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名刺の属人化とは?社内で共有されない原因と、人脈を資産に変える4ステップ

机の引き出しには輪ゴムで束ねた名刺があり、隣の席の社員は個人のスマートフォンで名刺を撮影している。取引したい企業の部長と面識のある社員が社内にいるらしいけれど、それが誰なのかは分からない——。名刺が個人の手元に分かれたままの会社では、こうした状況が起こります。

この記事では、名刺が社内で共有されない5つの原因と、放置したときに起きること、そして共有を仕組みにする4つのステップを解説します。

本記事は、Salesforce連携型の名刺管理サービス「SmartVisca(スマートビスカ)」を提供する立場から、名刺が全社で共有されない理由と、最初の一歩の進め方を整理したものです。

SmartViscaサービス概要資料

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SmartViscaの特徴やご利用イメージ、機能一覧、ご利用価格などをまとめた資料です。名刺管理のご検討時にお役立てください。

目次

名刺の属人化とは、人脈が個人の手元で止まっている状態

名刺の属人化とは、社員が交換した名刺が個人の手元にとどまり、会社として誰とつながっているのかを把握できない状態です。データ化しているかどうかは関係なく、会社が管理する場所に集まっていなければ属人化してしまいます。

名刺管理の目的や方法の全体像は、別記事「名刺管理とは?完全ガイド」で解説しています。本記事は属人化に絞って扱います。

属人化している名刺と、会社の資産になっている名刺の違い

属人化している名刺は、交換した本人だけが持っていて、本人に聞かなければ存在すら分かりません。紙の名刺ホルダーも、個人のスマートフォンで撮影した画像も、自分だけが使っているExcelファイルも同じです。データにしていても、本人のアカウントの中にしかなければ会社からは見えません。

一方、会社の資産になっている名刺は、交換した時点で全社が使えるデータベースに入り、社名や氏名で検索すれば誰でも見つけられます。誰が・いつ交換したのかという履歴も残るので、その企業に社内の誰が訪問したことがあるのかもすぐに分かります。

名刺の属人化は「営業の属人化」の入口になる

営業の属人化というと、商談の進め方や提案のノウハウが一部の社員に偏っている状態を指すことが多いと思います。ただ、その手前にもう一段階あります。誰がどの企業の誰と会ったのかという接点そのものが、記録に残っていない段階です。

商談履歴や提案書は、案件になってはじめて記録されます。名刺交換はその前に起きているため、展示会で受け取った名刺も、紹介で会った担当者も、営業支援システムには残りません。接点が個人の手元にしかないままだと、ノウハウを共有する仕組みを整えても、そこに載せる情報が足りなくなります。

名刺の属人化と資産化の対比図。属人化している状態では紙の名刺ホルダー・個人スマホの名刺アプリ・個人フォルダのExcelに名刺が分かれ会社の管理下に集まらないが、会社の資産になっている状態では全社で使う顧客データベースに集まり社名や氏名で検索すれば誰でも見つけられる
図1:名刺の属人化と資産化の違い。名刺の置き場所が変わると、引き継ぎ・部門間の接点把握・退職時の扱いが変わります

名刺が社内で共有されない5つの原因

名刺が共有されないのは、担当者の意識が低いからではありません。多くの場合、置き場所・手間・動機・不安・線引きの5つが重なって、共有しないほうが自然な状態になっています。

原因1 集める場所が決まっておらず、名刺が分散している

そもそも「名刺はここに入れる」という場所が決まっていない企業は少なくありません。紙のまま名刺ホルダーに保管する人、個人のスマートフォンにアプリを入れて撮影する人、自分用のExcelに手入力する人が同時に存在します。

このうち個人向けの名刺アプリは会社が契約したものではないため、管理部門から利用実態が見えず、退職時に引き上げるのも難しくなります(別記事「個人向け名刺アプリの業務利用は危険?シャドーITのリスク」)。Excelも、個人のフォルダに置かれている限りは同じです。共有フォルダに移しても更新するのは作成した本人だけになりやすく、他の社員は最新かどうかを判断しづらくなります(別記事「名刺管理はエクセルで十分?」)。

原因2 登録が手作業で、後回しになりやすい

名刺の情報を一件ずつ手で打ち込む方式だと、展示会や商談が続いた週ほど登録が滞ります。後回しになった名刺は、そのまま登録されずに終わることが多くなります。時間が経つほど「この人はどんな話をした相手だったか」を思い出す手間も増え、着手のハードルが上がります。共有されない名刺の多くは、共有を拒まれたのではなく、登録されないまま忘れられたものです。

