Agentforce Keynote: Build the Future with AI Agents (Day2 9:00-9:50)
Dreamforce 2024 Day2がスタート。今年一番の推しであるAgentforceのキーノートには、会場開始1時間以上前の朝8:00前から人が並ぶほどの盛況ぶりです。
8:30会場オープンと同時に、一番大きなキーノート会場が満席状態になることからも来場者の興味・関心の高さが伺えます。
本セッションではAgentforceが従業員の能力を高め、顧客の成功を促進する仕組み、顧客が AI エージェントを簡単に構築、テスト、監視する方法について語られました。
講演の冒頭ではDay 1でも語られた第一の波から第三の波に至るまでのSalesforceのAIに関する取り組みが時系列で紹介されました。
AgentforceはAtlas Reasoning Engineを採用し、データをRetrieve(取得)、Plan(計画)、Evaluate(評価)、Refine(洗練)のプロセスを回しアクションに繋げます。
取得するデータの例としては、顧客プロファイル、注文履歴、製品在庫、会社のポリシーがあり、AIはアクションとして顧客のメールを探したり、電話番号を探したり、在庫の中から目的の製品を取得したり、注文番号を取得するなどを行います。検索に際してはデータとして取得する会社のポリシーに基づきます。
そしてAgentforceだけが人+エージェント+データ+CRM全てを集めることができると語られました。
Agentforceの事例として教育出版社であるWiley社が登壇し、同社の季節的な需要の急増に対してAgentforceで対応するデモが紹介されました。
同社によるとAIやデータの専門家抜きで自社のリソースだけで環境を構築できたとのことです。
事例2社目はケータリングの会社であるezCaterのデモの紹介が行われました。
この他、パートナーによるエージェントの紹介やPrompt Builderを使ったエージェント作成のデモも行われ、セッションはAgentforceと共に未来を作るというコメントで幕を閉じました。
Service Keynote: Humans with AI Agents Deliver Effortless Service (Day2 11:00-11:50)
本セッションでは、あらゆるチャネルで最初のコンタクトから最終的な解決まで、新しい AI エージェントと連携や、セルフサービスからコンタクト センター、現場まで、最も包括的なプラットフォームにおけるイノベーションについて語られました。
セッション会場は他のセッション同様、多くの聴講者で溢れています。
堀江は会場で見つけたまだロボット化していないアストロ君と記念撮影。
セッション冒頭では、AIは多くのコスト削減につながりビジネスをスケールするとし、AI Agentはテクニカルサポート、アポ調整、質問対応、請求対応、クロスセリング/アップセリング等の顧客のリクエストの多くを解決できると説明されました。
カスタマーサービスの業務において、どのように人間とAIが共存して顧客体験を高めていくことができるか?
この問いに対し、Agentforceと人間がService Cloud上で組み合わせることにより、多くのコストを要さない形で顧客体験を高めることとAgentforceをデータとアクションを元に動かすことにより効果の創出が可能であることが説明されました。
2024〜2025年にかけて、Service Agentforceは多くの機能のリリースを予定しているとのことです。
Agentforceは4つのステップで顧客体験を変革すると説明され、そのステップは以下の通りです。
- チャネルにAIエージェントをデプロイする
- インサイトを行動に変える
- チームを信頼できるアドバイザーに昇格させる
- 積極的なフィールドサービスを提供する
プロダクトマーケティングのピッチでは、チャットボットによって顧客の満足度が大きく向上する一方で、81%の顧客は実際のエージェントと会話をするまで待つことを希望していると語られました。
Agentforceのチャットボットにおいては2種類のエージェントが存在し、一つはスケジュールを調整するエージェント、もう一つは従業員を支援するエージェント。
あらかじめ準備されたチャットボットのモジュールを元に簡単にチャットボットを構築でき、同チャットボットはWhatsApp等から起動可能です。グラウンド元は、実データ/Data Cloud/Knowledgeの3つになるとのことです。
従来エージェントによってしか実現しなかった能動的なアップグレードの提案などもチャットボットが実行可能となり、AIが実際に会話をし、詳細の説明になった際にエージェントに接続するなどの切り分けも可能になるとのことです。OpenTableの事例では人では対応できない多くのお問い合わせに対応が可能なったことが説明されました。
Agentforceをホスピタリティの業界でどのように活用しているか?この問いに対して
- サービスを改善し、レベルを向上させたいと考えており、Agentforceを活用している
- AIを組み合わせることにより、人が人に対応する時間を確保することができている
- 待ち時間を短縮することに繋がっただけでなく、AIがプロアクティブな提案をすることができることが価値になっている
- 結果として人がよりリッチな体験に時間を割くことができるようになっている
- AIも単純に質問に答えることだけでなく、アクションを起こすことができるようになった
など様々な活用の効果が説明されました。
多くのリーダーは顧客のインサイトを得るために多くのデータを見なくてはならない一方で、より多くの収益を上げることを求められている状況にあります。Agentforceではデータからのインサイトを即座に得ることができ、例えばAgentforceは顧客満足度が低い顧客を分析し、その理由のTOP3を表示させたりなどがあげられます。
これらに対応するためのアクション案もAgentforceが提示することができ、この示唆をSlackにシームレスに連携することができます。
Agentforceがステップごとのガイダンスを提供することにより人が問い合わせに対応する時間を大きく削減できたり、Agentforceが人の前で対応・切り分けを行うことによりAIが人にエスカレーションしたりすることが可能になります。
サービスコンソールにあらゆるタッチポイントやその他のプロファイル、Agentforceのコンポーネントが集約され、Agentforceが問い合わせ対応をアシストします。Agentforceはナレッジを元にグラウンディングされているため、正確な情報を提供可能であるとのことです。
最後のステップとしてフィールドサービスにおいては反復業務を効率化し、より良い体験を構築することが必要です。
ディスパッチコンソールでスケジュールが最適化できるようにしているがギャップがある状況の場合、なぜこのようなGAPが発生しているかをAgentforceに問い合わせを実施し、状況を把握、より長くスケジュールを拡張し、ディスパッチ業務を効率化し、より良いスケジュールを構築するそうです。
テクニシャン側ではモバイル通知が届くほか、ステップ・バイ・ステップでフィールドワークがフォローされる仕組みです。
AIでただアシストするだけでなく、出先でのテクニシャンの業務を手伝うことができるフィールドワークでの活動要約も作成可能という点が印象的でした。
FISHER & PAYKEL社では、Salesforceのデータ、Data Cloudを使うことにより、製品の差別化に繋げており、サービス、サービスエージェント、テクニシャンの仕事のやり方が変わったといいます。同社は顧客との対話を重要視しているため、デジタル化できないものについては人で対応しているが、それをAgentforceで切り分けていて50%のサービス予約がデジタルチャネルで行われているとのことです。同社はデジタルチャネルとリアルチャネルの良いところを取っていきたいと考えており印象に残る事例でした。
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