salesforce Anywhere(Quip)グローバルクイックアクションは、アクションをサポートするほぼすべてのページに追加できます。
グローバルアクションにより、ユーザーは現在のページから移動せずに文書を作成できるようになります。
テンプレート
文書テンプレートを使用することで、自由にカスタマイズを行いつつ Salesforceデータのコンテキスト内でビジネスプラクティスを合理化できます。
Quipのライブデータ
Quipで機能するライブデータアプリケーションを確認できます。
Quipでの文書リンク
重要な文書をSalesforceレコードにリンクできます。文書を関連するSalesforceレコードにリンクすることで、Salesforce内で文書を見つけやすくなります。
QuipでのSalesforce活動
Quip文書から通話の記録やToDoの設定、イベントのスケジュール化が行えます。メモ書き、進捗の追跡、アカウントプランでのコラボレーションを行うのと同じ場所で活動のクレジットを取得できます。
アラート(ベータ)
Salesforceデータへの変更に関するリアルタイムアラートにより、どこからでも最新の状態を保つことができます。
メッセージング(ベータ)
Salesforce Anywhere Messenger(ベータ)で、データと会話のコンテキストを維持できます。
アクション(ベータ)
Salesforce Anywhereのアクション(ベータ) を使用して迅速な更新を行うことで、ビジネスを継続できます。
レコードの検索および表示(ベータ)
Salesforce Anywhereモバイルアプリケーション(ベータ) でレコードを検索、表示、編集できます。
参照:Salesforce公式ヘルプ「Salesforce Anywhereの使用」
Salesforce Anywhere(Quip)まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、コミュニケーションに主眼を置いたドキュメントツールである「Salesforce Anywhere(Quip)」に焦点を当てて、その概要やSalesforcerとの連携などについてご紹介しました。
社会的な変化を背景に、営業やバックオフィスなど部門に関わらずデジタル化が進み、情報共有のスピードがさらに加速するなかで、Salesforce Anywhereのようなコラボレーションツールは、数多くの企業に注目されています。
実際に、これまでExcelやWord、そして紙ベースで業務を行っていた企業が、オンラインでの情報共有・共同作業の必要性に迫られ、商談やミーティングでの活用に有効なSalesforce Anywhereを導入するケースが増えています。
ぜひ本記事が、Salesforce Anywhere(Quip)の導入を検討するきっかけになれば幸いです。
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