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Salesforceとサブスクリプションサービスの連携で新規事業の早期立ち上げを実現

  • Client 株式会社 京王エージェンシー
  • Industry サービス
  • Business 総合広告代理、サイン&スペース 、デザイン、媒体管理業務
  • #SFA/CRM
  • #その他
Salesforce導入事例:株式会社 京王エージェンシー

京王グループの広告会社である京王エージェンシーは、新規事業として2024年4月より保育園児向け衣類・寝具などのレンタルサブスクリプションサービス「かるがる登園Tefu-Tefu(てふてふ)」を開始した。
同社は、同サービスのテスト運用期間で得た課題に対し、サービスの開始までのわずか4ヶ月の期間でSalesforceによる連携開発による機能拡張のプロジェクトを推進。短期間ながらもスケジュール通りにサービス開始を実現した。

導入背景

  • 複数のステークホルダーが複雑に関係するB to B to Cの新規事業の顧客管理とサブスクリプションの決済を関連付けてサービスをスケジュール通りに開始したい

導入効果

  • テスト運用で見えてきた業務フローにおける課題に対応する機能をわずか4カ月ので期間で対応し、期限通りのサービス開始を実現

導入製品

Salesforce導入・活用支援サブスクペイ

活用用途

  • サブスクリプションのレンタルサービスの決済情報と複数のステークホルダーの顧客情報を一元管理

保育園児の衣類・寝具管理の負担を解消するレンタルサブスクサービスの新事業

「すべての人を、最高のアイデアで、幸せにする。」を企業理念として抱える京王エージェンシー。

京王グループの広告会社である同社の活動の場は、京王グループ内の広告事業に留まらず、50%以上のグループ外のクライアントに対して、多様なソリューションやデータ、メディアを掛け合わせた総合的な提案を行っている。

同社は新規事業として2024年4月に、保育園に通う園児の着替え・タオル・寝具などの登園に必要なアイテムを月額定額のサブスクリプションでレンタルできる保育施設向けのサービス「かるがる登園Tefu-Tefu」のサービスを開始した。

事業開発部 サブマネージャー
秋山 麻菜美 氏

「かるがる登園Tefu-Tefu」が提供する園児向けのレンタルアイテムは事務局から、保護者に代わり保育園に直接納品、使用済みのアイテムの回収まで行うため、保育園で利用する保育士の管理負担の軽減に加え、保護者にとっては、毎日の衣類の洗濯や準備、園児の成長に伴う衣服の買い替えの負担軽減など大きなメリットがあるという。

「私自身、保育園に通う子どもがいるのですが、毎日たくさんの荷物を登園の際持っていってます。仕事を終えて帰宅して夕方6時くらいから9時までの間に行う食事の用意やお風呂の準備などに加えて、毎日持たせる荷物の洗濯や登園準備を行うのはとても大変なんですね。乳幼児期はすぐ過ぎてしまうので、日々のタスクに追われることを少なくして、保護者の方にお子様ともっと触れ合う機会を作ってもらいたい。このサービスはそんな思いを持って始めています。」と語るのは、事業開発部サブマネージャーの秋山氏。

「かるがる登園Tefu-Tefu」は2023年8月からテスト運用を開始したが、会社から事業の承認が行われたのは同年の4月であったため、わずかな期間で決済サービスの運用を開始できるROBOT PAYMENT社の「サブスクペイ Professional」を採用し4ヶ月という短期間でサービスのテスト運用の開始を実現した。

多くのステークホルダーが関与するB to B to Cのビジネスモデルに要件に対応するためのSalesforce連携開発

「かるがる登園Tefu-Tefu」のビジネスモデルはB to B to Cモデルであることから、サービスの展開に対して多くのステークホルダーが関与する。

サービスを契約する園児の保護者がいる一方で、実際に園児が利用するアイテムのレンタルサービスを提供する保育園と保育士がいる。この二つの重要なステークホルダーに対して適切なサービスを提供するための重要な課題が、テスト販売期間を通じて見えてきたという。

