CRM/SFAツールで売上が上がる会社と上がらない会社、一体何が違うのか

技術コラム

Yasuo Ohmura

CRM/SFAツールで売上が上がる会社と上がらない会社、一体何が違うのか

Yasuo Ohmura

営業スタッフが増えると、顧客情報を共有するためにCRM/SFAツールの導入を検討する企業は多いでしょう。しかし、ツールを導入すれば営業組織のパフォーマンス向上に必ず結び付くかというと、そうでもありません。

今回は、どのような営業組織ならCRM/SFAツール導入で売上が上がっていくのかポイントをご紹介します。

CRM/SFAツールを導入しても売上につながらない企業によくある課題

CRM/SFAツールは、各営業スタッフが商談情報などを入力し、その情報を営業チーム全員で共有してはじめて効果を発揮するツールです。よって、営業スタッフが顧客情報や商談報告をきちんと入力してくれなければ、効果を発揮できません。

ツールを導入しても売上につながっていない企業のほとんどは、この「営業スタッフによる情報入力」というハードルにぶつかっています。

では、なぜ営業スタッフは情報を入力してくれないのでしょうか?

その答えは、営業スタッフが「入力しても意味がない」もしくは、「入力の手間が効果に見合わない」と考えているからです。
上司からの命令で強制的に入力させることは可能でしょう。しかし、そのようにして入力された情報は、「怒られない程度に早く入力業務を終わらせたい」という強制力で入力されているものが多くなり、情報の正確性が欠けていってしまいがちです。
やはり、CRM/SFAツールは上司からの命令で入力されるのではなく、営業スタッフがその必要性を感じ、自分たちの意思で入力されないといけないのです。

では、営業スタッフが能動的にCRM/SFAツールに入力しない理由を一つひとつ見ていきます。

入力量が多い

入力しなければいけない情報量が多いと、それだけで負担になり、その業務が億劫になり忘れてしまうか、いい加減な入力になってしまいます。

入力する情報の必要性が感じられない

自分が入力している情報がどのような意味があるかわかっていないと、当然ながら「この情報入力する必要ある??」という状態での入力になり、入力される情報の精度は落ちていきます。

入力した見返りを感じられない

せっかく情報を入力しても、その情報にちなんだアドバイスや指導を受けられなければ、徐々に「入力しても無駄」という気持ちになってしまいます。

他の営業スタッフの入力した情報を見ても参考にならない

入力する情報量に個人差があったり、そもそもの営業スタイルにばらつきがある場合、他の営業スタッフの営業活動履歴を見ても自分の商談に活かすことが難しくなってしまいます。そうすると、次第に自分だけがわかれば良い入力方法になっていきます。

以上が、営業スタッフがCRM/SFAツールを能動的に入力しなくなる主な原因です。

CRM/SFAツール導入前にやっておくべきこと

CRM/SFAツールの効果をしっかりと出すための方法を解説していきます。

1.商談スタイルの統一

まず、事前に行わないといけないことは、各営業スタッフ間の商談スタイルの統一です。

ツールを導入し、入力を徹底すると、過去の商談の状況が良くわかるようになります。そうすると、過去に失注した見込客への再アプローチの際、前回取得した情報を活用し、ゼロベースで商談を始めるよりもより有利な状況で始めることができます。

この時、あまりに各営業スタッフの商談の進め方が違う場合、「前回の商談で手に入った情報は、自分の商談スタイルではあまり必要がない情報だ」という事態になりかねず、営業スタッフ間の入力された情報の活用が起こりにくくなります。

  1. 会社説明
  2. フリートーク
  3. 事例紹介
  4. 提案書作成のポイントのすり合わせ
  5. 提案日決定

 

例えば上記のように、全営業スタッフが同じ流れで商談をするということが徹底されていると、「前回商談で○○さんが聞いたこの情報を事例紹介の時に挟んでみよう」と、他の営業スタッフの情報を再利用できる可能性が高まり、「自分も他のメンバーのためにきちんと入力しておこう。」という状態を作ることができます。

2.商談相手から取得する情報の統一

商談スタイルの統一に付随しますが、各営業スタッフにより取得してくる情報項目にズレがあると、次に活かそうにも歯抜け状態の情報となり、思うように活用できなくなってしまいます。

