【Agentforce World Tour Tokyoレポート】Tableauの今後のビジョン:エージェント型データ分析が切り拓く意思決定

Yuya Saito

Rewa Tech

イベントレポート

本記事では、2026年6月10日(水)に行われた基調講演「データ × AIが描く分析の新境地〜エージェント型データ分析が切り拓く意思決定の未来〜」の内容について、共有します。

TableauにおけるAIビジネスの動向を把握したい方は、ぜひ最後までご覧ください!

基調講演「データ × AIが描く分析の新境地〜エージェント型データ分析が切り拓く意思決定の未来〜」:

今回の講演では、今後のTableauはダッシュボードでの分析基盤だけではなく、AIを駆使しその基盤を基にした分析とそれに対するアクションを担う存在へと変わっていくということが強調されており、印象的でした。

1. 基調講演構成

今回の基調講演の構成は以下の通りとなっており、各セッションの内容を簡単に紹介いたします。

  1. 洪氏によるDataFamコミュニティ紹介
  2. 福島氏によるTableauキーノート
  3. ケビン ホッジキンズ氏によるTableau の今後のビジョン
  4. 上野氏、高尾氏によるサイバーエージェントのAIとTableauの活用事例
  5. 杉村氏によるTableau新機能デモ
  6. 吉田氏によるAgentic Marketingの活用事例
  7. 山下氏によるTableau自律アクションデモ

1.洪氏によるDataFamコミュニティ紹介

オープニングでは、Tableauの活用人材コミュニティであるDataFamコミュニティの紹介が行われ、そのコミュニティの3名の方々にDataFamの魅力と価値について、紹介いただきました。

2.福島氏によるTableauキーノート

DataFamの現状

Tableauキーノートでは、まずDataFamの広がりが具体的な数字で示されました。日本全国でイベントが継続的に開催されており、年間125回(毎日2〜3回)という開催頻度が紹介されています。また、DataSaber認定者が約3,700名に達していることも共有されました。

取り上げられたトピック

Tableauコミュニティアワードでは、全12部門中6部門を日本勢が受賞したことが取り上げられました。さらに、意思決定には正確性・確実性が求められるためAIだけでは不十分であり、TableauのようなBIツールとAIの融合が必須である、という趣旨の言及もありました。

Tableau Public

Tableau Publicを活用することで、ビジネスに限らず、スポーツや教育、社会課題等に対してデータ分析による示唆を提供することができ、課題解決につなげることができます。

これまでにTableauが提供してきた基盤

これまでは、現場ユーザーがボトムアップでデータドリブンを推進できる基盤をTableauは提供してきました。結果、Fortune 100企業の97%の企業にTableauを利用していただいています。ただ、現在、AIの台頭により、Tableauを含めたBIツールが軽視されるのではないかという指摘があります。

3. ケビン ホッジキンズ氏によるTableau の今後のビジョン

これまでにTableauで提供してきたサービス

Tableauはこれまでビジュアル分析、セルフサービス分析、拡張分析を提供し、データ分析専門の人材が生データを基にデータのインサイトを導き出してきました。その導き出されたインサイトを基に、ユーザーが意思決定を行いアクションを実践してきました。

Tableauの今後の方向性

今後は「アナリティクスの受け手」が人間だけでなくエージェントにも広がっていくという方向性が示されました。エージェントには人間のような直感やコンテクストがないため、データやダッシュボードだけでは不十分であり、コンテクストは人間側が提供する必要があると語られています。⁠ そのため今後はエージェントのためのナレッジを提供する必要があることが語られています。ここで言うナレッジとはこれまでに作成してきたデータソースやPrepフロー等すべてが該当します。

Tableauは今後、AIの力をすべてのレイヤーで活用できる「エージェント型分析プラットフォーム」を提供すると述べられました。

そのプラットフォームの中核となるのが、下記2つのエンジンです

①ナレッジエンジン(データに意味を持たせる)

②意思決定エンジン(人とエージェント双方が活用)

この二つのエンジンを駆使することによって、人とエージェントの双方がすべての業務にインサイトを見出し、意思決定をすることができるようになります。

データチームの役割

加えて、データチームに求められる役割が、これまでのアナリスト・伴走者という役割からアーキテクトへ変化していくという点が示されました。強力な知識の基盤を設計することで、ユーザーにより価値のあるものを提供できるようになっていきます。

4. 上野氏、高尾氏による株式会社サイバーエージェントのAIとTableauの活用事例

AIに対する取り組み

株式会社サイバーエージェントでは、AIを「業務効率化」だけでなく「付加価値創出」で会社全体の競争力を高めていく方針でAI推進をしていることが紹介されました。AI推進体制はAIオペレーション室、AIドリブン推進室、グループIT推進本部、法務・コンプライアンス部、CTO統括室の5組織が連携しており、「自由と自己責任」のカルチャーのもと、各事業部が主体的に進めていく中でのサポートを行っています。