事業開発部 部長
佐藤 哲哉 氏

「テスト販売期間では、新規事業ということもあり、導入と運用コストをあまりかけずにシンプルかつスピーディーに決済機能を実現できることが重要でした。とはいえ本格的なサービス開始に向けては、業務フローにおいて不足している課題も色々と見えてきたこともあり、必要な機能の連携開発をサンブリッジにお願いすることにしました。」と事業開発部部長の佐藤氏。

シンプルな顧客管理と決済の機能を持ち、コストを抑えてスピーディーに導入できる「サブスクペイ」は、新規事業を立ち上げる上で重要な役割を果たすサービスではあったものの、テスト販売を始めて業務のあり方が見えてくると、多くのステークホルダーと業務が複雑に関係し、管理すべき対象が多岐にわたる同サービスにおいては、パッケージ製品が持つシンプルな顧客管理機能だけでは対応しきれないこともわかってきた。

「まったくの新規事業であるが故に最初は手探りの状態でしたが、京王エージェンシー自身が業務を回して、システムに必要な要素を分解していくべきと考えました。そのプロセスの積み重ねによってサービスのあるべき姿が形作られるものと考えています。」と語るのはDX-Lab部長の菊池 武史 氏。

パッケージで提供されるサービスを契約する保護者の顧客管理と決済管理だけではなく、実際に契約されたサービスの運用を保育園で行う保育士との関係性の可視化は、サービス開始に向けての最も重要な課題の一つであった。

「かるがる登園Tefu-Tefu」が提供する衣服や寝具などのアイテムを契約する家庭の園児に加え、着替えや寝かしつけなどでアイテムを実際に園児に対して利用する保育士との連携も必要となる。

「シンプルな決済サービスのパッケージでは、契約者との関係性しか管理できません。この課題を解決するためにテスト販売期間での検証後の2023年の12月にサンブリッジのご担当者に相談をすることにしました。」(菊池氏)

柔軟なプロジェクト推進でサービス開始に必要な機能の期限内での実装を実現

「かるがる登園Tefu-Tefu」の本サービス開始に向けて、最低限、確実に契約者である保護者との決済が完了でき、サービス提供者である保育園・保育士との情報共有も行える必要がある。

DX-Lab部長
菊池 武史 氏

追加の連携開発では、保育士がサービスに加入している園児の情報を閲覧するための保育士ポータルをコミュニティの機能を用いて構築し、契約内容を保育士がタイムリーに確認できることを実現した。

新規事業をスケジュール通りに立ち上げるために、業務フローを支えるシステム要件についても、サンブリッジのエンジニアが具体的にイメージできるような要件の説明を心掛けたと菊池氏は語る。

「新規事業であるが故に、初期にシステムに対してかけられるコストには限りがあります。加えてSalesforceの仕様でできる事、できない事があるとは理解していましたので、期限内の実現に向けて丁寧なコミュニケーションを心掛けました。」

プロジェクト推進に当たってはサンブリッジとの契約が準委任契約であったこともあり、テスト販売期間中に分かった課題への対応などプロジェクトを進める上で、臨機応変に柔軟な対応ができたことを評価いただいた。

「タイトなスケジュールでしたが、サービス開始までに、サービスの基盤となる部分をしっかりと構築できたことはとても良かったと思います。」(秋山氏)

今後の展望 – サービスの運用を進めながら継続的な課題の改善に取り組む

一方で複数のステークホルダーで共有すべき情報の管理についての課題は運用を始めてから新たに気づくことも多いという。

「運用を進めていく内に、サービス開始当初では想定していなかった様々な課題も見えてきています。私たちにとっても初めての経験でしたし、運用を回してみないとわからないことでも多くありました。今後はこれらの課題を検討し、より良いサービスとして提供できるよう継続して取り組んでいきたいですね。」(佐藤氏)