PardotとSalesforceの連携は簡単?!
~運用担当者が押さえておきたい基本ポイント~

技術コラム

マーケティング担当 YH

PardotとSalesforceの連携は簡単?!
~運用担当者が押さえておきたい基本ポイント~

マーケティング担当 YH

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SalesforceとPardotを導入している企業では、両者を連携させて使いたいと考えているご担当者も多いでしょう。
連携設定には、アプリケーションのインストールやコネクターの設定、権限設定などいつくかの作業が必要ですが、Salesforceの管理者の方であれば、日頃行っている作業も多いため、社内でも設定できるのでは…と思われるかもしれません。しかし、連携をして使うためには、連携する目的の整理や運用フローの設計、実現方法の検討や実装など、さまざまな作業があります。

既存の環境や連携後の運用によっても必要な作業は異なるため、連携におけるポイントはいろいろありますが、最低限必要なことは、リードや項目に関しての扱いです。そこで今回は、特にマーケティング部門など顧客データを扱う担当者が押さえておきたいリード(プロスペクト)や項目に関して、連携の際に押さえておきたい基本的なポイントをご紹介します。
(本記事では、見込み客のことをリードまたはプロスペクトと記載します)

連携において押さえておきたいポイント

リードやプロスペクトに関して

同期対象数:

SalesforceをPardotに連携する際、まず確認しておきたいのが、同期対象のプロスペクト数です。
特に、Salesforceをすでに利用しており、既存の顧客数が契約したPardotの上限値より多い場合は、特定の条件に合致する顧客のみPardotに登録するなどの検討が必要です。

同期の条件:

あわせて同期の条件も検討します。
Salesforceをすでに使っている場合は特に、すべてが営業やマーケティング対象のリードとは限りません。請求先の担当や採用関係、外部のパートナーなど、顧客とはなり得ないさまざまなリードや取引先責任者が存在している場合があります。その場合は、Pardotに同期しないようフラグ付けなどの設定が必要です。
また、Pardotの上限を超えてしまうため同期対象数を絞らなければいけない場合は、同期対象を「リード獲得日が3年以内のもの」や「社名が空でないもの」など、情報の鮮度や質による条件付けで選ぶという方法もあります。

同様に、新たに獲得するプロスペクトに対してもルールを検討します。前述のような「社名が入っているもの」という条件は、新規に入ってくるリードに対しても適用されるようにしないといけません。

流入経路:

現在どのような流入経路があるかを整理し、前述の同期の条件とあわせて検討します。
Web、名刺、リストなど見込み客の獲得経路はさまざまありますが、各経路に対してすべて同期対象でよいのか、何等の判別が必要なのかの確認が必要です。

既存のリードだけでなく新たに獲得する分に関しても、どのような流入経路があり、それぞれどのように同期させるか確認します。例えば、名刺から獲得した顧客データの場合、特定の所有者の場合は同期の対象から外すのなどの運用方法があります。

項目に関して

連携対象の項目:

項目の同期に関しても、同期対象の選別が必要です。標準項目はデフォルトで連携されていますが、カスタム項目に対しては連携対象を決めていきます。すべての項目に対して同期が必要とは限りません。なかにはPardotのみ、Salesforceのみでしか使わない項目もあるでしょう。

項目のマッピング関係:

SalesforceとPardotでは、社名や氏名など基本的な属性情報はデフォルトで項目のマッピングが設定されていますので、標準項目を利用している場合は特に変更の必要はありません。一方、標準の項目を使っていない場合やカスタム項目を使っている場合は、デフォルトのマッピングの変更や新たなマッピングの設定が必要です。
マッピングする項目同士で、データ型や値の入力制限などの差異がある場合は、事前に修正が必要になることもあります。

更新や上書きのルール:

同期している項目の値がSalesforceとPardot間で差異があった場合、どちらを優先するのかを決めておきます。
最新の値で更新するのか、SalesforceまたはPardotに入っている値のどちらかを常に正とするのかなど、項目によって優先したいルールがあるかを整理します。例えば、名刺から登録した顧客情報は常に正とし、上書きされないようにするといった運用が考えられます。

この他、プロスペクトを削除するルール(SalesforceやPardotの双方から削除するか)やマージのルールなども検討しておくと運用がよりスムーズになります。

同期がうまくいかないケース

以上のように、SalesforceとPardotの連携においては、運用におけるルール決めやそれに合わせた実装が必要となります。単純に両者をつなぐということではないため、注意をして進めないと同期がうまくいかないなど想定外のことも起こり得えます。
うまくいかないケースとしては以下のような例があります。

プロスペクトに関して

  • プロスペクトが同期されない:そもそもSalesforceとPardot間でプロスペクトが同期されないというケースです。
  • プロスペクトが大量に同期されてしまう:逆に、プロスペクトが意に反して同期されてしまうケースです。同期により間違って作成されたプロスペクトは削除することになりますが、すでに連携されている状態のため削除においては注意が必要です。
  • 重複レコードが作成される:プロスペクトが重複して同期されてしまうケースです。この場合は、重複のマージを行うか、不要なプロスペクトを削除するといった処理を行うことになりますが、重複のうちどちらを残すかを注意して作業が必要です。

項目に関して

  • 値が同期されない:プロスペクトは同期されているものの、特定の項目のみ値が更新されないというケースです。
  • 値が元に戻ってしまう:項目の値を更新したはずが、同期により元の値に戻ってしまうというケースです。

SalesforceとPardotの運用フローと仕様の理解が重要

SalesforceとPardotの連携に関して、運用担当者が気を付けたいポイントをプロスペクトと項目を中心にご紹介しました。既存の環境や連携後のフローによっても異なりますので、詳細な説明はコンサルタントに任せたいと思いますが、運用担当者としては、SalesforceやPardotでの日頃の業務や連携後でのフローを整理し、実装担当者に伝えることが重要です。
実装の設計や作業を行う担当者は、その内容を受けてSalesforceとPardotの仕様をふまえながら、連携後のフローをどう実現するかを検討します。

以上のように、SalesforceとPardotを連携して使うには、SalesforceだけでなくPardotの仕様や日頃の業務内容を理解していることが必要です。この3つすべてを一人で把握しているというご担当者は少ないと思いますので、各担当者や外部のパートナーと協力しながら進めていくことになるでしょう。また、連携はつないで終わりではなく、その後に相互のデータをどう活かし、マーケと営業が連携した業務を行えるかということが重要です。

SalesforceとPardotの連携やその後の運用について、疑問やお悩みのある方は、弊社までお気軽にお問い合わせいただければと思います。

(本記事は、PardotのClassic版における執筆時点の情報に基づいています)

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