皆さまの会社では、Lightning Experienceへの移行はもう完了しているでしょうか。
「うちはまだSalesforce Classicのままだけど、実際どうなの?」と問う企業は2026年現在でも存在します。長年Salesforceをご利用の企業ほど、Lightning Experience への移行を検討しているものの具体的な対策を取っていないケースがあります。
ここ数年で、SalesforceはLightning Experienceへの一本化を強く進めています。その結果、Classicのままでは使えない機能・受けられないサポートが年々増えています。
本記事では、SalesforceにおけるLightning Experience の基本と、2026年現在の Classic を取り巻く状況を最新情報と共に紐解き、Lightning Experienceへの移行のが必要なメリットと移行を成功させるためのポイントを判りやすく解説します。
Lightning Experience(LEX)とは
Lightning Experienceとは、Salesforceが提供する現行のユーザーインターフェース(UI)です。略して「LEX(レックス)」と呼ばれることもあります。
これに対し、Salesforceが従来から提供してきたインターフェースは「Salesforce Classic」と呼ばれています。Classicの時代からSalesforceを導入している企業の中には、今でもClassicを使い続けているケースもありますが、Salesforceの新機能や最新のAI機能はLightning Experience上でのみ提供されるのが実情です。
開発方針としても、Salesforceは明確に「Lightning優先(Lightning first)」を打ち出しており、Classicは維持フェーズに入っていると考えるのが実態に近いでしょう。
【2026年最新】Salesforce Classicは今どうなっている?
2020年頃の記事では「そろそろLightningへの移行を検討しては」というトーンで語られることが多かったLEX移行ですが、2026年現在はより切実な状況になっています。主な変化を整理します。
Classic専用機能の廃止が実際に始まっている
象徴的な例が、Classicナレッジ(Classic Knowledge)データモデルです。SalesforceはSummer ’25リリースをもってClassicナレッジデータモデルを廃止し、2025年6月1日には旧データモデルそのものが無効化されました。管理者は移行ツールを使ってLightningナレッジへ切り替える対応を迫られています。
同様に、Classic Email Builderなど一部の周辺機能もSummer ’25で廃止されており、「Classicの一部機能から順に使えなくなっていく」という流れがすでに現実のものとなっています。
新機能・AI機能はLightning Experience限定で提供される
Salesforceが近年注力しているEinsteinのAI機能や、対話型AIエージェント基盤の「Agentforce」といった機能は、いずれもLightning Experience上でのみ利用できます。Classic環境ではそもそも呼び出すことができません。
これから先、Salesforceの目玉機能はAIエージェント関連に集中していくと見られており、Classicを使い続ける限り、こうした新機能の恩恵を一切受けられないことになります。
ログインのたびにLightningへ促される仕組みがある
Salesforceには、一定期間ごとにユーザーをLightning Experienceへ自動的に切り替える設定があり、組織の多くで既定有効となっています。
Classic側で毎回ログアウトしないと元に戻れないという声があるのもこれに起因しており、Salesforce自身がLightningへの移行を後押ししていることがうかがえます。
なお、Salesforce Classic 自体の完全なサービス終了日は公式にアナウンスされていません。 しかし、機能単位での Classic 廃止はすでに始まっており、今対応を検討すべきフェーズに入っています。
Lightning Experienceへ移行すべき理由
ひとつの画面で作業が完結するUI設計
Lightning ExperienceとClassicの大きな違いのひとつが、UI(ユーザーインターフェース)の設計思想です。
Classicのインターフェースは、PCでの作業を想定した「ページ遷移型UI」で、作業のたびに画面を行き来する必要があります。一方Lightning Experienceは、もともとモバイルでの利用を前提に設計された「アプリケーション型UI」で、1つの画面で作業が完結できるようになっています。
Classicでも、商談や取引先責任者の情報など複数のオブジェクトのデータを1画面にレイアウトすることは可能ですが、Lightning Experienceではコンポーネント単位で画面を構成でき、動的フォーム(Dynamic Forms)などの機能も組み合わせることで、業務の流れに沿った柔軟なレイアウトを組めるようになっています。
レポート・ダッシュボード機能が大幅に強化されている
もうひとつの違いが、レポートやダッシュボードの機能です。
Lightning experienceでは、レポートやグラフの見た目が整理されて見やすくなっているだけでなく、Classicに比べて機能そのものが強化されています。
Classicでレポートを編集する場合、編集画面で変更を行い、実行ボタンを押して初めて結果を確認できますが、Lightning Experienceでは編集内容がその場で反映されます。また、集計や詳細の表示・非表示をボタンひとつで切り替えたり、サマリーと詳細を1つの画面で確認したりできるなど、画面遷移を意識せずにレポートを作成できます。
ダッシュボードでは、各グラフの配置場所や表示サイズをドラッグ&ドロップで自由に変更できる点も便利です。データソースとグラフデザインのタブ切り替えも不要になり、ソース元のレポート名がタイトルとして表示されるなど、Classicを使っていた方ほど使い勝手の違いを実感しやすいはずです。

