レコードをコピーする際、関連レコードまでまとめて複製したい場面は多いものです。
しかし、標準の「関連情報とともにコピー」では、カスタムオブジェクトも含めたい場合や、フェーズ/承認状況など特定項目を除外したい場合に対応しきれません。
そこで本記事では、フローの「変換」要素を使い、コーディングや複雑なループ処理なしで関連レコードをコピーする方法を解説します。
「変換」要素が重要な理由
こうした要件は、ループ処理やコーディングで実装するケースも多いでしょう。
ただしこの方法は、作成のハードルが高いだけでなく、項目や仕様が変わるたびに処理を読み解き、細かな修正を行う必要があります。
一方、フローの「変換」要素を使えば、親レコード1件+関連レコード1件のケースなら、たった7つの要素で実現できます。
設定の考え方さえ押さえれば、後日の項目追加・変更も「対応付けの見直し」だけで対応でき、保守もシンプルです。
※本記事の画像は商談/商談商品ですが、オブジェクトを変更すればカスタムオブジェクトにも対応できます。
フローの「変換」要素について
まずは、フローの「変換」要素を確認しましょう。
この要素は、画像のようにデータを対応付けて、別のデータ型へ変換できる機能です。

この機能を使うことで、例えば以下のような操作が可能です。
- 任意のオブジェクトのレコードを特定の項目値のみコピーして作成する
- 複数のレコードを一括でコピーする
- 検索した複数レコードからIDのテキストコレクションを作成する
柔軟な変換・整形を行えるため、コピー要件にも対応しやすくなります。
フローの「変換」要素の設定内容
| ソースデータ | 変換の元となるデータ。複数のデータを登録可能 |
|---|---|
| 対象データ | 変換後のデータ型。単一レコードや複数レコード、テキストのコレクションなど豊富な選択肢から一つを選択 |
また、対象データに入力される各項目の値は以下から選択できます。
| 値の対応付け | ソースデータで登録した項目値など |
|---|---|
| 数式 | ソースデータの値やユーザー情報などを用いて値を変換する |
| 値 | 任意の固定値 |
実装する機能の全体像
この記事では、商談と商談商品をコピーするフローを構築します。
フロー
- 親レコードを取得
- 関連レコードを取得
- 親レコードをコピー
- 親レコードを作成
- 関連レコードをコピー
- 関連レコードを作成
- 成功メッセージの表示
画面配置
- フローを起動するアクションボタンの作成
- アクションボタンをページレイアウトに配置
【詳細手順】フローの設定方法
0. リソース
- レコードページのIDを設定する変数を作成します。

1. 親レコードを取得
- レコードページのID情報を元にレコードを取得します。

2. 関連レコードを取得
- 1に紐づく関連レコードを取得します。

3. 親レコードをコピー
- ソースデータに1の要素を選択します。

- 対象データに作成したいオブジェクトを設定します。

- 対応付けを行いたいソースデータの項目の◎を押下し、対象データの対応する項目の◎を押下して項目を対応付けます。

※誤って対応付けを行った場合は、対象項目押下後に表示される削除アイコンを押下して対応付けを削除できます。

- 固定値を登録したい場合は項目押下後、「fx▼」から「値」を選択し、値を入力します。


4. 親レコードを作成
- 3の要素を選択してレコードを作成します。

5. 関連レコードをコピー
- ソースデータに2の要素と3の要素を選択します。

- 対象データに作成したいオブジェクトを設定します。

- 対応付けを行いたいソースデータの項目の◎を押下し、対象データの対応する項目の◎を押下して項目を対応付けます。

- 親レコードの参照項目への◎を押下後、3の要素のID項目の◎を押下し、項目を対応付けます。

6. 関連レコードを作成
- 5の要素を選択してレコードを作成します。

7. 成功メッセージを表示(※任意)
- アクション要素の「Show Toast Message」を用いて成功メッセージを表示します。

フローの配置
最後に、作成したフローを起動するアクションボタンを作成し、ページレイアウトに配置します。
これで、配置されたボタンを押すだけで、関連レコードを含めてコピーできるようになります。
後日、項目の追加や変更が必要になっても、難しい知識は不要です。
「変換」要素の対応付けを見直すだけで、保守・改修に対応できます。
まとめ
フローの「変換」要素は、データの整形・コピーに役立つ強力な機能です。
これまでループ処理で複雑に実装していた部分も、要素を最小限にして代替できます。
保守しやすい軽量なフローとして、ぜひ試してみてください。



