Agentforce Innovation Day Service イベントレポート -AIエージェントで変わるカスタマーサービスの未来-
イベントレポート
Agentforce Innovation Day Service イベントレポート
2025年3月12日(水)に大手町プレイス ホール&カンファレンスで開催された「Agentforce Innovation Day Service」。
今回のブログでは、私たちサンブリッジ目線で見てきたイベントの内容をレポートします。
Agentforce Innovation Day Serviceってどんなイベント?
Agentforce Innovation Day Serviceは株式会社セールスフォース・ジャパン主催のオフラインイベントで「Agentforceが拓く、新しいカスタマーサービスの未来」をテーマとして開催されました。
このイベントでは、次世代の顧客サービス体験を実感できるプログラムが豊富に用意され、Salesforceを活用するリーダー企業や関連ソリューションが一堂に会する機会となります。
参加者はカスタマーサービスにおけるAI活用のトレンドや成功事例について学ぶことができ、実務での活用に向けた具体的な情報が幅広く提供されました。
プレゼンセッションでは、参加企業が登壇し、AIエージェントがどのようにカスタマーサービスの効率向上に寄与し、また成果を出すまでに取り組んだことや苦難を解説。
いま多くの企業が注目するAIを用いた最新のリアルな取り組み事例が聞けるとあって、悪天候にもかかわらず多くの来場者でにぎわいを見せていました。
Agentforce(エージェントフォース)とは?
Agentforceは、Salesforceが提供する自立型AIアプリケーションです。カスタマーサービスや営業、マーケティング部門における様々な業務を効率化するために設計されており、24時間365日顧客や従業員の問い合わせに対応可能です。
自然言語処理技術を搭載しており、問い合わせに対して自然な会話で正確かつ迅速に回答します。
複雑な問い合わせの場合は人間のオペレーターにスムーズに引き継ぐ機能も備わっているため、顧客や従業員の問い合わせをスマートに解決へ導くことができると注目を浴びている最新のソリューションです。
Agentforceでできること
Agentforceは業務シーンに応じて活用可能な多機能AIエージェントを搭載しており、カスタマーサービスに特化した「Service Agent(サービスエージェント)」のほか、小売業向けの「Retail Agent(リテールエージェント)」では商品に関する問い合わせや返品・交換の対応を自動化する機能が備わっています。
営業担当者向けの「Sales Coach Agent(セールスコーチエージェント)」では、営業ロールプレイングによって営業スキルの向上をサポートしたり、ロールプレイングに対して的確なフィードバックを提供し、営業力の強化を図ることができます。これは少人数の営業組織や、営業スキルの標準化が課題になっている企業には非常に重要なエージェントとなるでしょう。
また、医療業界向けには「Healthcare Agent(ヘルスケアエージェント)」があり、患者の質問対応や診療予約、症状の記録などを自動化することができます。現在こうした対応は人の手を介して対応するのが当たり前の世界ですが、患者一人ひとりの状態に的確かつスピーディーに対応するには人の手だけでは限界があり、今後の高齢化社会に対応するにはこうしたテクノロジーの活用が必須と言えるでしょう。
いずれのAIエージェントもサービス品質の向上や顧客満足度の向上、業績向上などさまざまなメリットが得られます。
【事例】実践企業が検証して得られた効果
イベント内では、AgentforceやField Service(フィールドサービス)などSalesforceのソリューションを活用し、早くも成果創出に成功した企業がセッションに登壇。自社の事例を通して得られた効果や、成果を出すまでに直面した壁とその乗り越え方を解説しました。
事例1:コールセンターの問い合わせ対応時間を71.5%短縮・応答率が67%向上
ある企業では、コールセンター業務でAgentforceを試験的に導入し検証を行った結果、問い合わせ対応時間を71.5%短縮、応答率が67%向上という顕著な成果が得られたといいます。
従来より使用していたチャットボットに比べ、対話のやりとりにかかるラリー回数が大きく削減され、最短1回のやり取りで解決できた例もあったそうです。人間のオペレーターの対応時間と比較しても平均67%短縮できたとの結果が得られました。
事例2:月9,000時間の労務時間削減、月6万件の入電数削減
さらに、別の企業ではフィールドサービスとコールセンターで月間9,000時間の労務時間を削減したという事例もありました。
