Salesforceを活用し、社外で働くエンジニアとのコミュニケーションの活性化と営業業務の効率化を目指す
- Client AKKODiSコンサルティング株式会社
- Industry サービス
- Business コンサルティング、開発請負、教育、派遣、フリーランス、有料職業紹介
- #SFA/CRM
- #名刺管理
社外で働く多数のエンジニアとコミュニケーションを活性化し、VSN(※2022年1月1日付でModis株式会社へ社名変更、2023年4月1日付でAKKODiSコンサルティング株式会社へ社名変更)の社員として帰属意識を持ってもらいたい。また、SFA(営業支援システム)を活用して営業業務の効率化も図りたい。そのためにVSNが選んだのがクラウドサービスのSalesforceだった。VSNでは名刺情報をSalesforceにスムースに統合したいとも考え、Salesforce上で動く名刺管理サービス「SmartVisca」の開発にも力を貸す。VSNはまさにSalesforceを使いこなしている企業と言えるだろう。
導入効果
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社内でのコミュニケーションの円滑化
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名刺情報の共有による業務の効率化と集中管理によるコンプライアンスの強化
導入製品
特定派遣ビジネスにおける課題
ITや機械、電気などの専門知識を擁したエンジニアの派遣事業を展開する株式会社VSN。一般的に派遣と言えば「登録型」をイメージするが、VSNでは特定派遣で正社員100%での技術系人材サービスが特長だ。全国8拠点に合計2,800名以上の正社員のエンジニアを要し事業を展開している。
VSNでは、特定派遣のビジネスが中心なので、エンジニアは顧客企業先で働くのが基本だ。ばらばらな就業場所で働く数多くのエンジニアを効率的に管理し、彼らといかにコミュニケーションをとるかは同社にとって大きな課題の1つだった。
特定派遣のビジネスでは、エンジニアの人数が売り上げに直結する。そのためいかにして優秀なエンジニアを確保するかという事も重要なポイントとなる。情報通信第1本部 本部長の伊佐俊紀氏は「エンジニアのVSNに対するロイヤリティを上げ、退職者を抑えることも極めて重要です」と語る。
Chatterの活用が推進するSalesforceの利用率向上
2010年に川崎 健一郎氏が代表取締役社長に就任し、そこからVSNの新たな中期経営計画がスタートした。その中では、社内ITシステムの刷新も行われ「ITを使ってエンジニアとのつながりを図る方策を探しました」と伊佐氏。
他にも課題はあった。これまでの基幹システムでは、使い勝手面などで不満があったのだ。営業担当者などからは、SFAを導入し取引先の一貫した管理や業務効率化をとの声も挙がっていた。これらを検討した結果採用を決めたのがクラウドサービスのSalesforceだった。「なるべく資産を持たずに身軽になり、柔軟性を持ちたかったのです。Salesforceは単なるSaaSの魅力だけでなく、PaaSとしてカスタマイズできる点を評価しました」と伊佐氏は言う。
また、SalesforceはSFA機能を利用する社員と、使わない社員と分けることが出来る。職種にあった最適なライセンスを付与することにより、コストを抑えることが出来すべての社員がSalesforceを利用できる環境が整った。
社外で働くエンジニアは、会社から貸与されているiPhoneからChatterを使ったコミュニケーションなどが可能だ。VSNにおけるChatterの利用率は90%を超えており、1,000人以上のSalesforce導入企業では利用率がNo1だ。VSNではChatterの利用を業務に限定していないのも利用率の高さにつながっており、Chatterが文化として根付いている。それ故にSalesforceへのログイン率もかなり高い。ログイン画面をポータル化しさまざまな情報を集約することで、日常的な利用を促しているのだ。
デジタル化し共有することで名刺情報の価値が向上する
VSNでは取引先管理に早くから名刺管理システムを利用していた。Salesforceの導入をきっかけに、そのシステムと顧客情報の連携を試みたが、それには手間がかかりリアルタイム性もかけていた。Salesforceと連携するのではなく、Salesforceプラットフォームの上で動く名刺管理システムが欲しい。そこでVSNが新たに考えたのが、Salesforce一体型クラウド名刺管理サービスだった。
VSNは名刺管理サービスの開発にも協力し、顧客の立場からどのような名刺管理、顧客管理の仕組みが欲しいかを要求仕様として提案した。こうしてSalesforce一体型クラウド名刺管理サービス『SmartVisca』が誕生した。さらにVSN向けの仕様として「東京商工リサーチの企業情報データベースを使えるようにするなどの要求を出し、機能実装してもらいました」と伊佐氏。VSNは完成したSmartViscaのファーストユーザーとなり、現在は月平均1,400件もの名刺データを取り込んでいる。取り込む名刺の数は、新規顧客開拓に注力していることもあり増加傾向にある。
「名刺データは全社で共有しています」と業務部 情報システムグループ グループ長の佐々木 英司氏は語る。名刺情報を共有することで、業務で活用する顧客情報の価値が向上すると指摘する。加えて名刺の情報は厳密に取り扱うべき重要な個人データでもある。そのためコンプライアンス面からも、集中管理し漏洩などが発生しないように管理している。VSNでは取り込んだ後の名刺の破棄も徹底して行っているとのことだ。
名刺情報のデジタル化による一元管理は、営業担当の異動の際にもメリットがある。「口頭などでは引き継ぎは十分にできません」と伊佐氏。またSmartViscaを使うことで、外出時にもすぐに名刺情報にアクセスでき顧客とのコンタクト履歴をたどれるのは便利だとも語る。
制約の中でSalesforceを使いこなす工夫
VSNでは、SFA機能の商談管理、取引先管理を主に利用している。Salesforceを導入したことで、レポート機能やダッシュボードを活用して見たいデータをすぐに参照できるようになった。「苦労してデータを集め、Excelなどで集計する手間はありません。少しプログラムを組めば簡単に見たい形でデータが見られます。Salesforceの制約を回避するところでは、サンブリッジのコンサルタントにもずいぶん助けてもらっています」(伊佐氏)
基本的なSalesforceの技術は社内でも蓄積しているが、Salesforceの「クセ」とも言えるようなところは専門家であるサンブリッジの知恵を借りたほうが効率的だ。さらにSalesforceのプラットフォームならではのアジャイル開発も、サンブリッジにリードしてもらっていると語る。その他にもVSNではエンジニアのマッチングや、人事関連システムと連携させエンジニアの労務管理にもSalesforceのプラットフォームを利用している。「VSNでは、Salesforceをかなり使いこなしているほうだと思います」(伊佐氏)
一方で「名刺情報などを取り込む際には、多少データのクレンジング処理が発生します。これは少し手間なので、将来的には処理をAIで自動化してくれればと思います」とも言う。これは今後、AIや機械学習などの新しい技術を活用することで、SalesforceやSmartViscaがさらに便利な仕組みになって欲しいとの要望だ。
Salesforceは継続的なバージョンアップでどんどん進化している。サンブリッジには、それに合わせた提案をもっとして欲しいと佐々木氏。伊佐氏も「サンブリッジのような会社なら、さまざまな企業と仕事をしているのでベストプラクティスのようなものを持っているはずです」と語る。製品やサービスの便利な使い方だけでなく、クラウドサービスを使いこなすためのトータルソリューションの提案が求められている。
※本記事の情報は2017年2月時点の取材内容に基づき記載しています。