サンブリッジは2020年7月に世界No.1シェアを誇るSFA／CRM「Salesforce」を提供する株式会社セールスフォース・ドットコム、テレワーク環境構築に役立つソリューションを提供するコネクシオ株式会社をお迎えして、「デジタル戦略はどこからはじめるべきか」をテーマに、パネルディスカッションを交えた無料ウェブセミナーを開催しました。

新型コロナウイルス感染症の出現により、私たちの生活や仕事の在り方そのものが大きく変革を遂げるなか、テレワーク環境を構築するためクラウドツールを急いで導入する企業が急増しました。しかし業務をデジタル化するだけではなく、成果を出すにはどのような点を意識すべきなのでしょうか。

本記事は、ウェブセミナー「デジタル戦略はどこからはじめるべきか」で公開された情報をもとに、株式会社サンブリッジの見解を加えてまとめています。

企業がニューノーマルな生活様式に適応するために必要なもの

私たちはいま、これまで当たり前に行われてきたお客様とのコミュニケーションや営業活動、展示会・セミナー、店舗での接客は困難なものになってしまったことを受け止め、新たな体制を作り上げていくことを迫られています。

そんな状況においても、企業が活動を継続していくために必要なものとして「インフラの強化」が挙げられます。たとえば、Web会議ができる環境や、各種システムのクラウド化・紙文化や属人的な業務から脱却するデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進、顧客情報の蓄積と活用、データ可視化・共有ができる環境が整えば、場所や時間、条件などに縛られずにテレワーク下でも顧客や社内メンバーとコンタクトをとり、企業活動を継続することはもちろん、生産性が高まりさらなる業績アップを目指すことが可能となります。

もちろん、現場での作業が必要なためニューノーマルな生活様式に対応できない、という業種や職種もあるのも事実です。しかし企業活動における基幹業務や対人コミュニケーションの多くは、上記のインフラを整えることで従来の「当たり前」を変える働き方ができるようになります。

システムやSaaSを導入する際に気をつけたいポイント「連携」と「拡張性」

一口にシステム、SaaSといっても多種多様なサービスが提供されているので、ここでは解りやすい例として「顧客管理システム（以下SFA／CRM）」を挙げてみましょう。

いまや顧客管理システムは国産・海外産と多くのツールが販売されていますが、選定の際には「他ツールと手軽に連携ができるか」「新たな機能が必要になった場合に簡単に拡張ができるか」といった点を考慮することが大切です。

顧客情報はどの企業であっても業務の中心にあるものなので、そのデータは顧客管理システムだけでなく会計管理ソフトや名刺管理ツール、マーケティングツール、デジタル署名などと連携してはじめて業務の効率化・生産性向上を実現できるようになるのです。

たとえば他ツールと連携しないSFA／CRMの使用を開始したものの、他のシステムと分断しているために手入力でコピーしてデータを移す必要があるということでは、手間がかかるだけでなくミスの発生にもつながります。一方、データが連携していればそのようなリスクがなくなるばかりか、空いた時間で他の業務を進めることができます。この「差」が成長する企業、伸び悩む企業を分かつ明確なポイントとなるのです。

多くのSFA／CRMでは他ツールとの連携が可能になっていますが、導入する際には各ベンダーと充分にコミュニケーションをとり、比較検討することをおすすめします。

それでは「拡張性」とはどういうことでしょうか。
SFA／CRMを使ううちに、時代や業務の変化に合わせて新たな機能が必要になることもあるでしょう。通常はそうした場合は開発を伴うため、機能が実装されるまでに多額のコストや時間がかかります。しかし、拡張性のある顧客管理システムならば必要な機能を補うアプリケーションを導入するだけで、コストや時間を削減すると同時に必要な機能を素早く取り入れることができるので、仕事のしやすさやパフォーマンスが向上します。

こうしたアプリケーションのマーケットを提供するSFA／CRMにはセールスフォース・ドットコムが提供する「Salesforce」、マイクロソフトが提供する「Microsoft Dynamics 365」があります。これらのマーケットでは無料／有料のアプリを含め、さまざまな拡張機能が提供されており、SFA／CRM上で簡単・安全に使えるように設計されています。

さらに、各種アプリケーションは常に進化した最新の機能にアップデートされており、ユーザーは開発をすることなく便利で安全な機能をいつでも使うことができるのです。

Salesforceのアプリマーケット「AppExchange」

Microsoft Dynamics 365のアプリストア「AppSource」

デジタル戦略・テレワーク導入で、私たちは何に目を向けるべきか

さあデジタル戦略をはじめよう、テレワークを導入しよう、となった場合に、皆さんはその目的をどこに置いていますか？いま足元に見えているハードルを乗り越えるためにシステムやSaaSを導入した場合、そのハードルを乗り越えてしまったあとはどうなるのでしょうか。

現状を乗り切るために新たなツールやシステムを導入することはもちろん必要不可欠です。
しかし、一次しのぎの部分最適で終わらせるのではなく、他ツールとの連携や拡張によって柔軟に変化していけるものを選択・活用することが今後の企業の成長スピードに差がつく要因のひとつとなるのです。

そして、これまで当たり前だった仕事の在り方も「本当に必要なものなのか」「なぜその業務が必要なのか」を改めて見直し、時代の潮流や顧客の購買行動に合わせて手法を変えていく柔軟な姿勢が求められることでしょう。

※登壇者の所属部門・役職は2020年7月時点のものです。