Salesforce導入事例:サッポロビール株式会社

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Sales Cloudによる営業支援システムで、営業組織全体の活動レベルの向上およびデータ活用と効率的な案件管理を推進

Salesforce導入事例:サッポロビール株式会社

営業部門だけで約900名のスタッフを抱えるサッポロビールでは、営業担当者個人による属人的な活動から各担当者の取り組みに関するノウハウ、情報共有や提案時のサポートを、組織を横断して活用できる仕組みへの変革が求められていた。
この課題に対してサッポロビールの営業統括部では、“行動変容により多数の営業担当者の活動レベルを組織全体として底上げすること”を目的とした新営業支援システムをSalesforce Sales Cloudの導入により実現。営業活動における更なるデータ活用と効率的な案件管理をはじめとする業務改革を推進している。

導入後の効果

  • タスクの可視化により「あるべき行動」を促し行動変容を実現する
  • 提案内容や事例のナレッジを共有する
  • 関係者への情報共有によってコミュニケーションを創出することで組織レベルでの活動を強化する
【導入ソリューション・プロダクト】
Salesforce導入支援Sales CloudSVF Cloud for SalesforceRaySheet

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お客様概要

業種:製造業
主な事業:ビール・発泡酒・新ジャンル・ワイン・焼酎などの製造販売、洋酒の販売、他

飲食店向けの外食営業と小売業向けの流通営業の二つをまたぐ
営業支援システム開発プロジェクト

「新しい楽しさ・豊かさをお客様に発見していただけるモノ造りを」を経営理念に掲げ、お酒と人の未来を創る酒類ブランドカンパニーを目指すサッポロビール。主力製品である「サッポロ生ビール黒ラベル」や「ヱビスビール」をはじめとする製品は多くの人々に愛され続けている。

「サッポロビールの営業体制は主に飲食店様を担当する外食営業とスーパーやコンビニエンスストア等の組織小売を担当する流通営業があり、それぞれ外食統括部と流通統括部が業態別の戦略や施策を企画しています。この二つの部門を跨る共通部分について営業統括部が施策・企画を行っています。」と営業統括部の林氏は語る。

新営業支援システムの導入プロジェクトでは、営業統括部が中心となり業務面での仕様を外食統括部と流通統括部が担当し、サッポロホールディングスのIT統括部がシステム観点で参画するという体制で行われた。

Sales Cloudの導入目的と背景–標準機能での対応範囲と操作性が決め手

2015年から利用していた同社のパッケージベースの営業支援システムは、営業活動の登録などの基本的な機能や飲食店への投資稟議やサーバー発注など営業業務の機能が集約されていたが、案件管理・活動管理以外の機能も一元化を推進したため、システムの動作が重たくなっていた。

営業統括部 林 義勝 氏

その一方で営業支援システムの活動管理や案件管理の観点で考えると、顧客単位での活動は追えているが、商談ステータスの状況と活動の関連性や商談の提案内容を把握することができていないという課題があった。

「活動内容の入力においても記載内容がフリーテキストになっているため、営業担当者各自が自由に書いてしまうことで検索性やデータ活用時に使いにくい状況が生まれていました。加えて作り込みすぎたシステムでは項目単位の改修でもコストがかかるため、結果的に入力した情報の有効活用ができなかったことが課題でした。」(林氏)

この課題に対してサッポロビールは2021年から新たな営業支援システムの導入に向けてPOC*1を実施し、一部の営業部門も交えて商談ステータスや案件管理をどのように行えるかを徹底的に検証した。同時に、POCを行ったシステムと並行して情報収集と評価を進めていたSalesforceを比較した結果、求める機能の実現に際して標準機能で対応可能な範囲の広さと操作性が決め手となり、Sales Cloudを基盤とするシステム構築を決断した。

アジャイルとウォーターフォールによるハイブリッドでのプロジェクト推進

プロジェクト推進においてサンブリッジは要件定義から参画し、早期リリースよりも営業のウォークスルー*2とトレーニングに時間をかける提案を行い、サッポロビールの社内でも円滑なプロジェクト推進のため様々な取り組みが行われた。

「新システムは本社の管理のためではなく、営業が自分たちのために活用するツールにするという考え方がベースとしてありました。」と営業統括部の岡崎氏は語る。

営業統括部 岡崎 仁美 氏

ウォークスルーの期間を長めに取る事で、営業現場へのシステムの導入目的や自身の営業活動をイメージしたうえでの活用シーンの理解促進に繋がったという。

「流通営業のマネージャーに集まってもらい、導入目的理解のため営業活動およびマネジメントのプロセスの部分から考えてもらう機会を設けました。マネージャー個々でマネジメントのスタイルが異なるため摩擦は生まれましたが、全員の目線を揃える機会を設けられたのは良かったと思います。」(岡崎氏)

プロジェクトメンバーが全国各地に出向き営業部署のマネージャーにシステムの必要性に対する理解促進のため、複数回にわたってコミュニケーションを取ったという。

開発段階における営業担当者へのフィードバックも実施し、使用者それぞれの考え方の違いをチューニングできたことも新システムへの理解浸透に繋がったという。

システム開発に際し、サンブリッジは外部連携を含むシステムのベースとなる機能をウォーターフォール型で設計し、使い勝手の部分でアジャイルを採用するハイブリッドな開発を提案した。

「サンブリッジが提案してくれたアジャイルとウォーターフォールの組み合わせによる開発で、自分たちで考えたものを作り、テストを行い、改修してシステムを磨いていけたのでとても良かったと思います。」(岡崎氏)

サッポロビール社内の営業現場でも従来のシステムが持つ課題は認識されており、テストへの協力に対するモチベーションはテスト開始前から高かったという。

「サンブリッジのプロジェクトメンバーには非常に寄り添ってプロジェクトを進めていただいた印象があり、期日通りにリリースできたことは良かったと思っています。」(林氏)

Sales Cloudの導入効果 – 日々の活動だけでなく商談プロセスや結果も可視化

「SalesNOTE」と名付けられた新営業支援システムは、営業活動を書き溜めて振り返るという使い方でも活用してもらいたいという思いが込められている。

導入後の社内評価としては、情報の検索性向上やレポートを使ったデータ活用があげられる。従来のシステムでは集約できなかった営業活動を検索で一覧化できるようになり、営業担当者間の情報共有も活発になったという。

「以前のシステムでは商談結果しか入力されておらず、プロセスを把握することが困難でしたが、新システムでは営業担当者全員が同じフォーマットで入力するため部署を跨いでも同じ目線で情報共有ができるようになってきています」(林氏)

今後の展望 – データ活用の推進により営業プロセスや行動の改善に向けた運用へ

サッポロビールは今後の展望として入力を促進・定着化してデータ自体を充実させること、必要データを整理することでさらなる活用を進め、営業成績の向上に繋がる運用を進めていきたいとの事だ。

「情報共有については元々、社内での営業活動における気づきなど情報共有の文化はあったのですが、システムがセールスノートに置きかわった事でより意識されるようになってきていると思います。今後のさらなる活用として、入力した情報を用いて営業プロセスや行動をより改善していく事が必要と感じています。」(岡崎氏)

 


サッポロビール株式会社

所在地:東京都渋谷区恵比寿四丁目20番1号恵比寿ガーデンプレイス内
創業:1876年(開拓使麦酒醸造所)
設立:2003年7月1日
代表取締役社長:野瀬 裕之
資本金 :100億円
従業員数:2,156名(2023年12月時点)

https://www.sapporobeer.jp/

 ※本文中の情報は2024年3月時点の情報に基づき記載しています。