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Tableauとは何か?その歴史と機能で学ぶBIツールの基礎知識

Tableauとは、データベースやスプレッドシートに蓄積された数値データを、ドラッグ&ドロップの直感的な操作だけでグラフやダッシュボードに変換できるBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。

Salesforceでレポートやダッシュボードを活用してきた営業・マーケティング担当者にとって、次のステップとして注目したいツールの一つといえます。

本記事では、Tableauの歴史(Stanford大学発の創業からSalesforceによる買収まで)、基本的な使い方、そして進化を続けるAI機能について整理し、BI活用の次の一歩を検討する際の参考情報をお伝えします。

目次

Tableauとは?BIツールとしての基本

Tableauの中核にあるのは「VizQL」と呼ばれる独自技術です。ユーザーが画面上で行ったドラッグ&ドロップの操作を内部的にSQLクエリへと自動変換し、結果を表(テーブル)ではなく画像として返す仕組みになっています。この仕組みにより、SQLやプログラミングの専門知識がなくても、思考のスピードでデータを探索しながら分析を進められる点がTableauの大きな特徴です。

Tableauの利用イメージ

Salesforceの標準レポート機能が「決められた形式でのデータ集計・可視化」を得意とするのに対し、Tableauはより自由度の高い可視化と、複数データソースを横断した深掘り分析を実現するBIツールと位置づけられます。

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Tableauの歴史 ― Stanford発のスタートアップからSalesforce傘下へ

2003年の創業とVizQL技術

Tableauは、Stanford大学で2000年から2002年にかけて進められていた研究プロジェクト「Polaris」を起源としています。PolarisプロジェクトはChris Stolte、Pat Hanrahanら(後にDiane Tangも参加)によって進められ、2000年10月には最初の論文がIEEE情報可視化シンポジウムで発表されました。

Polarisのユーザーインターフェース
Polarisのユーザーインターフェース(Tableau Webサイトより引用)

この研究成果を商用化する形で、2003年にChristian Chabot、Christopher Stolte、Pat Hanrahanの3名がTableau Softwareを共同創業しています。創業当初は外部資金に頼らないブートストラップ経営を選び、初期の顧客からのフィードバックを重ねながら製品を磨き上げていきました。

2013年のIPOとビジネスの成長

Tableauは2013年、ニューヨーク証券取引所に上場しました(ティッカーシンボル:DATA)。公募価格は当初の想定レンジ23〜26ドルから引き上げられ、最終的に1株31ドルで決定し、調達額は約2億5,420万ドルにのぼりました。

これは同年の米国テック企業によるIPOとして最大級の規模であったと報じられています。上場時点で導入企業数はすでに1万社を超えており、BIツール市場における確かな地位を築いていたことがうかがえます。

2019年のSalesforceによる買収とその後

2019年6月、SalesforceはTableau買収の正式契約を締結したと発表しました。買収は全株式交換方式で、企業価値は約157億ドルにのぼり、同年8月には買収が完了しています。Tableauはその後もシアトルを本社とする独立事業部門として運営が続けられており、経営体制もAdam Selipsky氏(2016〜2021年)、Mark Nelson氏(2021〜2023年)、Ryan Aytay氏(2023〜2026年)と引き継がれてきました。

長年にわたり複数の経営者のもとで事業が継続され、Salesforceという大手クラウド企業の傘下で開発体制が強化されてきたことは、Tableauというプロダクトの継続性・信頼性を裏付ける要素と考えられます。

TableauがBIツールとして選ばれる理由 ― Salesforceとの親和性

Salesforceの標準レポート・ダッシュボード機能は、CRMに蓄積された商談やリードなどのデータを手軽に集計・可視化するのに適した機能です。一方でTableauは、Salesforceのデータに加えて、BigQueryやRedshift、Snowflakeといった外部のデータウェアハウスやデータベースとも接続できる点が特徴です。

営業データとマーケティングデータ、あるいは基幹システムの受注データなどを横断して1つのダッシュボードにまとめたい、より柔軟な切り口で深掘り分析をしたいという場合、TableauはSalesforceの標準機能を補完するBIツールとして機能します。Salesforce自身がTableauを買収し自社製品群に組み込んでいることからも、両者の親和性の高さがうかがえます。

Tableauの使い方 ― 基本操作と活用例

基本操作の流れ

Tableauの基本的な使い方は、大きく次のような流れになります。

  1. データ接続:SalesforceやBigQuery、Redshift、Snowflakeなど、分析したいデータソースに接続します。
  2. ワークシート作成:データ項目を画面上にドラッグ&ドロップし、グラフの種類や軸を切り替えながら可視化を作成します。専門的なクエリ言語を書く必要はありません。
  3. ダッシュボード作成:複数のワークシートを組み合わせ、フィルタや操作パネルを追加した1つのダッシュボードにまとめます。
  4. 共有:完成したダッシュボードを社内のメンバーに共有し、必要に応じて閲覧権限を設定します。
Tableauの基本的な使い方

