マーケティングオートメーション(MA)やメール配信ツールに代表されるように、デジタルマーケティングが普及しているなか、マーケティングや販促の施策において、普段の会話にIT用語が頻繁に登場します。実際の仕組みや設定方法を知る必要がなくても、用語を理解していれば、社内外のシステム担当者とのやりとりもしやすくなるでしょう。
そこで今回は、デジタルマーケティングにおいて、特にメール配信やMAなどのツール使用時に知っておくと便利な用語のうち、導入の際によく使われる用語を5つご紹介します。
- ドメインレベル/DNS
- メールデリバラビリティ
- SFP/DKIM
- CNAME
- ホワイトリスト
1. ドメインレベル
ドメイン(英語「domain」とは「領域」という意味)とは、簡単にいうとインターネット上でコンピューターなどを特定するために使われる文字列であり、「インターネット上の住所」のようなものです(注1)。例として、Webサイトのアドレスでは、sunbridge.com、メールアドレスでは@sunbridge.comの部分にあたります。
このドメインは、以下のようにトップレベルドメイン、第2レベル、第3レベル…と階層構造に分かれており、ドメインレベルとは各ドメインの階層のことを意味します。このドメインレベルは、後ろからカウントしていきます。
例えばsunbridge.comの場合は、
sunbridge | .com |
---|---|
[第2レベル] | [トップレベル] |
となります。
住所に例えていうなら、
恵比寿南 | 渋谷区 | 東京都 |
---|---|---|
[第3レベル] | [第2レベル] | [トップレベル] |
のようなイメージでしょうか。
なぜ後ろから1,2,3とカウントするのかはわかりませんが、アメリカの住所の記載順が日本とは逆だからでは、と個人的には覚えるようにしています。
なぜドメインが階層にわかれているのかなど、さらに詳しく知りたい方は、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)のページにわかりやすい記載がありますので、ご参考ください。
2.Email(メール)デリバラビリティ
メールデリバラビリティとは、送信したメールが相手に到達する可能性を意味します。送られたメールは、さまざまな理由でプロバイダやメールサーバーなどにブロックされたり、迷惑メールに分類されたりと、受信者に届かない(気づかれない)ということがあります。
定期的にメール配信を実施している企業にとっては、送信したメールが不正メールとして処理されることは避けたいものです。そこで、メール配信ツールやMAを導入する際には、メールメールデリバラビリティ、つまりメールの到達率を良くするためにいくつの設定が推奨されます。
なお、メールデリバラビリティを悪くする理由としては、件名のつけ方や送信元に無料のドメインを利用しているなど、いくつか要因があるようです(注2)。自社のメールの到達率が低い場合は、原因となる点を確認し、該当するようであれば改善する必要があるかもしれません。
3.SPF/DKIM
「SPF」といえば、日焼け止めの数値の方が一般的には馴染みのある言葉かもしれませんが、ここでは全く異なる意味を持つIT用語です。SPF(Sender Policy Framework)とDKIM(Domain Keys Identified)は共に、送ったメールが迷惑メールと判定されないようにする技術、つまり前述のメールデリバラビリティを改善するための技術です。どちらも送信者のメールが偽装されていない、正式な送信元から送られたものであることを受信側が判定できるようにするために設定をします。
どちらも同じ役割であれば、どちらか一つを設定すれば良いのではと思われるかもしれません。実際MAを導入する際に、お客様から「SPFとDKIMのどちらかのみ設定すれば良いですか」と聞かれることがあります。しかし、SPFはIPベース、DKIMは電子署名ベースと認証方法が異なる(注3)ため、到達率をあげるにはどちらも設定することが推奨されます。
4.CNAME
CNAME はCanonical(正式な) Nameの略で「代替ドメイン名」(注4)ともいいます。メール配信ツールやMAを使用してメールを送信したり、ランディングページ作成したりする場合、自社のドメイン名を利用したいと思う企業は多いでしょう。CNAMEはその際に必要となる設定です。
例えば、マルケトやPardotで作成したランディングページは、本来は各サービスが所有するドメイン上にあります。それを自社のドメイン名(例:info2.sunbridge.com)で表示が可能になるのは、CNAMEを設定するためです。
設定はDNSサーバーにて、「ドメイン名Aをドメイン名Bに変換」というような指定が必要ですが、ここからは通常システム管理者の領域となります。(利用しているドメインサービスによっては、管理画面から設定が可能な場合もあるようです。)
5.ホワイトリスト
ホワイトリストとは、用語からも想像がつくかと思いますが、ブラックリストの対義語にあたるものです。
ネットワークにおいて、ブラックリストは通信をブロックしたいメールアドレスやドメイン、IPなどを指定した一覧であるのに対し、ホワイトリストは、逆に許可をする先を指定した一覧です。どちらも目的は同じですが、異なる点は、ブラックリストが指定した相手先のみブロックをするのに対し、ホワイトリストは許可した先以外はブロックするということです。よって、ホワイトリストの方がより制限が厳しくなります。どちらを利用するかは対象のサイトや各企業の方針により異なるようです。
以上、MAやメール配信ツールを扱う際に、知っていると役に立つIT用語をご説明しました。実際にマーケティングツールの導入や運用をする際、担当となるのはIT部門以外の部署が多いでしょう。そのような場合、知っていると役立つ内容についてできるだけ要点のみをまとめてみました。システム管理者ほど詳細を理解する必要はありませんが、用語の意味や設定の目的を理解することで、社内やベンダーの技術担当者とのやりとりが、より進めやすくなるでしょう。
【まとめ】
- ドメインレベル:ドメイン(インターネット上の住所)の各階層のこと。
- メールデリバラビリティ:送信したメールが意図した相手に届く可能性。
- SPF/DKIM:迷惑メールと判定されないための技術。「メールデリバラビリティ」の向上に必要。
- CNAME:代替ドメイン。自社のドメイン名を利用するために必要な設定。
- ホワイトリスト:通信を許可する相手先を指定したリスト。
(注1)https://www.nic.ad.jp/ja/dom/system.html
(注2)https://www.campaignmonitor.com/blog/email-marketing/2015/09/9-things-that-are-killing-your-email-deliverability/
(注3)http://www.dkim.jp/dkim-jp/faq/#3
(注4)http://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonCloudFront/latest/DeveloperGuide/CNAMEs.html
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