Dreamforce 2023現地レポート Day2

イベントレポート

Kaishi Horie

Dreamforce 2023
現地レポート Day2

Kaishi Horie

Admin Keynote: Deliver the Future of Business

堀江@サンフランシスコです。Dreamforceも2日目を迎えイベント会場周辺もかなりリラックスした雰囲気になってきました。

リラックスできる会場の雰囲気

2日目はアドミン基調講演から始まりました。本セッションではすっかりお馴染みになった合言葉#AwesomeAdminsのスキルセットを中心にAI + Data + CRMがもたらす将来のビジネス変革について語られました。

Salesforce AdministratorはSalesforceのイノベーションの進展とともに進化しており、これまで業務で支えてきたデータ量はこの10年間で以下に記される量にまでなっています。

  • 一ヶ月で実現された自動化:1.3T
  • 月ごとに作成されるレポート:2.7B
  • 昨月作られたオブジェクト:230K
  • 昨月AIが動作した数:1T+

Salesforceアドミニストレータの役割の進化

これらの膨大なデータを取り扱うアドミニストレーターは今後AIを使いこなさないといけない。そのためには「信頼」が重要になります。例えば、個人情報などの重要なデータをいかにして扱っていくかが求められます。そのためには同時にSkill Kitを使い自らのスキルアップに努める必要が求められます。これを支えるためにSalesforceはアドミンのためのYouTubeチャンネルやAdvisory Boardもリリースしました。これに加えてEnablement Kitもまもなくリリース予定とのことです。

そしてアドミンは1人で業務を行うのではなく、自らコミュニティを築き、協力し合いながら自身を含むスキルを高めていく必要があります。
そしてアドミン向けの機能として3つのカテゴリで機能紹介・DEMOが実施されました。

①Automate Processes

AIとAutomate Processesのカテゴリでは3つの機能が紹介されました。

  • Flow Builder
  • Reactive Screeen Components
  • Einstein for Flow

DEMOでは設計があまり良くないFlowをAIを用いてより良いフローにするプロセスが紹介されました。テスト・デバックも現在のようにログのみではなく、リアクティブスクリーンでStepにしたがってわかりやすく簡単に実行できます。AIを使った自動化は今後どんどん加速し、言語で指示をすることで自動的にFlowが生成することも可能になります。

AIを活用したFlowの改善

②Build Solution

Build Solutionのデモでは商談クローズ後にノーコードでNetSuiteとの連携を実行(Mulesoft Composer)やDataCloudを使ってデータを連携&ハーモナイズし、結果として統一されたビューで取引先責任者のデータが作成する方法が紹介されました。この機能によりエラーメッセージもカスタマイズできるようになり、データをクリーンに保つことに繋がるのが印象的でした。
これはSalesforceユーザー待望のアップデートではないでしょうか。

NetSuiteとの連携を実行するBuild Solutionのデモ

③Supercharge Productivity

Supercharge Productivityのデモでは、複数のページレイアウトを動的に設定し、複数のスプレッドシートで管理していたデータを一画面に表示する機能が紹介されました。たくさんの情報の羅列で情報が分かりづらい場合には

  • Dynamic Related Listを使う
  • Lightning App Builder内でビジビリティのルールで誰がいつ何の情報を見たいかをベースに画面を設計

することで対応が可能となりシングルビューで権限周りを一元管理できるようになったのはとても魅力的に感じました。

シングルビューで権限周りを一元管理

今後のロードマップとしてはモバイルアプリについてもUIをアップデート予定とのことです。


Marketing Keynote: Marketing in Generation AI

個人的に最も興味があったのが、午後に開催されるマーケティングの基調講演です。生成AIによるマーケティングへの影響とキャンペーンライフサイクル全体を含めAI + データ + CRMによるビジネス革新が本セッションのテーマです。

Marketing CloudのEVP&GMであるSteve Hammond氏は、あらゆる企業はAIを戦略的に使っていく必要があり、マーケティングにおいてもまだまだマニュアルでの作業が多いのが現状である。この状況の改善はAIによって大きく加速しており、これはコストの削減とキャンペーンでの効果創出に繋がっていると述べ、マーケティングにおける活用のポイントを紹介しました。

これまでのマーケティングと生成AIによる現在のマーケティング

AIのマーケティング活用へのポイント

Dataの重要性

  • 顧客を理解するために重要
  • 迅速で正確な意思決定が可能
  • エンゲージメントを高めるために活用

AIの活用

  • プロンプトとレスポンスの関係
  • プロンプトを使いセグメンテーションやコンテンツ作成を実施
  • ただのプロンプトでは、レスポンスの精度が低いがデータを統合し活用することでレスポンスの精度が上がる

 

現在開発中の機能について

また、現在のMarketingのR&Dの内容の公開され、取り組みの内容が説明されました。

  • AI生成の画像などを自動的に呼び出し、レコメンド。キャンペーンを作成可能
  • 件名や本文もレコメンドされる
  • これらによりパーソナライズにかかる速度が大幅に向上
  • Slackベースでコンテンツの承認が可能

AIで生成された画像の呼び出し

新たな機能であるSegment Intelligenceでは、レベニューデータを元にセグメントデータ×キャンペーン効果をリアルタイムで可視化可能であり、新しいセグメントの生成も可能であると述べました。

今後のロードマップにおいてはContents Builder内で画像もAIにて生成が可能になるとのことです。

Service部門との連携

Marketing効果を最大化するためにはService部門との連携が欠かせません。

Marketing Cloudの活用は単純なジャーニーの展開にとどまらず自動的にマッチする記事をEmail等でプッシュ配信し、サービス部門のケースのクローズを加速させたり、リアルタイムのデータがCRMからアップデートされ、顧客のジャーニーをアップデートしたりすることが可能とのことです。

サービス部門との連携

講演の中では、Williams-SONOMAが紹介され、DataCloudを使って360 Viewを構築したり、メールのトーン(丁寧さ)×商材でAIがメールをパーソナライズする事例が紹介されました。

Williams-SONOMAのユースケース

今後のマーケティングにおけるAI活用のポイントとして、生成AIをマーケティングに生かすためにまずはTrailheadから学習することでテクノロジーのバックグラウンドががなくとも活用することが可能になるとし、セッションがまとめられました。

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