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対面接客の強みをより活かすために顧客情報の一元管理をSalesforceで実現

  • Client 株式会社ハウス オブ ローゼ
  • Industry 小売業
  • Business 化粧品、ボディケア商品の小売・販売 リラクゼーションサロン、女性向け フィットネスジムの運営
  • #SALESFORCE
Salesforce導入事例:株式会社ハウス オブ ローゼ

直営店での対面接客による顧客とのコミュニケーションを通じて自然派志向の化粧品・ボディケア商品等の販売を行う株式会社ハウス オブ ローゼ。パッケージベースでフルスクラッチ開発された旧来の社内システムに課題感を持っていた同社では、各種業務ごとに最適化したシステムへの刷新を決断、Salesforceを中心としたシステムやサービスを連携し、顧客情報の一元管理と満足度の向上につながる各種施策の実現に向けた取り組みを進めている。

導入背景

  • パッケージベースのフルスクラッチの店舗管理システムでは店舗ごとでしか顧客情報が管理できなかった。
  • 同一の顧客に対して店舗間で一貫性のある対面接客を行うためには店舗間での情報共有が必須であった。

導入効果

  • 顧客情報をはじめとする各種データを一元管理、店舗単位でしか管理できなかった顧客情報やポイントの店舗間共有を実現。
  • Salesforceを中心に、各種サービスやシステムとのデータ連携の結果、店舗業務の効率が向上し、顧客情報の可視化も可能になった。

活用用途

  • 顧客管理、注文管理、売上管理、ポイント管理、店舗間での顧客情報の共有

顧客との長期的な関係を築くため顧客情報の一元管理を実現する新システムへ

「お客さま一人ひとりの自分らしい美しさを育むお手伝いをするお店」として、自然派志向の化粧品・ボディケア商品や雑貨などの販売を手がける株式会社ハウス オブ ローゼ

約180店舗にもおよぶ直営店では、対面接客によるコミュニケーションを通じて顧客に商品の効果を実感してもらい、長期的な関係構築を目指した販売活動を日々行っている。

しかし、同社の従来の店舗管理システムはパッケージ製品をベースとしたフルスクラッチ開発であったため、店舗単位での顧客管理に止まり、店舗間での一元管理ができないという課題があった。

管理本部 情報システム部長
倉本 剛 氏

管理本部 情報システム部長の倉本氏は次のように語る。「従来のシステムでは、店舗間でお客様情報の連携ができず、ある店舗のお客様が別の店舗でお買い物をされても、ポイントをご利用いただくことができませんでした。この点については、多くのお客様から改善のご要望をいただいておりました。」

時代の変化やスピード感を持った顧客対応を行うためには、既存のフルスクラッチ開発のシステムでは限界があった。ハウス オブ ローゼでは10数年前から顧客情報の一元管理に対する課題は認識していたが、なかなか着手できていない状況であった。しかし、対面接客が困難であったコロナ禍を経て、自社の強みを活かすための店舗間で顧客情報を一元管理できる新しい顧客管理システムの構築を決断した。

時代の変化に対応し、CRMを中核としたシステム連携で顧客情報の一元管理を実現

ハウス オブ ローゼは新システム構築にあたり、業務目的ごとに特化したシステムやサービスを連携して活用する方針を掲げ、ツール選定に着手した。

新システム導入に向けた様々なリサーチの結果、同社は豊富な導入実績を持つSalesforce CRMを採用することとなった。

Salesforce選定の理由について倉本氏は、次のように述べています。「新システムは、オンプレミスのシステム構築ではなく、スピーディーに対応可能なクラウドサービスを利用したいと考えていました。検討の結果、顧客情報を一元管理し、様々な施策を打つための“データの原資”として扱うためには、同業種を含めた実績が豊富なSalesforceが持つノウハウや知見を活用したいと考えました。」

新システムでは、Salesforceを中心としたシステム連携により、顧客情報の一元管理を実現しました。基幹システムや全国の店舗から取得するWeb-POSのデータは、国産ETLツール「HULFT Square」でSalesforceに集約。さらに、Heroku(DWH)に蓄積した顧客の購入情報やポイント情報とも連携することで、全国の店舗で顧客情報と売上・ポイント管理を共有できるようにした。また、Tableau(BI)との連携により、経営分析も可能とする構想だ。

