新規見込客の獲得が難しくなってしまっている今、売上をつくる方法のひとつとして過去に獲得した名刺や既存取引先へのクロスセル・アップセルや、顧客の解約防止に向けたフォロー施策に取り組む企業も増えています。
これら過去の繋がりにしっかりとアプローチしていくためには、せっかく交換した名刺を机の引き出しの中に眠らせていては非常にもったいないです。
今回は新規見込客の獲得が難しくなっているなかでも継続して売り上げをつくる名刺を活用した仕組みについて解説させていただきます。
日常的に名刺をデジタル化し、顧客管理することが大切
新規見込客や既存取引先へのアプローチを行ううえで、ターゲットリストの作成や営業活動の進捗管理などさまざまなタスクが発生しますが、施策の効果をより高めるためにはどのような方法をとるべきでしょうか?
手入力で顧客情報を登録する属人的な管理をしている場合と、日常的に名刺管理ツールを使用して名刺を取り込んでいる場合とでどのような差が生じるのかを考えてみましょう。
名刺情報を一つひとつ手入力で登録するような属人的な方法をとる場合、主に以下のようなデメリットが生じ、スピード感をもって施策に取り組むことが難しくなります。
- 入力に時間がかかり施策の開始時期が遅れる
- 入力ミスや入力漏れの発生によってメールが届かない
- 顧客の契約状況が更新されておらず最適なフォローができない
また、手入力で名刺情報を登録すると名刺1枚あたり約2分30秒~3分(サンブリッジ調べ)かかるため、名刺100枚でおよそ4~5時間も要することになり、枚数が多いほど施策の開始に遅れをとることになってしまうのです。
多くのタスクをかかえるマーケティング部門では、このような作業を省略・または効率化することで、より重要度の高い業務に臨むことが可能になります。
それでは、効率化された場合はこれらの業務はどのように変わるのでしょうか。
ここではクラウド顧客管理ツールのSalesforceに名刺情報を取り込んで管理する場合の運用にフォーカスして見てみましょう。
名刺をスキャナ―やスマートフォンで取り込むだけで、名刺に記載されている正確な情報が顧客データベースに蓄積することができるため、手入力にかかる人件費や時間を削減することができます。SmartVisca(スマートビスカ)の場合、100枚程度の名刺であれば数分もかからずに読み取りが完了し、1~2営業日以内にはSalesforceの名刺オブジェクトに読み取った名刺情報が正確に納品されます。
これによって、手入力でかかっていた4~5時間分を他の作業や戦略を練る時間に充てることができるようになります。
日々こまめに名刺をSalesforceに取り込む運用をしていれば、急にリストが必要となった際にもSalesforceで特定の条件に該当する顧客だけを抽出し、即座にアプローチを開始することができます。
日常的にこうした運用をすることで、昨今のようなテレワークや在宅勤務を迫られた場合にも柔軟に対応することができ、業績への影響を最小限に抑えることも実現可能になるのです。
見込客に適切なアプローチを行うために名刺は正確にデジタル化
日々の営業やビジネスイベントなどで獲得した名刺を手入力でExcelやスプレッドシート、顧客管理システムなどに登録している場合、見込客のメールアドレスを1文字間違えただけでもメールは届かず、機会損失につながります。
また、近年大きな伸びを見せている名刺デジタル化の一部ツールにおいても、メールアドレスのアルファベットのlと数字の1や、アルファベットのoと数字の0など、OCR(光学文字認識)だけでは正確に認識できず誤ったデータで納品されることがあり、もちろんこの場合もメールを届けることはできません。そればかりか、顧客データに誤りがあることで名寄せができず、データの重複につながることも多くあるようです。
顧客情報を正確に保持することはアプローチリストの質を向上させ、マーケティング施策の効果に直結する要素となるため、マーケティング担当者の重要なタスクのひとつでもあるのです。
購買機会を逃さないために顧客との接点(タッチポイント)を増やそう
「人は繰り返し接触したヒトやモノに対して、好感を持つようになる」という現象を心理学用語で単純接触効果といいます。競合製品を含めてさまざまな情報が錯綜するいまだからこそ、企業への信頼度・好感度を向上させるために顧客との接点(タッチポイント)を増やすことがとても重要になってきます。
顧客が何を求めているかをつかみ、適切な情報を迅速に提供することによって信頼度・好感度を向上させ、そうした活動を通してニーズに合わせた商材やサービスの紹介やキャンペーンを含めることで、購買機会を逃さないようにすることができるようになります。
BtoBビジネスの場合、特に商材やサービスの検討期間が長期にわたることも多いため、こうしたフォローをしている企業が顧客に選ばれると言っても過言ではありません。
以下の事例では、展示会で獲得した名刺をマーケティングオートメーション(MA)で育成しながら、顧客接点(タッチポイント)となるチャネル:Web商談やチャットボットによる気軽に問い合わせができるしくみを新たに設け、顧客の関心度を可視化して適切なフォローができるようにしました。また、これまでフォローできていなかった商談の失注顧客に対しても育成メールを配信して再度アプローチできるしくみを構築しました。これらの対策を行った結果、商談の成約率は3倍にまで高まったといいます。
<オービットブイユージャパン株式会社による顧客接点改善の事例>
このような仕組みを構築することによって見込客や既存顧客に対して効率的なアプローチと信頼度・好感度を向上させ、新しい案件の発掘や長期的にご利用いただける顧客を育成することが可能になります。
上記のほか、サンブリッジではさまざまなお客様の事例や業務に役立つ資料をWebサイトに掲載しています。マーケティング活動効率化の一助としてご参照いただけますと幸いです。
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