ドラッグしながら配置場所を変更したり、グリッドに合わせてサイズを変更したりできます
なお、Lightning Experienceのレポート機能については、以下の記事「Salesforceの使い方Tips:レポート機能(Lightning編)」でも詳しくご紹介しています。

Agentforce・Einsteinなど最新AI機能を活用できる
Salesforceの特長のひとつが、年3回行われる定期アップデートです。クラウドサービスならではのメリットですが、現在このアップデートの新機能はLightning Experienceを前提としたものがほとんどです。
特に近年は、生成AIを活用した「Einstein」関連機能や、業務プロセスを自律的に処理するAIエージェント基盤「Agentforce」など、AIまわりの機能強化が中心になっています。これらはいずれもLightning Experience上でのみ提供される機能であり、Classicのままではアクセスできません。
Classicが即座に使えなくなるわけではありませんが、今後のSalesforceの進化のメリットを享受し続けるためにも、Lightning Experienceへの移行は避けて通れない選択と言えるでしょう。
以下の記事「Lightning Web コンポーネント(LWC)を使って帳票出力してみた」では、Lightning Experience のアクションを使用して帳票をPDFで出力する手順についてご紹介しています。

このように、Lightning Experienceなら便利な機能を実装でき、より快適にSalesforceを活用できます。
AI活用を加速させるAgentforceの導入をご検討中の方は、Agentforce導入パッケージのページをご覧ください。
その他、業務効率化につながるさまざまな機能
LLightning Experienceには、上記のほかにもさまざまな新機能やUIの改善があります。
その一つが「カンバン(Kanban)」と呼ばれる表示機能です。カンバンは一覧画面(リストビュー)で使える表示方法で、文字通り看板のようにレコードを並べ替えて表示できます。商談やケースの進捗状況を視覚的に把握したいときに便利です。

もう一つが、商談の進捗状況などがひと目でわかる「パス(Path)」機能です。パスは、あらかじめ設定しておいたステップに沿って、入力が必要な項目やガイドを表示してくれる案内役のような機能です。商談オブジェクトでの活用がわかりやすい例で、入力すべき項目が明確になるため、担当者ごとの入力ばらつきを抑える効果も期待できます。

このほかにも多くの機能差があり、Salesforceのヘルプページや公式Trailheadでも詳しく紹介されています。
- Lightning Experience と Salesforce Classic の画面の見分け方
- Salesforce Classicユーザのための Lightning Experience(Trailhead)
移行前に押さえておきたい注意点
Lightning Experienceでは見た目の良さが一番目を引きやすいため、Classicとの違いとしてそこに注目が集まりがちですが、LEXはあくまで業務の生産性向上を中心に開発されたものです。
移行する場合は作り直しが必要なものがある
一方で、カスタムリンクなど一部の機能はLightning Experienceの仕様に合わせて作り直しが必要な場合があります。また、独自にカスタマイズしたレイアウトやVisualforceページなどが多い環境ほど、事前の影響調査が重要になります。移行を成功させるポイントは大きく次の3つです。
Lightning Experienceへの移行を成功させるポイント
- 現状の利用状況・カスタマイズ内容の棚卸し:どのオブジェクト・機能をどう使っているかを整理し、Lightning Experienceで非対応となる機能がないか確認する
- サンドボックス環境での事前検証:本番環境に反映する前に、フルコピーサンドボックスなどでレイアウトや業務フローの動作を確認する
- 利用者への周知とトレーニング:画面が大きく変わるため、事前の説明会や操作ガイドの用意など、現場の混乱を防ぐ準備を行う
まとめ
Lightning Experienceは、単なる見た目の刷新ではなく、業務効率化とAI活用を見据えてSalesforceが開発を集中させている現行のプラットフォームです。
2026年現在では、Classicナレッジのように機能単位での廃止がすでに始まっており、AgentforceをはじめとするAI機能もLightning Experience上でしか利用できません。「まだClassicで困っていないから」と先送りにしていると、気づいたときには必要な機能が使えなくなっている、という事態も起こり得ます。
SalesforceをClassic環境でご利用の方は、本記事を今後のLightning Experience移行検討の参考にしていただければ幸いです。
サンブリッジでは、カスタムリンクなど個別対応が必要な機能の洗い出しから、レイアウト・業務プロセスの見直しや最適化まで、Salesforceをより快適にお使いいただくための移行支援を行っています。
Lightning Experienceへの移行を含め、お気軽にご相談ください。