導入ベンダーはハウス オブ ローゼが求める要件に対応可能な複数社を検討した結果、具体的な提案、スケジュール感、費用を含めた内容が評価された結果、サンブリッジが採用された。

「ETLを活用したデータ統合も含めた仕組みを構築することは、元々構想として考えていました。Salesforceを中心とした店頭での販売実績のデータをHULFT Squareと連携し、当社の基幹システムに取り込む。あるいは基幹システムから取得したデータを販売実績と連携するなどの要件に対して、信頼性・実績・メンテナンス性・可用性など、新システムに求める様々な条件を踏まえて提案いただいたと思います。(倉本氏)」

旧システムの複雑なデータ構造を紐解き、複数システム間のデータ連携を実現

ハウス オブ ローゼの旧システムは、データ構造が複雑で解析が困難であった。そのため、新システムの実装は、旧システムのデータ仕様を紐解くことから始まった。

旧システムで利用していたデータは、テーブル数や項目数が非常に多く、Salesforceを含む複数のシステム間で正確にマッピングする必要があった。基幹システムをDWHに接続するだけでなく、直営店で利用するWeb-POSやSalesforceのデータとも連携させる必要があり、データ型や項目の桁数の違いを考慮すると、膨大な作業工数が必要となった。

さらに、新システムのプロジェクトは、構想から2年、開発期間は約1年というタイトなスケジュールで進める必要があり、旧システムのデータ構造を紐解きながら、Salesforceを中心とした新たなシステムをゼロベースで構築することは、サンブリッジにとっても大きなチャレンジであった。

密なコミュニケーションで課題を克服し、スケジュール通りのリリースを実現

ハウス オブ ローゼとサンブリッジは、プロジェクトの進行にあたり、コミュニケーションを重視。綿密な情報共有と連携により、課題を克服し、スケジュール通りのリリースを実現した。

管理本部 情報システム部
情報システム課 川津 星奈 氏

情報システム課の川津氏は、プロジェクトを振り返り次のように語る。「項目数が非常に多かったので、マッピング完了後に実際にデータを流してみると、想定した計算結果と異なるケースもありました。その都度、どこに問題があるのかを紐解き、プロジェクト関係者と密に相談しながら対応を行いました。システムの完成に近づいてから気づくことも多く、旧システムを紐解きながらの実装には大変苦労しました。」

特定の条件でのデータ取得の仕様についても密接なコミュニケーションを行い整理することで、ほぼスケジュール通りにSalesforceの導入・データ移行も含めた新システムのリリースを完了した。

「プロジェクト開始当初から、ハウス オブ ローゼの求める要件の意図や趣旨を理解し、臨機応変に対応いただけました。要件変更に関する課題の指摘も含め、プロジェクトの進め方は非常に良かったと思っています。(倉本氏)」

リリース後のシステムの活用も順調に進んでおり、課題であった店舗間で利用できることを目的としたポイントカードのデジタル化もLINEのデジタル会員証に移行が完了し、既存会員の約半数がすでに利用開始しているという。

顧客情報の一元管理の実現により来店した顧客や店舗での売上に関する最新情報をSalesforceから確認できるようになり、日時での各種レポート作成の作業効率の向上などの効果も含め、店舗のマネージャーからの反応も良好とのことだ。

今後の展望 – Salesforceを中心にさらなるデータ活用へ

新システムリリース後の展望として、ハウス オブ ローゼでは、蓄積されたデータを活用し、顧客との長期的な関係を築くための施策を検討している。

稼働を始めたシステムのデータを活用するために、店舗の会員や売上の分析をTableauで可視化する経営分析のプロジェクトも進行中だ。

ポイントのデジタル化により、顧客データを活用した新たなアイデアも生まれており、販売企画部門からはポイントを活用した店舗への集客キャンペーンなどの要望も届いているという。

今後はSalesforceを基盤としたシステムを活用することで情報システム部の業務の内製化も進めていきたい意向もあるという。

「限られたリソースで時代の変化に対応するスピード感を持った施策を行うためには、業務の内製化が重要ですが、自分たちだけで進めると間違った方向に進んでしまう可能性もあります。その場合に相談・助言をもらえるパートナーは重要で、サンブリッジとは今後も良好な関係を築いていきたいと考えています。(倉本氏)」