AIオペレーション室のAI推進施策として、生成AI徹底活用コンテスト、全社員を対象とした生成AI徹底理解リスキリング、AIFes、AI番付が挙げられました。

また、AIの活用によりデータ活用の民主化が進み、従来はハードルが高かったデータ分析が会議中でも即座に可視化・提示できるようになったという実感が語られました。これにより、AIとTableauを駆使して、データの利活用が実践できる社員が増えていくとも考えています。

Tableau×AIの社内活用方法

MCP( AIとTableauを繋ぐコネクタツール)を活用し、社内ChatGPT画面から自然言語でTableauのダッシュボードデータを取得する事例が紹介されました。

さらに、Tableau Next もMCPを活用しSlackと連携することで、Slack canvasに常に最新データを共有しつつ、エージェント(ABEMAくん)に自然言語で質問できる事例も紹介されました。

5.杉村氏によるTableauナレッジに関する新機能

Tableauのナレッジ新機能

今後提供されるTableauのナレッジ新機能として、コンポーザブルデータソース、会話型分析、自動ナレッジグラフの3点が紹介されました。

①コンポーザブルデータソース: これまでできなかったパブリッシュ済みデータソース同士のリレーションシップが可能になります。この機能によって、分析のために事前にすべてのデータを1つの巨大なテーブルへ統合しなくても、各データを独立して保持したまま、分析時に必要な粒度で柔軟に組み合わせられるようになります。

②会話型分析: Tableau Agentを用いてダッシュボード上でエージェントに質問すると、質問に対する回答がグラフ付きで返ってくる例が示されました。

③自動ナレッジグラフ: これまでお客様が培ってきたダッシュボード・データソースからデータの関係性を自動的に構造化し、データソースの更新に合わせてナレッジグラフ内のデータも更新されることが紹介されました。また、今後はdbt(データ変換ツール)・Power BI・Looker等の他プラットフォームで構築されたセマンティックモデルも取り込み予定である旨が紹介されました。

各機能のスケジュールについては、下記のとおりです。

6. 吉田氏によるAgentic Marketingの活用事例

取り組み例

株式会社ギブリーの事例では、生成AI活用支援を1,000社以上に提供する企業として、自社でもTableauとData360を駆使したオペレーションを実践していることが紹介されました。 エージェントを活用している具体例として、次の2点が挙げられました。

①メルマガ運用の自動化: 企画から分析までをエージェントで回し、企画段階ではAIペルソナ(仮想顧客)とマーケターが対話しながら企画書を作成する取り組み⁠

②Adaptive Web(対話型のサイト接客): サイト訪問者の課題をエージェントがインタラクティブに確認し、適切な事例・サービスを提案してCTAへ誘導する取り組み⁠

また、Tableau Nextを活用して、マーケターが自然言語で必要なデータへ即座にアクセスできる環境を整えていることが紹介されました。加えて、受注まで見据えるためにセールス側データにもアクセスし、例として失注理由分析を行っている旨が述べられました。 今後の展望として、吉田氏はこの取り組みを「エージェンティックマーケティングトランスフォーメーション」と位置づけ、マーケターがエージェントとともに売上・価値を創出する仕組みを高度化・自動化させていく方向性を述べました。

7. 山下氏によるTableau自律アクション機能

Tableau自律アクション機能

Tableau Nextは非構造化データ(アナリストレポート等)を構造化データと組み合わせインサイトを生成し、そのインサイトを基にアクションを自動で行ってくれる事例を紹介いただきました。

また、SlackbotをMCPクライアント、Tableau NextをMCPサーバーとしてSlackと連携し、営業リーダー向けのSlackチャンネルから定義済みプロンプトを起動して、最新KPI・パイプライン情報・推奨ネクストステップを取得する例が紹介されました。

最後に:

今回の基調講演を通じて印象的だったのは、Tableauが目指す世界が分析を効率化することに留まらず、エージェントを意思決定とアクションへと拡張させていこうとしている点です。

会話型分析やSlack連携など業務の場で必要なデータにすぐアクセスでき、インサイトを得たその先の一手までつなげていく体験が具体例とともに示されました。 これにより、データの専門家だけでなく、現場の担当者でも必要な情報をタイムリーに把握し、意思決定とアクションを加速できる未来が現実味を帯びてきています。

弊社サンブリッジでは、Salesforce/Tableauの活用を前提に、データ基盤づくりから運用設計、現場への定着まで一貫して伴走支援しています。AI活用をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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