Salesforceのライセンスはどれを選ぶべきか?各プロダクトとエディション、料金について解説
技術コラム
Salesforceのライセンスはどれを選ぶべきか?各プロダクトとエディション、料金について解説
Salesforceを導入するにあたって、「どのライセンスを選ぶか」は非常に悩ましいポイントです。
そもそも、ライセンスの種類が多くて分からないという方も多いかもしれません。
そこで本記事では、Salesforce導入検討の参考となるように、ライセンスに関しての基本と代表的なプロダクトである「Sales Cloud」「Service Cloud「Salesforce Platform」の特徴、さらにエディションと料金について解説します。
※本記事は執筆時点での情報になります。
Salesforceのライセンスに関する基本
まずは、Salesforceのライセンスに関する基本から押さえていきましょう。
Salesforceは、広義(一般的な意味合い)におけるライセンスを指す「プロダクト」「エディション」と狭義(Salesforceでの意味合い)における「ライセンス」に大きくわけられます。
- プロダクト
- エディション
- ライセンス
上記の組み合わせによって、使える機能や料金が決まってきます。
プロダクト
Salesforceには、事業・目的別にさまざまなプロダクトがあり、その製品ごとに料金が設定されています。
本記事では、代表的なプロダクトである「Sales Cloud」「Service Cloud」「Lightning Platform(旧Force.com)」の3つを中心にご紹介します。
- Sales Cloud
- Service Cloud
- Lightning Plattform(Salesforce Platform)
- Lightning Platform Starter(3,000円/ユーザー/月)
- Lightning Platform Plus(12,000円/ユーザー/月)
「Lightning Platform」に関しては、「Starter」と「Plus」の2種類に分かれており、それぞれの製品で料金が異なります。
他にもSalesforceの代表的な製品として以下のようなプロダクトも存在します。
- Marketing Cloud
- Commerce Cloud
- Analytics
エディション
Salesforceにおけるエディションは、いわゆる「プラン」のような扱いで、エディションによって使える容量や機能が変わってきます。
料金も段階別に設定されており、上位のエディションになるほど、使える機能とその上限数などが増えるといった形になります。
※例えばSales Cloudの場合、「商談管理」の機能はすべてのエディションに備わっていますが、「契約」や「見積」の機能は上位のエディションでないと使用できません。
Sales Cloud & Service Cloud
「Sales Cloud」と「Service Cloud」は、以下のエディションに分かれています。
企業や事業の規模に合わせて、どのエディションを利用するのかを適切に選択する必要があります。
- Essentials(3,000円/ユーザー/月)
- Professional(9,000円/ユーザー/月)
- Enterprise(18,000円/ユーザー/月)
- Unlimited(36,000円/ユーザー/月)
Lightning Platform
「Lightning Platform」は以下のエディションに分かれています。料金に代わりはありません。
- Enterprise
- Unlimited
Salesforceには、原則として1人以上の管理者が必要となるため、Lightning Platformライセンスだけでの契約はできません。
最低1ユーザーは、「Sales Cloud」もしくは「Service Cloud」のライセンスが必要です。
ライセンス(狭義の意味)
狭義の意味でのライセンスは、ユーザー単位で割り当てられるもので、付与されるライセンスにより使える機能が異なります。
ライセンスには、大きくわけてユーザライセンス、権限セットライセンス、機能ライセンスの3つのカテゴリがあります。同じ組織内でも異なるライセンスを混在させることが可能です。
ユーザライセンス
ユーザーがアクセスできる機能の基準が決まります。各ユーザーにユーザライセンスが1つだけ必要です。
権限セットライセンス
権限セットは、さまざまなツールや機能を使用するための特定の設定や権限をユーザーに割り当てる便利な方法です。
権限セットライセンスは、ユーザライセンスに含まれていない機能へのアクセス権をユーザーに部分的に付与します。ユーザーには、権限セットライセンスをいくつでも割り当てることができます。
機能ライセンス
機能ライセンスでは、ユーザライセンスに含まれていない追加機能へのアクセス権をユーザーに付与できます。ユーザーには、この機能ライセンスをいくつでも割り当てることができます。
参照:Salesforce公式ヘルプ「ライセンスの概要」
プロダクト別の特徴
ここから先は、「Sales Cloud」「Service Cloud」「Lightning Platform」のそれぞれのプロダクトの特徴について解説していきます。
Sales Cloudの特徴
Sales Cloudは、顧客管理(CRM)全般の機能を基軸とした、商談・見積もり・注文・契約管理など、営業支援のためのプロダクトです。
分かりやすく言えば、Sales Cloudは「企業における営業活動を強化するための営業支援システム(SFA)」です。
Salesforceと言えば、このSales Cloudが真っ先に思い浮かぶなど、代表的なプロダクトとして認識されています。
Sales Cloudの特徴を簡単にまとめると、主に以下の2点です。
- 営業活動に関する情報を一元管理できる
- 営業プロセスを標準化・自動化・AI化できる