よって、

  • 現在の課題
  • 課題について対策案
  • 他社検討状況
  • 今後の決済の流れ
  • ご予算感

 

など、あらかじめ項目を設定しておき、それらは必ず聞いてくることをルールとして徹底しておく必要があります。これにより、商談スタイルをさらに統一しやすくなり、取得された情報が商談強化に再活用しやすくなります。

Salesforceなどの一部のCRM/SFAツールでは自社独自の項目を自由に追加・編集できるので、導入時にあらかじめ設定することでスムーズな運用が可能になります。
また、顧客と名刺交換をした際に、手入力でメールアドレスや部署などを登録するのも手間がかかるため、名刺管理ツールを活用してデジタル化する企業も増えています。

Salesforce一体型名刺管理「SmartVisca(スマートビスカ)」の情報は以下よりご覧いただけます。
https://www.sunbridge.com/smartvisca/

CRM/SFAツール導入後に継続すべきこと

無事に導入できたとしても、それで万事うまくいくわけではありません。導入後も、以下のことを継続して行う必要があります。

CRM/SFAツールを営業スタッフみんなで見てそこに書かれた内容を基にアドバイスしあう

商談スタイルと商談相手から取得する情報が統一されるということは、他の営業スタッフの状況を把握しやすくなるということです。それを活かさない手はありません。

たとえば、商談の進捗が良くない営業スタッフのSFAに入力した情報を基に、上司や先輩、同僚がアドバイスをすることでその営業スタッフの成長を促すことができます。
また、その経験を通して、「いいアドバイスをもらえるからもっときちんと入力しよう」という気持ちにさせることができます。

入力項目の内容や分量を精査し続ける

営業スタッフがスキルアップしてくると、「この情報は入力する必要がないな」と思えるものも出てくるでしょう。また、商談の経過で競合商品の出現により、「競合製品の利用状況を聞く」という新たな項目も追加されるかもしれません。

このように、CRM/SFAツールは導入して営業スタッフが入力する習慣ができたらそれで終わりではなく、常に改善していくことで、日進月歩で変化する営業現場のニーズに合わせて最適な管理ができるようになります。

営業会議などで定期的に営業スタッフからアイディアなどを拾い上げ、みんなが無理なく、かつ有効性を実感しながら入力を継続することで、自然と顧客データや営業データが蓄積・活用できるようになっていくのです。

以上が、CRM/SFAツール導入を売上アップにつなげていくポイントです。どんなに優秀なツールも営業チームとの相乗効果があってこそ、本来のポテンシャルが最大限引き出されます。

ぜひ、このようなポイントを押さえたツール運用で、売上を最大化していってください。


株式会社エッジコネクション 代表取締役 大村 康雄 氏【執筆者プロフィール】
大村 康雄(オオムラヤスオ) 株式会社エッジコネクション 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業後、新卒生としてシティバンク銀行に入行し、営業職として同期で唯一16ヶ月連続売上目標を達成。
2007年、日本の営業マーケティング活動はもっと効率的にできるという思いから営業支援・コンサルティング事業を展開する株式会社エッジコネクション創業。
ワークライフバランスを保ちつつ業績を上げる様々な経営ノウハウを構築、体系化し、多くの経営者が経営に苦しむ状況を変えるべく各種ノウハウをコンサルティング業、各メディア等で発信中。
1200社以上支援し、90%以上の現場にて売上アップや残業削減、創業前後の企業支援では80%以上が初年度黒字を達成。東京都中小企業振興公社や宮崎県延岡市商工会議所など各地で講師経験多数。
株式会社エッジコネクション https://edge-connection.co.jp/

Salesforceの顧客情報入力の手間をゼロにするSmartVisca

世界で最も使われているCRM「Salesforce」一体型の名刺管理であるSmartViscaなら、獲得した名刺をスマホやスキャナーで取り込むだけで1分でデジタル化し顧客データベースに登録完了。取り込んだ顧客データは人脈可視化や組織図、Web電話帳機能ですぐに活用でき、営業力強化に貢献します。

関連記事