AIを使って簡単に類似商談を検索!「AI 商談 Search」パッケージのご紹介

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技術コラム

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2022年11月30日、アメリカOpenAI社の「ChatGPT」のリリースをきっかけに、日本においても生成AIに関するニュースや企業のプレスリリースが増えてきているように感じます。

サンブリッジがメインで取り扱っているSalesforceもAIには力を入れており、2016年に「Einstein」の発表を皮切りに、2024年9月には自律型AIエージェント「Agentforce」を発表するなど日々各種AI機能がリリースされています。

一方、株式会社帝国データバンクが調査した「生成AIの活用状況」によると、生成AIを活用している企業は17.3%、生成AIを活用しておらず予定もない企業が48.4%となっており、実際のビジネスの現場での浸透はこれからという状況です。

Salesforceユーザーの皆さまも、下記のようなお悩みをお持ちではないでしょうか?

  • SalesforceのAI機能を使っていきたいが、どんな業務に使えるのか見えておらず、何から手をつけていけばいいのかわからない
  • 自社のSalesforce環境がAIを活用できる状態にあるのか判断できない(AI取り入れても上手く自社環境で活用できるのだろうか…)
  • そもそもSalesforceが出しているAI機能で何かできるかがわからない
  • 通常の設定とかと違ってなんとなく難易度が高いイメージがある

そういったお悩みに応えるべく、サンブリッジではこの度「AI 商談 Search」という新たなパッケージを開発いたしました。

今回は「AI 商談 Search」のパッケージでどういうことができるのかをご紹介いたします。パッケージの紹介だけではなく、AI活用に向けてどういうステップを踏んでいけばよいかのロードマップについてもご紹介します。

ぜひ自社でAIを活用していきたいと考えているSalesforceユーザーの方々は最後までご覧ください。

「AI 商談 Search」とは?

「AI 商談 Search」とは何ができるパッケージなのか。

一言でいうと

商談情報を一元管理しているSalesforceにて、顧客課題・規模・業種・提案内容など様々な検索基準をAIと掛け合わせ、類似となる商談を検索することができるソリューション

になります。

よりシンプルに表現するならばAI機能を使って簡単に類似商談を検索できるソリューションです。

冒頭でも取り上げた通り、AI活用はまさに今現在のトレンドであり、AIを活用している企業とそうでない企業では大きな差が生じてくると思われます。そういった中で多くの企業が営業活動でデータやAIを上手く活用したいというニーズは多くあると考えています。

加えて、昨今の人手不足・人材難の影響により自社の限られたリソースを有効活用する必要があり、営業活動の効率化がダイレクトに事業や会社の成長の鍵になっているのではないでしょうか。

「AI 商談 Search」はそういった背景を踏まえ、Salesforceにおける商談管理機能をエンハンスし、トップライン向上に貢献するパッケージとして開発いたしました。

メリット・解決できる課題

では「AI 商談 Search」によりどういう課題が解決され、導入することで導入メリットがあるのでしょうか?

お客様に説明しているパッケージ説明資料を用いてご紹介します。

Salesforceの標準機能の検索も活用方法次第では有効に利用できますが、とは言ってもやはり限界があると考えています。特に商談のような金額等のような定量的な情報と顧客ニーズ等のような定性的な情報の両方を含めた検索は難しく、意外と過去商談を参考にしたいと思っても限界があるのです。

結果として、Salesforceの商談管理を用いて営業管理はしているものの、営業担当者に依存した属人的な営業組織になってしまっているケースは我々のお客様とお話ししていても非常に多いと感じます。

そういったデータ活用の課題に対し、「AI 商談 Search」ではパッケージではありながら個社ごとの商談管理に合わせて、過去の類似商談を容易に検索できる機能を提供します。

標準の検索機能では実現できないスピードと探究性の2つを向上させることで、過去商談のデータを活用した営業スタイルを確立し、良い営業活動のPDCAサイクルを構築することが可能です。

ユースケース

では実際どういうユースケースで利用できるのか。「AI 商談 Search」の対象は有形/無形問わず他の商談情報を参考にすることで商談の質向上につながる商材を保有している企業の方であれば有効に活用いただけます。

あらゆるユースケースが想定されますが、ここでは一例をご紹介します。

業界/事業内容

半導体製造メーカー

課題

商材が複雑である一方、営業メンバーのスキル属人性が高く、人によって受注率の差や提案数の差が大きい

解決内容

類似商談の過去の提案資料を参照することで営業品質・提案速度をUP

具体的な利用シーン

  1. 顧客からヒアリングしたニーズ/検討中の半導体製品/予算の項目から検索
  2. 検索結果として表示された類似商談から、添付されている商談の提案書を確認
  3. 提案書全体の骨子や各パート(「顧客の課題認識」「製品比較/FIT&GAP」等)のスライドを確認し、今回の商談に適宜引用/加筆修正しながら提案書作成&提案実施

画面イメージ

「AI 商談 Search」はご利用のSalesforce環境に合わせて適宜カスタマイズして導入が可能になりますが、画面イメージとして、我々が作成したデモ環境の画面を見ていただきましょう。