原因3 共有しても担当者側に返ってくるものがない

登録した名刺が他の部署の役に立ったとしても、登録した本人にその実感はありません。一方で、登録する手間は確実に本人が負担します。手間は自分、成果は会社という形になっていると、優先順位が下がるのは自然なことです。逆に、他の社員が交換した名刺を自分も検索できるという実感があると、登録は続きやすくなります。

原因4 顧客との関係に他部門が入ってくることへの不安がある

自分が時間をかけて築いた関係に、経緯を知らない他部門の担当者が急に連絡を入れてしまうかもしれない。この不安は、営業担当者として正当なものです。共有した直後に別部門から案内メールが届き、顧客から「御社の窓口はどちらですか」と言われた経験があれば、次から共有をためらうようになります。ここに効くのは、共有を義務として押しつけることではなく、共有された名刺に誰がどう接触してよいかをあらかじめ決めておくことです。

原因5 どこまで共有してよいか判断がつかない

名刺には氏名・所属・連絡先といった個人情報が書かれています。「これを全社で見られる状態にしてよいのだろうか」と迷い、判断を保留したまま手元に置いているケースもあります。

自社の社員間で名刺の情報を共有することは、個人情報保護法でいう第三者提供にはあたらないと考えられています。一方で、まとめてデータベースにした時点で「個人データ」として扱われ、会社には安全管理措置が求められます。つまり、共有してよいかどうかではなく、どう管理された状態で共有するかを決める話になります。法令上の整理は別記事「名刺は個人情報にあたる?管理義務と実務対応」で解説しています。

原因現場で起きていること最初に取る打ち手
1 名刺が分散している紙・個人アプリ・Excelが並存し、全体像が見えない全社で1か所に集める置き場所を決める
2 登録が手作業忙しい時期の名刺が登録されないまま残る撮影するだけで登録が済む形にする
3 返ってくるものがない手間だけを本人が負担している全社の名刺を誰でも検索できる状態を用意する
4 他部門の接触への不安共有をためらい、自分の担当先だけ登録しない共有された相手への接触の進め方を決める
5 線引きが分からない判断を保留して手元に置いたままにする閲覧・編集の権限を設定し、扱い方を明文化する
資料:顧客データをビジネスに活かす名刺管理アプリの選び方

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名刺の属人化を放置すると起きること

属人化のコストは、請求書として届くわけではありません。失注した案件や、そもそも気づけなかった機会という形で、見えないまま積み上がっていきます。

退職・異動のたびに人脈が会社の外へ出ていく

社員が退職するとき、交換した名刺が個人の手元にしかなければ、会社に残るのは引き継ぎ資料に書かれた分だけです。案件になる前の接点は失われます。紙の名刺や個人のExcelは持ち出せるため、転職先で人脈が使われる可能性も残ります。退職時の扱いは、別記事「退職者が獲得した名刺はどう扱うべき?持ち出しのリスク」で解説しています。

同じ企業に複数の部門から別々にアプローチしてしまう

一人の相手に複数の社員が名刺交換をすること自体は、ごく自然なことです。困るのは、他部門がすでに商談を進めていると知らないまま、別の部門が同じ相手に新規のアプローチをかける場面です。顧客から見れば似た提案が別々に届くことになり、社内の連携を疑われかねません。

すでに社内の誰かがつながっているキーマンに気づけない

決裁者に会えないまま止まっている案件で、実は別部門の社員がその決裁者と面識がある、ということは珍しくありません。紹介してもらえれば前に進む話が、誰も気づかないまま止まります。これは失注としても記録されず、「今回は縁がなかった」で終わります。

過去に交換した名刺がマーケティングに使えないまま眠る

展示会やセミナーで受け取った名刺は、時間をおいて案内を届ければ再び接点を持てる可能性があります。ところが個人の手元に分かれていると、メール配信の対象にすることも、業種や役職で絞り込んで送ることも難しくなります。広告費をかけて新しいリードを集める一方で、すでに社内にある接点が使われずに残ります。

