人の購買行動には、心理的作用が大きく影響します。特にマーケティングの業界ではメール施策やWebページの制作、フライヤーなどの印刷物の制作でいかにお客様の心をつかむか、商材の「ウリ」を伝えるかが反響に直結するため、消費者心理を抑えたコンテンツ作りがとても大切です。
今回はマーケティング活動に今すぐ活用できる心理効果を7つご紹介します。マーケティングオートメーション(MA)で活用する場合の例も併せて記載していますので、次回のマーケティング活動の一助となれば幸いです。
【1】キャッチコピーは簡潔に。マジカルナンバー7
心理学者のジョージ・ミラーによると、人間の短期記憶容量が平均7個であることを発見し、数字や固有名詞などで人が一度に記憶できる量に関係すると提唱されています。個人差により2個ほど前後するようですが、一般的な人の脳では一度にたくさんのことを記憶することは難しく、キャッチコピーで多くのことを伝えようとしても認知されにくくなってしまいます。キャッチコピーに含む重要なキーワードはできるだけ絞って作成することをおすすめします。
MAでマジカルナンバー7を使用する場合は、メールの件名を簡潔にしたり、ランディングページで訴求ポイントを絞るなどの活用ができます。
【2】権威や有名人による影響で輝いて見える。ハロー効果
ハロー効果は後光効果とも呼ばれ、人物や物事の印象が外部要素によって影響を受けることを指します。
マーケティングではその道の権威やプロフェッショナルの証言による根拠づけや、芸能人やタレントなどのおすすめによって、商材に説得力を持たせることに使われます。
製品の技術的水準を評価する「モンドセレクション受賞」や、「ミシュランの三ツ星取得レストラン」「G7サミットで使用された会議室」などもハロー効果によって良い印象を与えている記載の例と言えます。
ハロー効果をMAで活用するには、ランディングページへの記載はもちろん、メールの件名に受賞歴を入れたり「マーケティングの権威〇〇氏がセミナーに登壇」などのように開封率やクリック率を高める記載に有効です。
【3】選択肢は3~4つがおすすめ。決定回避の法則
人は選択肢が多いほど良いように感じられますが、実際に多くの選択肢を目の前にすると選べなくなってしまうという心理が働きます。同じことがマーケティングでも起きることがあります。
たとえば、ホームページやランディングページ、営業資料などでプランがたくさんあると、どれを選べば良いのか判らずにページの離脱につながりやすくなってしまうのです。つい多くの情報を盛り込みたくなりますが、選択肢は選びやすい3~4個程度に抑えるようにすると良いでしょう。
決定回避の法則をMAで使うには、ランディングページでプランの種類をたくさん置きすぎないようにするといった点で活用が可能です。
【4】みんなと同じだから安心できる。バンドワゴン効果
バンドワゴン効果は同調化とも呼ばれ、他の大勢が特定の商品を選んでいるとその商材が魅力的に見えるというもので、マーケティングで最も多く使われる心理効果のひとつです。「◯%のマーケティング担当者が選んだ」「ランキング1位」「売れ筋商品」など、商材が多くの方に選ばれていると訴求することで、「みんなが選んでいるから安心」「自分もそれを選ばないと損をするような感覚になる」といった心理を応用して、バナーやレビューなどで活用されます。
マーケティングオートメーション(MA)でバンドワゴン効果を使用する場合は、育成メールやランディングページでの活用が可能です。
【5】手に入らないからこそ手に入れたい。スノッブ効果
スノッブ効果はバンドワゴン効果と反対に「希少性」を利用した心理効果で、誰も持っていない物に対して価値を感じるというものです。「限定◯個」や「地域限定出荷」などの記載があるとつい見てしまう、買ってしまうといった方は、スノッブ効果の影響を受けやすいタイプと言えます。
MAでスノッブ効果を活用する場合は、バンドワゴン効果と同じく育成メールやランディングページが該当します。
【6】視点が変われば価値まで変わる。フレーミング効果
フレーミング効果も広告や商品のパッケージでよく使われる手法です。例えば、「志望校合格率70%」と広告を出している予備校Aと、「3人に2人が志望校に合格!」と広告を出している予備校Bでは、どちらも合格率に差はないのに予備校Bの方が良さそうに感じませんか?
このように、「どう見せるか」によってお客様の心的構成(フレーム)が異なり、結果が異なることをフレーミング効果と言います。このような心理効果を利用して、同じものでもお得感や有利感を感じさせることで、より高い広告効果を得ることができます。
フレーミング効果と似たもので「シャルパンティエ効果」があり、以下のようにイメージがしにくい指標もシャルパンティエ効果では具体的にイメージできるように見せることができます。
<広さ>
・1.5平方キロメートルの敷地
・東京ドーム32個分の敷地
【7】群衆の中から見つけてもらう。カクテルパーティー効果
みなさんはパーティー会場や宴会場のように多くの人がいて会話が飛び交う騒々しい場であっても、自分の名前を呼ばれるとなぜか聞き取れたり、大勢の人のなかから友人を見つけることができたといった経験はありませんか?これは「カクテルパーティー効果」といって、心理学者のコリン・チェリーによって提唱された「選択的注意」のひとつです。
カクテルパーティー効果をマーケティングに応用する場合、メールの件名に「〇〇様へ」と宛名を入れたり、「マーケティング部門の方限定セミナー」などセグメントを利用したキーワードを入れると良いでしょう。これによって、山のようなメールの中から見つけてもらいやすくする効果のほか、自分宛と認知してもらうことで開封率やクリック率を高めたりすることができます。
MAツールの一つであるPardotの「ダイナミックコンテンツ」というコンテンツのパーソナライズ機能によって、お客様が求める情報に合わせて自動でコンテンツを表示することでお問い合わせやお申し込みにつながる確率が大きく上昇します。
以上、マーケティングで使える7つの心理効果でした。
このほかにも多くの心理効果があるのですが、今回は実際のマーケティングの施策で使いやすいものをピックアップしてご紹介しています。上記でご紹介したもののうち、「山田様へ特別ご招待:平成最後の花火観覧つき限定イベント」など複数の心理効果を組み合わせて使われることも多くあります。
MAを使ったメールならABテストも簡単にできますので、いろいろなパターンを試して貴社のお客様の反応の良いものを選択することが成功するマーケティングの第一歩となるので、ぜひチャレンジしてみてください。
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