営業活動に関する情報を一元管理できる
Sales Cloudでは、営業活動に関するあらゆる情報を一元管理できます。
顧客や顧客先の担当者の管理はもちろん、商談での会話内容や、見積もり、契約までを集約して管理できます。
さらに、リード(見込み顧客)を創出するためのイベントやセミナー、キャンペーンなどを管理する「キャンペーン管理」や、そのリードを管理する機能もSales Cloudには用意されています。
Sales Cloudを活用すると、企業は細かい営業活動の状況をデータとして把握でき、また確度の高い営業戦略を立案できるようになります。
営業プロセスを標準化・自動化・AI化できる
これまでExcelなどで分散管理されていたようなデータを一元化できるだけでなく、フローの統一などデジタルシステムに完全移行することによって、プロセスの標準化・自動化が見込める点も大きな特徴です。
特に属人化になりやすい営業活動のプロセスを標準化・自動化することで、生産性の高い営業活動を個々が実施できるようになり、企業としての組織力・売上の向上が期待できます。
さらに、近年活用が進んでいる人工知能(AI)を利用した「売上予測」機能の存在も大きな特徴のひとつと言えます。
Service Cloudの特徴
Service Cloudは、コールセンター・カスタマーサポート(お客様サポート)向けのプロフダクトです。
顧客からの「ケース(問い合わせ)」を管理では、オペレーターが適切に対応できるように支援するための機能が豊富に備わっています。
Service Cloudの特徴を簡単にまとめると以下の2点です。
- カスタマーサポートを効率化できる
- CTI連携やナレッジによって顧客満足度を向上できる
カスタマーサポートを効率化できる
Service Cloudには、メール・電話・チャット・SNS・ビデオ通話など、あらゆるチャネルでカスタマーサポートを円滑に行うための機能が充実しています。
特に、Service Cloudで注目すべき機能は「サービスコンソール」です。
サービスコンソールを活用すると、顧客情報・問い合わせ内容・対応状況などの情報を単一の画面で確認できるので、サポート対応の効率化が実現できます。
CTI連携やナレッジによって顧客満足度を向上できる
Service Cloudによる「CTI連携」を行うと、オペレーターは受電後すぐに表示される顧客情報を確認しながら、顧客対応にあたることができます。
また、顧客からのよくある質問を「ナレッジ」に蓄積しておけば、問い合わせ内容に応じて関連性の高いナレッジを自動で表示できます。
Service Cloudを活用することで、オペレーターの業務効率がアップすることはもちろん、カスタマーサポートのサービス品質が向上し、顧客の満足度が高まることは間違いありません。
Lightning Platformの特徴
Lightning Platformは、自社の業務に合わせた独自のアプリケーションを開発できるプラットフォームです。
Sales CloudやService Cloudの標準的な機能が不要である、もしくは最小の機能でSalesforceを使用してみたいという方には、Salesforce Platformのライセンスがおすすめです。
業務に必要な機能を正しく見極めてシステム設計することができれば、最良のコストでSalesforceを使用できます。
Lightning Platformの特徴を簡単にまとめると以下の2点です。
- 最小限の機能から開始できる
- カスタマイズに適した拡張性・柔軟性
最小限の機能から開始できる
Lightning Platformは、最小限の顧客管理機能に加えて、自社で開発・カスタマイズしたアプリケーションを頻繁に使用する企業向けのプロダクトです。
そのため、営業活動・顧客対応に必要なケース・契約・リード・商談・見積もりやマーケティングに必要なキャンペーンなどの標準機能は使えません。
一方で、「そもそも、Sales CloudやService Cloudの機能が必要ない」「極力フラットな状態でアプリケーションを開発・カスタマイズしたい」という場合には、Lightning Platformライセンスがおすすめと言えます。
カスタマイズに適した拡張性・柔軟性
Lightning Platformでは、Service CloudやService Cloudを入れて足りない部分をカスタマイズして作れるなどの拡張性や柔軟性が優れています。
Salesforceには、オリジナルのデータベースが作れる「カスタムオブジェクト」という機能があり、実業務に合わせて必要なオブジェクトを作成することで、Salesforceの利用をコンパクトに開始できます。
Sales Cloudの営業支援や、Service Cloudのカスタマーサポートを支援する機能は使えませんが、Salesforceが強みとする拡張性や柔軟性、堅牢なセキュリティを担保できる点は他のプロダクトと変わりありません。
Salesforceのライセンスまとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、Salesforceのライセンスに関しての基本と代表的なプロダクトである「Sales Cloud」「Service Cloud」「Salesforce Platform」の特徴、さらにエディションと費用について解説しました。
最後にあらためて各プロダクトの特徴を以下にまとめてみました。
プロダクト | 特徴 |
Sales Cloud | 営業活動に関する情報の一元管理・営業プロセスの標準化 |
Service Cloud | カスタマーサポートの効率化・顧客満足度の向上 |
Lightning Platform | 最小限の機能から開始可能・カスタマイズに適した拡張性・柔軟性 |
本記事が、Salesforce導入の参考になれば幸いです。
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