名刺の属人化を解消する4ステップ

属人化の解消は、ルールを決めるところから始めると止まりがちです。先に、いま名刺がどこにどんな形であるのかを把握するところから始めると進めやすくなります。

名刺の属人化を解消する4ステップの循環フロー図。現状を洗い出す、置き場所を決める、登録を仕組みにする、使われる場面をつくるの4段階で、ステップ4からステップ1へ戻り使われるから登録が続く循環になることを示している
図2:名刺の属人化を解消する4ステップ。ステップ4で使われる場面をつくることが、登録を続ける動機になります

ステップ1 いま名刺がどこに、どんな形であるかを洗い出す

まず、社内の名刺がどこにあるのかを一覧にします。次の表はそのまま棚卸しシートとして使えます。枚数は1枚ずつ数える必要はなく、「引き出し一段でおおよそ何枚か」という粗さで十分です。

保管場所主な持ち主おおよその枚数会社から見えるか
机の引き出し・名刺ホルダー営業部の各担当者(記入)見えない
個人のスマートフォンの名刺アプリ各自が個人で契約(記入)見えない
個人フォルダのExcelファイル作成した本人(記入)見えない
部門の共有フォルダ部門の管理者(記入)部門内のみ
展示会で受け取った未整理の束イベント担当(記入)見えない
名刺管理システム全社(記入)見える

書き出してみると、多くの場合「会社から見えるか」の列に「見えない」が並びます。この一覧を関係者で見ること自体が、次のステップへの合意形成につながります。

ステップ2 全社で1か所に集める置き場所を決める

次に、「今後の名刺はここに入れる」という置き場所を1つに決めます。部門ごとに別のツールを使っていると、全社で誰とつながっているかを見渡すのが難しくなります。選ぶときは、全社員がアカウントを持てるか、顧客データの管理とつながるか、部署や役職ごとに権限を設定できるかを確認しておくと、あとから作り直さずに済みます。

過去に受け取った名刺は、一度に全部を片付けようとしなくて構いません。まず今後交換する名刺を新しい置き場所に集め、過去分は「直近1年分から」のように期間を区切って追加していくと、現場の負担を抑えられます。

ステップ3 登録を個人の努力に任せない形にする

原因2への打ち手は、手入力そのものをやめることです。撮影した名刺をAI-OCRで読み取り、オペレーターが名刺画像と照合して補正する仕組みを使えば、担当者が文字を打ち込む作業はなくなります。Web会議で受け取ったオンライン名刺やメール署名からの取り込みにも対応しておくと、対面以外の接点も同じ場所に集まります。

登録がその場で終わる状態になってはじめて、「名刺交換したら当日中に登録する」という運用が現実的になります。 なお、誰が・いつまでに登録し、誰が見られるようにするかというルールは、置き場所と登録の形が決まってから決める工程です。決め方は別記事「名刺管理の運用ルールと社内定着のコツ」で解説しています。

ステップ4 共有した名刺が使われる場面をつくる

最後に、集まった名刺が実際に使われる場面を用意します。ここが抜けていると、原因3で挙げた「登録しても本人に返ってくるものがない」状態が残り、登録も続かなくなります。

  1. 訪問前に社名で検索し、社内にすでに接点があるかを確認する
  2. 提案先の決裁者に面識のある社員を探し、紹介を依頼する
  3. セミナーや展示会の案内を、過去に交換した名刺へまとめて配信する
  4. 週次のミーティングで、新しく増えた接点を共有する

こうした場面ができると、登録する側にも役立つ実感が生まれます。使われるから登録される、登録されるからさらに使えるという循環に入れば、属人化の解消は定着します。

共有を「作業」ではなく登録の結果にする

共有のために別の作業が発生する限り、属人化は戻ってきます。登録したうえで共有用のリストに転記する、共有フォルダにアップロードするといった手順が挟まると、忙しい時期から順に抜け落ちるためです。名刺を登録した時点で全社の顧客データになる形にしておくと、共有は結果として起きます。

「SmartVisca(スマートビスカ)」は、「Salesforce」の基盤上に構築された名刺管理・顧客データ管理サービスです。撮影した名刺はAI-OCRで読み取り、オペレーターが名刺画像と照合して補正したうえで、そのまま「Salesforce」上の顧客データになります。共有のための転記が発生しないので、原因2の登録の手間と、原因3の「手間だけが本人に残る」状態が軽くなります。