商談レコードの詳細画面です。

右上のボタンに1つ「類似商談の表示」というボタンを設置しています。こちらから検索画面を開いていきます。

ボタンをクリックするとまずは顧客ニーズの入力欄が表示されます。検索したい定性的な情報を入力する画面です。

デモでは商談の項目に顧客ニーズという項目を設けており、そこにセットした値が自動でセットされるようにしています。セットされた内容をそのまま使うこともできますし、検索したい内容に合わせて修正し検索をかけることもできます。

こちらの顧客ニーズの項目はご利用のSalesforce環境に合わせてカスタマイズできますので、現状運用している項目を利用いただくことが可能です。

次へを押すと定量的な情報を入力する画面へと遷移します。

デモでは先ほどと同様に各種商談情報をそのまま自動でセットされるようにしています。また基準金額として基準に近い商談から表示させることもできますし、範囲検索として上限下限を設定してその範囲にある商談を検索するということも可能になっています。

こちらの表示項目についてもカスタマイズ可能ですので、検索で利用したい項目を選んでいただき実装することができます。

各種情報を入力し、検索を押すとものの数秒で類似商談を表示してくれます。デモでは類似スコアと類似理由を表示させています。

ここの類似スコアと類似理由のアウトプットにAI機能を利用しています。詳しい裏側の処理についてのご紹介は今回割愛しますが、あらかじめ定義しておいた類似スコアの基準と類似理由のアウトプット方法をもとにAIが先ほど設定した検索条件に合致した商談を検索してくれるのです。

参考までにデモで表示している類似スコアの基準としては下記基準で設定しています。

  • 8〜10:顧客ニーズが一致しており、類似度が非常に高い商談
  • 5〜7:顧客ニーズが近しく参考になる商談
  • 2〜4:顧客ニーズが近しい部分もあるが、参考にはしづらい商談
  • 0〜1:顧客ニーズが全く異なる商談

この検索結果画面から類似商談のレコードに遷移することで、提案した提案書や参考資料を確認し、今回の商談に活かす情報を収集することが可能となるのです。

今回ご説明したデモ画面については下記動画からもご確認いただけます。

AI活用のロードマップ

ここまで見ていただきパッケージの内容はざっくりイメージいただけたかなと思います。

最後にサンブリッジが考えるAI活用のロードマップとして、今回紹介した「AI 商談 Search」を活用することで、下記3つのステップでSalesforceを用いたAI機能の活用を進めることが可能であることをご紹介いたします。

1. 「AI 商談 Search」導入にあたっての事前準備フェーズ

まず、「AI 商談 Search」導入にあたっての事前準備フェーズとして、オブジェクト最適化や商談項目の見直しを実施していきます。

いきなり今のSalesforce環境にAI機能を実装しても効果が出ないか出ても最低限に留まってしまう可能性が高いです。まずはAI活用の下地を整える意味合いとして、「AI 商談 Search」を導入する前に商談や取引先オブジェクトの整備から実施していきましょう。(フェーズ0)

ある程度オブジェクトの整備はできているという方も一定数いらっしゃると思います。そういう方々は商談項目の見直しやそれに伴う営業業務の見直しを進めていきます。AIを使うことで業務そのもののあり方も見直すきっかけとすることで、より効果を最大化できるでしょう。(フェーズ1)

2. 「AI 商談 Search」導入フェーズ

オブジェクト最適化や商談項目の見直しができたタイミングで「AI 商談 Search」を導入していきます。パッケージではあるものの、皆さまのSalesforce環境に合わせて導入ができるパッケージとなっていますので、適宜要件を確認しながら実装を進めていきます。(フェーズ2)

3. 「AI 商談 Search」導入後のAI機能活用フェーズ

「AI 商談 Search」を導入して終わりではありません。「AI 商談 Search」をきっかけによりAI機能を活用していってもらうAI活用の1st Stepの位置づけにもなります。

「AI 商談 Search」に関連する追加機能の実装や利用範囲の拡大を進めていきます。Promt BuilderというSalesforceのAI機能を用いて実装しているため、社内でのPrompt Builderの活用も広げていくことでより社内のAI利用の浸透を図っていきます。(フェーズ3)

加えて、Agentforceの利活用もここまでステップを踏むとスムーズに導入できるはずです。Agentforce SDRやAgentforce Sales Coachといった営業活動を支援するAIエージェントを導入することで営業業務全体へのAI活用と業務効率化を進めていくことができるでしょう。(フェーズ4)

最後に

まだ現状AIを活用しきれていないというSalesforceユーザーの皆さま、「AI 商談 Search」を用いて類似商談の検索を高度化し営業業務の改善に繋げていくところから、AI機能を活用していきませんか?

今回の紹介としては以上となりますが、お伝えできなかったより詳細の紹介も可能です。

多くの方が気になるであろう「結局のところいくらでできるの?」「どれくらいの期間かかるの?」などなどご質問もお答えしていますので、少しでも興味を持たれた方はぜひお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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