マーケティング担当者にとっての悩みの種のひとつは、お問合せフォームへの営業行為への対応でしょう。
Webサイトのお問い合わせフォームは自社サービスや製品の問い合わせ窓口として用意されており、見込客や既存のお客様以外からの連絡は想定していません。
しかしながら現実には同じ会社からのお問い合わせフォームへの営業行為が繰り返され、通知を受けるマーケティングや営業担当者へのストレスの一つになっていることは否めません。
最近ではお問い合わせフォームへの営業ツールも登場しており、対応に頭を痛めていらっしゃる方も多いことかと思います。
本記事では、Account Engagementの機能である条件付き完了アクションを用いたお問い合わせフォーム営業への対策をご紹介します。
設定の手順
1. 自動返信用のメールテンプレートの作成
Account Engagementで、お問い合わせフォームに登録された営業メッセージに対するお断りのメールテンプレートを作成します。
文面のポイントとしては複数回の営業行為へのお断りであること。登録されたフォームはお客様からのためのものであることを明確に伝える内容が良いかと思います。
2. プロスペクト記録リストの作成
条件付き完了アクションで指定するためのリストを作成します。このリストにはお問い合わせフォームに営業行為を行なったプロスペクトが登録されます。リストはスタティックリストとして作成します。
3. フォームへの条件付き完了アクションの設定
お問い合わせフォームに条件付き完了アクションを設定します。
まず、通常のお問い合わせへのお礼メールのための条件付きアクションを設定します。
条件
- 次の場合にアクションを実行「プロスペクトリスト」
- 演算子「次のメンバーでない」
- プロスペクトリスト「2.で作成したお問い合わせフォームに営業行為を行なったプロスペクトを記録するリスト」
アクション「自動返信」
- テンプレート「お問い合わせへのお礼メール」
次に、お問い合わせフォーム営業へのお断りメールのための条件付きアクションをを設定します。
条件
- 次の場合にアクションを実行「プロスペクトリスト」
- 演算子「次のメンバーである」
- プロスペクトリスト「2.で作成したお問い合わせフォームに営業行為を行なったプロスペクトを記録するリスト」
アクション「自動返信」
- テンプレート「お問い合わせフォームへの営業のお断りメール」
他に適宜必要となる完了アクションをそれぞれの条件付き完了アクションで設定すれば完了です。
実際の運用
1. お問い合わせフォームへの営業行為発生
お問い合わせフォームへの営業は過去の傾向から同一人物や同一の会社から行われることが多く見られます。
フォームへの営業行為が発生した場合に、顧客からの問い合わせ同様の通知が届きますので、通知内容が営業行為であることを確認します。
メール通知の場合には「プロスペクトを表示」のリンクをクリックしてAccount Engagementの該当プロスペクトに遷移します。
Slack連携を行っている場合には、フォームの完了アクションで指定されたお問い合わせのチャンネルに通知が届きます。
こちらではプロスペクトの名前をクリックするとAccount Engagementの該当プロスペクトに遷移します。
2. 営業行為を行なったプロスペクトをリストに登録
プロスペクト画面に遷移したら以下の手順でプロスペクトをリストに登録します。
- 通知内容を確認したらプロスペクトの「概要」タブの隣にある「リスト」タブをクリックします。
- 「メンバーシップをリスト」の画面であらかじめ作成済みの「お問い合わせフォームに営業行為を行なったプロスペクトを記録するリスト」を選択します。
- リストを保存します。
3. 同一人物による2回目の営業行為の発生
上記の設定は2回目以降の営業行為発生時に機能します。
該当したプロスペクトからの問い合わせに対する営業メンバーへの通知は行われていませんが、下記の通りアクティビティには営業行為へのお断りメールが配信されていることがわかります。
当社の場合は、追加でオートメーションルールを設定し、上記のリストに登録されたプロスペクトへのマーケティングを行わないようにしています。
ルール
- すべて一致
- プロスペクトリスト「次のメンバーである」>「営業行為を行なったプロスペクトを記録するリスト」
アクション
- プロスペクトのスコアを調整 >「〜0」
- プロスペクトのカスタム項目値を変更 >「サスペンド(マーケティング対象外)」
- プロスペクトのデフォルト項目を調整 「Do Not Email 」 >「True」
ルールの繰り返し
- True
- 繰り返し対象日数「1」
上記のオートメーションルールによりお問い合わせフォーム営業のプロスペクト(リード)が問い合わせのレポートに反映されることが無いようにしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?初回の問い合わせでお客様からのお問い合わせなのか、営業行為であるのかを判断することは難しいですが、初回のお問い合わせフォームへの営業行為発生時にリストに登録しておくことで、2回目以降の営業行為の発生時にAccount Engagementの条件付き完了アクションにより、自動的にお断りメールを返信できていることがお分かりいただけたかと思います。
自社のお問い合わせフォームへの営業行為への対応にお悩みの方はぜひ設定を検討してみてはいかがでしょう。
本記事が皆様のAccount Engagement活用の参考になれば幸いです。
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