このように、IT部門への依頼を待つことなく、現場の担当者自身が必要な切り口でデータを確認できるようになる点がTableauの使いやすさの中心にあります。

Tableau操作の基本とつまづきやすい点については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

営業・マーケティング現場での活用シーン

営業部門では、案件の進捗状況や予実(予算と実績)の差異をダッシュボードでリアルタイムに把握し、経営判断のタイミングを逃さないようにするといった活用が考えられます。

マーケティング部門では、複数のキャンペーンの効果を横断的に比較し、投資対効果の高い施策を見極めるといった使い方も想定されます。

Tableauユースケース

実際に、ある製造業の企業では、営業情報を可視化したことで予実管理の精度向上と分析スピードの改善につながった事例が報告されています。

TableauのAI機能 ― Pulse・Agent・Tableau Nextで進化する分析

Tableau PulseとTableau Agent ― 既存製品に統合されたAI機能

Tableauは近年、既存の製品にAIを活用した機能を積極的に組み込んでいます。代表例が「Tableau Pulse」で、あらかじめ設定した重要指標(メトリクス)の変化を自動検知し、自然言語での問いかけに応じてインサイトを提示します。「Tableau Agent」は、会話形式でデータについて質問すると必要な可視化や分析を自動生成する機能です。「Predictive Insights」では、機械学習によるスコアリングや主要な変動要因、将来予測をダッシュボードに直接埋め込めます。これらはいずれも、Tableau CloudやServerといった既存製品に追加される形のAI機能です。

Tableau Next ― 次世代の統合分析プラットフォーム

これに対して「Tableau Next」(旧称Tableau Einstein)は、既存のTableau製品への機能追加ではなく、Salesforceプラットフォーム上に新たに構築された次世代の分析プラットフォームです。

Tableau PulseとTableau Agentの機能を単一の体験に統合するほか、「Tableau Semantics」と呼ばれる統合的なセマンティックレイヤーによって、指標やディメンション、データ同士の関係性を組織全体で一元管理できる点が特徴です。SalesforceのData 360とも直接統合されており、「Zero Copy」と呼ばれる仕組みで、データを複製・移動させずにオンプレミス・クラウド双方のデータへアクセスできます。

既存のTableau Cloud、Tableau Server、CRM Analyticsは今後も継続してサポートされる方針で、Tableau Nextはこれらを置き換えるものではなく、クラウド上で並行して選べる新しい選択肢という位置づけです。

まとめると、Tableau PulseとTableau Agentは「既存のTableauをAIで強化する機能」、Tableau Nextは「AIエージェントによる分析を前提に設計された新しいプラットフォームそのもの」という点が両者の大きな違いです。

Tableau導入を成功させるには ― よくある課題と解決の方向性

一方で、BIツールを導入すれば自動的に成果が出るわけではありません。データが部門やシステムごとにサイロ化している、Excelでの集計作業が属人化している、レポート作成のたびにIT部門への依頼が発生し回答に時間がかかる、といった課題は、多くの企業で共通して見られる傾向です。Tableauの機能を十分に活かすには、業務要件の整理からダッシュボードの設計、社内への定着化まで、段階を踏んで進めることが重要になります。

まとめ

Tableauとは、Stanford大学発の研究プロジェクトを起源とし、2013年のIPO、2019年のSalesforceによる買収を経て、現在もBIツールとしての進化を続けているサービスです。ドラッグ&ドロップによる直感的な使い方に加え、Tableau PulseやTableau AgentといったAI機能の強化により、Salesforceのレポート・ダッシュボードから一歩進んだデータ活用を検討している営業・マーケティング担当者にとって、有力な選択肢の一つといえます。

特にAI機能の活用することでデータ分析の専門知識を持たない現場担当者でも、自然言語での問いかけを起点に必要なインサイトへ素早くたどり着けるようになってきており、BIツールを「使いこなす難しさ」というハードルは今後さらに下がっていく可能性があります。

サンブリッジでは、日本初のSalesforce認定コンサルティングパートナーとして、業務要件定義からダッシュボード構築、活用トレーニング、定着化フォローアップまで、Tableau導入をワンストップで支援しています。

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参考情報

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この記事を書いた人

外資系ソフトウェアベンダーにてプロダクトマーケティングに従事した後、2012年よりサンブリッジにてマーケティングを担当しています。

<保有資格>
Salesforce 認定 Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント
Salesforce 認定 Marketing Cloud Account Engagement スペシャリスト
Salesforce 認定 Data 360 コンサルタント
Salesforce 認定 Agentforce スペシャリスト
Salesforce 認定 Tableau データアナリスト

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