対面で交換した名刺も、Web会議で使うオンライン名刺交換のデータも同じデータベースに集まるため、原因1の分散が起こりにくくなります。権限は部署別の閲覧、役職別の編集・削除といった設定を「Salesforce」の仕組みでそのまま利用できるので、全員に開くか閉じたままにするかの二者択一ではなくなり、原因4の不安と原因5の線引きに答えを出せます。

そして、誰が・いつ・誰と名刺交換したのかを一覧できるので、訪問前に社内の接点を確認したり、決裁者に面識のある社員を探したりできます。登録した本人にも返ってくるものが生まれます。「Salesforce」未導入の企業でも、ライセンスを含むパッケージとして最小5名から始められます。

名刺登録から全社共有までの流れ図。撮影した名刺とオンライン名刺交換が同じデータベースに集まり、権限設定を経て社内の接点検索・つながりの可視化・メール配信に活用できる。共有のための追加作業は挟まらない
図3:名刺登録から全社共有までの流れ。転記やアップロードといった追加作業が挟まらないため、共有は登録の結果として起こります

導入の進め方や設定例をまとめた資料もご用意していますので、ぜひ「SmartVisca」の活用をご検討ください。

SmartVisca資料3点セット

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SmartViscaの特徴・機能詳細・事例集の資料をまとめてダウンロードいただけます。

  • 製品紹介資料
  • 機能紹介資料
  • 導入事例集

よくある質問

名刺の属人化とは何ですか?

社員が交換した名刺が個人の手元にとどまり、会社として誰とつながっているのかを把握できない状態です。紙のまま保管している場合だけでなく、個人のアプリで撮影して本人のアカウントにだけ保存している場合も属人化にあたります。

名刺を共有すると、担当している顧客に他部門から勝手に連絡が行きませんか?

共有と接触は分けて考えます。他部門が接触してよいのはどういう場合か、事前に担当者へ確認するのかを決めておけば、いきなり連絡が入る状況は避けられます。部署ごとの閲覧・編集権限をあわせて設定しておくと、扱い方を細かく調整できます。

名刺を社内で共有することは、個人情報保護法上の問題になりませんか?

自社の社員間で共有することは第三者提供にはあたらないと考えられています。ただし、まとめてデータベースにした時点で「個人データ」として扱われ、会社には安全管理措置が求められます。詳しくは別記事「名刺は個人情報にあたる?管理義務と実務対応」をご確認ください。

過去の名刺もすべてデータ化しないと意味がないですか?

一度にすべてを取り込む必要はありません。まず今後交換する名刺を1か所に集めるところから始め、過去分は期間を区切って追加していく進め方でも効果があります。

名刺管理システムを導入すれば属人化は解消しますか?

システムは土台になりますが、それだけでは足りません。登録が手作業のままだったり、集めた名刺が使われる場面がなかったりすると、登録されない名刺が残り続けます。置き場所を1つに決めること、登録の手間をなくすこと、使われる場面をつくることをあわせて進めてください。

まとめ

名刺の属人化は、担当者の意識ではなく、置き場所と手間と動機の設計によって決まります。

  • 属人化とは、会社が管理する場所に名刺が集まっていない状態:紙かデータかは関係なく、個人のアカウントの中にしかないデータも属人化にあたります
  • 共有されない原因は5つ重なっている:置き場所が決まっていない、登録が手作業、返ってくるものがない、他部門の接触への不安、線引きが分からない、の5つです
  • 放置すると、気づけなかった機会として積み上がる:退職による人脈の流出、部門をまたいだアプローチの重複、社内にいるキーマンの見落としが起こります
  • ルールより先に、名刺の棚卸しから始める:どこに何枚あるかを一覧にすると、手をつける場所が決まり、社内の合意も得やすくなります
  • 登録の手間をなくし、使われる場面をつくる:撮影するだけで登録が済む形にし、検索や紹介依頼、メール配信といった使い道を用意すると、登録が続きます
  • 共有のための追加作業をなくす:名刺を登録した時点で全社の顧客データになる仕組みを選べば、共有は登録の結果として起こります

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この記事を書いた人

Haruhiko Ishikawaのアバター Haruhiko Ishikawa プロモーショングループ統括マネージャー

株式会社サンブリッジにおいて、Salesforce・マーケティングオートメーション・AWSなどのITソリューションの魅力を伝えるプロモーショングループの統括マネージャー。
全社のマーケティング領域をマネジメントし、顧客管理やマーケティングの検証と実践で積んだノウハウをブログで公開しています。

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