老朽化が懸念されていたフルスクラッチの旧システムからField Serviceに移行したことで、フィールドサービスエンジニアが使う画面の利便性が向上したことや、工事管理業務を自動化したこと、また社内関係者のコミュニケーション改善によって月9,000時間もの削減につながったそうです。
また、コールセンター側でも同様に業務の自動化・コミュニケーション効率化によって月6万件の入電数が削減される結果が得られました。
これらの成果は業務の在り方そのものに変革を起こすほどの効果をもたらし、スタッフはより生産性の高い業務に時間を使えるようになったそうです。
これこそDXのあるべき姿であり、多くの企業が目指すところなのではないでしょうか。
カスタマーサービスを強化するソリューションもブース出展
Agentforce Innovation Day Serviceの会場では、カスタマーサービスを強化するための多様なソリューションがブースで展示されました。
株式会社ギブリー
問い合わせ内容の要約や自動アサイン、ナレッジを用いた対応補助やナレッジの自動生成ができるAI利活用支援サービス
株式会社コムデザイン
電話問い合わせ対応における音声認識や通話内容のAI分析が可能な「Service Cloud Voice」に対応したクラウド型CTI
KDDI株式会社
Salesforce上でSMS配信を実現する「KDDI Message Cast for Salesforce」など
ジェネシスクラウドサービス株式会社
顧客と従業員の問い合わせ体験を最適化し満足度を高める「Genesys Cloud CX」
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
「Service Cloud Voice」とAWSを組み合わせたコンタクトセンター連携
株式会社PKSHAWorkplace(パークシャ・ワークプレイス)
社内ヘルプデスク効率化や営業ナレッジの検索・活用に役立つAIヘルプデスクなど
カスタマーサービス業務は今後どうなっていくのか
今後カスタマーサービス業務にAI技術を取り入れる企業が増えていき、従来は人の手で対応してきたナレッジの蓄積・管理や問い合わせに関する基本的な応対をAIに代替し自動化することで、人的リソースをより戦略的な業務に振り向けることが可能になります。
また、フィールドサービス領域では現場対応が必要なサポート業務にもAIを活用する機会が増えていくとみられており、AIが音声や画像情報を解析することで、より精度の高いサポートを提供できるようになると言われています。日程調整やトラブルシューティングもAIがサポートし、スムーズな対応を実現できるようになるほか、AIによって収集されたデータを分析・活用することで、顧客のニーズをより正確に把握することができるようになります。
これにより、企業は部門を横断し組織全体で統一された顧客体験を提供して一貫したサポートを提供できるほか、顧客一人ひとりのニーズに応じた最適なサービスを提供し、顧客との関係構築が一層強化されていくことでしょう。
また、カスタマーサービスは単なる課題解決だけではなく、顧客体験を向上させるための重要な機会と位置づけられています。セールステクニックやマーケティング戦略と連携し、顧客にとって価値ある接点を提供する役割が求められているのです。
さらに、顧客自らがサービスにアクセスして情報を取得できるセルフサービスの選択肢も増加する見込みです。これにより、顧客は自身のペースで必要な情報を得ることが可能になり、企業は効率的にリソースを活用できます。
このように、カスタマーサービス業務は進化し続けており、企業が成長し競争力を維持するためには、最新の技術を積極的に導入し、変化に対応することが必須となります。
まとめ
今回のイベントを通じて、労働力不足や採用難を補い、競争力を高めていくためにデジタル労働力は必須要素であることを改めて認識しました。
イベントを通じて紹介されたさまざまなソリューションと技術革新は、業界の未来を見通す重要なヒントを提供するものでした。企業が競争力を維持し、成長するためには、Agentforceをはじめとする最新技術の導入と活用が不可欠です。
Agentforceはカスタマーサービス業務の負担を削減し、顧客や従業員の満足度を高める強力なツールとして注目されています。今後ますますAIエージェントを活用する企業が増えていけば、私たち自身の顧客体験がより良いものになっていくと思うと期待がふくらむ一方で、運用にはSalesforceの知識とAI設計スキルが必須であるということも忘れてはなりません。
これからの時代において、顧客に対する最適なサービス提供を実現するために、AIの進化をいち早く取り入れ、時代に合わせて最適化していく姿勢が求められています。
私たちサンブリッジにおいてもSalesforceとAIを活用したご支援・ご提案を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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