前回のブログ「営業活動の生産性を高める仕組みとは」では、営業がより生産的に案件に集中できるように、マーケティングやインサイドセールスと連携した組織的な仕組みと、その仕組みを実現するためのマーケティングオートメーションツールについて解説しました。
マーケティング部門が見込客の育成を担当し、インサイドセールスがHOTリードの確度やニーズの有無を判定することで、営業は確度の高い見込客だけに集中することができます。
しかし、どれほど質の高い見込客を営業に取り次ぐことができたとしても、その後工程の営業が見込客のニーズを上手く満たすことができなければ、それまでの努力も水の泡と化してしまいます。
商談を成功に導くための要素はざまざまにあると思いますが、今回はデータの活用という観点から営業の生産性を高めるためのポイントについて解説いたします。
見込客の興味や理解度を把握できているか
すでに何年もの取引があり気心が知れている顧客であれば、現在抱えている課題や興味関心ごとについて包み隠さず話してくれるかもしれません。しかし、初めて訪問をする見込客など、まだ関係性も構築できていない段階では相手の本音を聞き出すことは難しく、高い営業スキルが求められます。
このようなとき、見込客自身が行った行動の記録は信頼性の高い情報として活用することができます。
例えば、その見込客は貴社ウェブサイトのどのページを閲覧しているでしょうか。商材の活用事例のページを多く閲覧しているかもしれませんし、購入後のサポートを気にしているかもしれません。料金ページを何度も訪問している見込客は予算のことを気にかけている可能性もあります。また、貴社から受信したメールのうち、どのようなタイトルのメールを開封し、どのようなコンテンツをクリックしているでしょうか。
その他にもダウンロードした資料名や参加したセミナー名など、これらの見込客が自発的に行った行動情報が事前にわかっていれば訪問時に持っていく資料やどのような戦略で話を進めていくかのヒントになります。
また、行動の履歴から見込客がサービスや商材に対してどの程度の理解を持っているかを事前に把握することで、余計な説明などを省いてスムーズに話を進めることができれば、商談化への時間が短くなるだけではなく、見込客からの信頼も得やすくなることが期待できます。
上記、見込客の行動履歴は近年大きな注目を集めているマーケティングオートメーションツールによって見込客情報と紐付けて取得・管理することができます。
部門を横断して一貫した見込客管理ができているか
見込客の行動情報の他に活用すべきデータとして見込客とのコンタクト情報があります。
すでにアプローチ済みの見込客であれば、いつ、誰が接触をし、どのような話をしたのか、過去の活動記録をすぐに参照できるようにしておくことが必要です。また、取引の有無やこれまでの購買履歴、見積もりを提示していればその見積もり金額などの情報も、あちこちのファイルに点在してしまっていては非効率です。上記のような情報が一箇所に集約されており、必要な情報をすぐに検索できることが生産性を向上させるうえでは重要です。
また、同じ社内であっても部門ごとにそれぞれ見込客の情報を管理している場合もありますが、見込客からしてみればどちらも同じ会社の人であることには変わりません。同じ会社から何度も同じような質問や説明をされるのはお客様にとっても煩わしいことですし、まして同一の見込客に対して複数の部門からコンタクトがいってしまうということは避けたいものです。この点でも、社内の情報共有や部門を横断した見込客管理ができる仕組みが、営業の生産性を高めるためには大切であると考えられます。
上記の仕組みはCRM(顧客管理システム)やSFA(営業管理システム)によって実現することが可能です。
さらに、前述したマーケティングオートメーションとCRMやSFAは連携している状態が望ましいといえます。連携をすることで、顧客の行動履歴などマーケティング部門(マーケティングオートメーションで)で集めた情報を営業部門でCRMやSFA上で確認することができますし、CRMやSFAに蓄積されているこれまでの取引やコンタクト履歴などの営業情報をマーケティング側で確認しやすくなります。また、営業が見送ったリードはリサイクルとしてマーケティング側に戻すという一連のサイクルも、これらのシステムが連携することでよりスムーズな実現が期待できます。
このように、顧客データの一元管理や共有は、営業の生産性を向上させるためには重要なポイントです。マーケティングだけでなく営業効率化という観点から、マーケティングオートメーションやCRM・SFAの活用をご検討されてみてはいかがでしょうか。
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