名刺のデジタル化にかかる社内工数をほぼゼロにし、 営業プロセスを最適化することで商談創出に貢献

株式会社ロゼッタ

自動翻訳の先駆者としてさまざまなニーズに応える各種翻訳サービスを展開するロゼッタでは、展示会で獲得する大量の名刺をSmartViscaで迅速にデジタル化し、見込客のフォローから商談につなげるプロセスを最適化した。それまで名刺の管理にかかっていた負担を解消し、デジタルトランスフォーメーションに成功した背景について、マーケティング本部の星野氏に伺った。

導入後の効果

  • 正確な名刺情報取込により顧客データの精度が向上
  • 名刺デジタル化にかかる社内工数がほぼゼロになった
  • 展示会後に見込客の興味が高いうちにフォローできるようになり商談につながりやすくなった

「我が国を言語的ハンディキャップの呪縛から解放する」というミッション

AI自動翻訳クラウドサービス T-400のほか、医療や建設、工場などの現場における言語の壁をなくすソリューションを開発・提供する株式会社ロゼッタ。T-400は医療や化学、金融など2,000分野の専門用語を蓄積しており、その精度は95%の実力を誇る。

「プロの翻訳者と同じレベルの成果物が得られるので、翻訳にかかる時間やコストを大幅に削減することができます。独自の社内表現や言い回しをAIが学習・解析して、使うほどに高精度な翻訳結果が得られるようになるので、おかげさまで4,500以上(2020年12月現在)の企業様にご利用いただいています」と株式会社ロゼッタ マーケティング本部 マネージャーの星野 雅一氏は語る。

日本語・英語をはじめとする100の言語に対応し、専門分野ごとに自動翻訳可能にするT-400

展示会で名刺を大量に獲得するも商談化に苦戦、その理由とは

従来、ロゼッタでは毎月およそ2,000~3,000枚の名刺を獲得していた。その名刺の情報をOCRで読み取り、データを自分たちの手で修正しながら自社開発の顧客管理システム(以下CRM)にCSVファイルを用いて登録していた。そんななか、T-400のマーケティング戦略の一環でイベントに出展する機会が大幅に増加し、ひと月あたりの名刺取り込み枚数が1.5~2倍になったことで、手入力の名刺管理に限界を感じるようになったという。

顧客数の増大に伴い、CRMをSalesforceに切り替えるとともに、名刺登録の外注サービスを利用して名刺のデジタル化に取り組んだ。しかし星野氏は当時をこう振り返る。「名刺を外注先へ郵送して、デジタル化されて活用できるようになるまでにおよそ1週間弱かかって、イベント開催の翌々週からやっとインサイドセールスからフォローコールを開始できる状態でした。でもその頃にはすでに時間が経ってしまっているので、イベントでご挨拶したことやご案内したことがお客様の記憶に残っておらず、商談化しづらい状況であることが大きな課題となっていたんです」

SmartVisca の導入によって展示会後のフォローアップ開始までの期間が約1週間短縮され、いち早くアプローチすることで商談化しやすくなった

展示会に限らず、獲得した名刺から商談を生み出せるかどうかは、名刺デジタル化のスピードとデータの精度にかかっていると言っても過言ではない。そこで、ロゼッタではこの課題を解決するための手段としてSalesforceに直接名刺を連携できる方法を探しSmartViscaにたどり着いたという。

SmartViscaでは名刺をスキャナーで取り込むだけでOCR とオペレーターによる補正を経て1 営業日中にSalesforceの名刺オブジェクト内に直接納品される。

これにより、名刺のデジタル化にかかる社内工数が大きく削減されたと星野氏は語る。
「SmartVisca を導入してからは、デジタル化にかかる社内工数はほぼゼロになりました。以前と比較すると、フォローを開始するまでで約1週間短縮されたことになります。その結果、展示会で獲得したお客様の関心が高いうちにフォローできるようになり、商談につながりやすくなりました」

また、星野氏はSmartVisca のデータ精度についてこう評価する。「正確な顧客データがSalesforce やPardot に連携されるのでメールの不達による機会損失を防げる点と、納品される名刺データがとてもきれいな点が助かっています。たとえば、同じ取引先のお客様でも「株式会社」と社名の間にスペースがあったりなかったりということもよくあるのですが、そうした表記ゆれを補正して納品してくれるのでデータにバラつきがないんです。以前自社で手入力していた頃は入力ミスなどもあったので、顧客データから得られるインサイトの精度が低くデータドリブンな活動につなげにくいことが課題でしたが、今後は分析や活用ができる環境が整いました」

かねてより実践していたThe Model のプロセスを最適化

ロゼッタでは、セールスフォース・ジャパン(旧:セールスフォース・ドットコム)社が実践する「The Model」の体制を導入し、データを活用して再現性の高い営業プロセスの構築に取り組んできた。部門を超えて顧客情報をスムースに連携することが重要となるこのプロセスにおいて、顧客データの入り口となる名刺取り込みのステップでつまづいてしまうとその後のプロセス全体にまで影響を及ぼすことになりかねない。

SmartViscaの導入によって顧客データをスピーディかつ正確にSalesforceに取り込むことができるようになったことで、売上創出と継続率向上のためのフローが最適化された。

Salesforceで全プロセスを把握することで次なる一手を見出し、さらなる発展へ

顧客管理におけるデジタルトランスフォーメーションを成し遂げた同社は、AI 自動翻訳サービスのトップ企業として着実に飛躍しつつある。そこで重要となるのが、企業の成長スピードを支える顧客管理とデータ活用の基盤だ。各プロセスにおける状況や課題を数字で正確にとらえることで、勘や推測ではなくデータに基づく安定した営業戦略を実践することができるのだ。

見込客のデータに重複や欠損、入力ミスがあるとそれらの分析や戦略策定の精度に影響を及ぼすため、正確な顧客情報を維持することはどの企業においても求められる要素となっている。

マーケティング本部 マネージャー 星野 雅一 氏

企業情報

株式会社ロゼッタ

所在地:東京都新宿区西新宿6丁目8番1号 オークタワー23F
設立:1970年9月1日
代表取締役CEO:五石 順一
従業員数:社員数261名(グループ/2020年2月29日現在)

https://www.rozetta.jp/

※本文中の企業データ・所属・役職は取材時点の情報に基づき記載しています。