社内で統一しておきたい営業・マーケティング用語8選

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マーケティング担当

社内で統一しておきたい
営業・マーケティング用語8選

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blog171030日頃の業務で当たり前のように使う言葉でありながら、実は部門や各個人によって言葉の解釈が異なっていた、そんな経験はないでしょうか。このような”曖昧共通語”は、解釈が違っていること自体を意識していないため、使い慣れない言葉よりも扱いに注意が必要です。会議の中でなんとなく会話がかみ合わない、依頼した作業と異なるアウトプットが出てきたなど、用語の解釈が違うとそれだけで業務が非効率になってしまいます。

そこで今回は、特にマーケティングや営業でしっかりと定義しておくべき頻出用語について紹介します。

リード(Lead)

「リード」は、主にBtoBで使われる言葉ですが、「マーケティングオートメーション(MA)」などのツールや「リードナーチャリング」、「リードジェネレーション」という用語の広まりと共に、BtoCでも馴染みのある言葉になってきたのではないでしょうか。

リードとは「見込客」と同義であり、商材を購入する「見込がある顧客」という意味ですが、いずれにしてもやや曖昧です。

社名やメールアドレスなど最低限の連絡先が取得できている顧客を指すのか、取引が開始されていない顧客を指すのかなど、社内での定義を決めておく必要があります。

また、Salesforce(営業支援システム)を導入している場合は、「リード」と「取引先責任者」という顧客の種別がありますので、顧客全般を指して「リード」というのか、Salesforce上での「リード」を指すのか、さらに区別が必要です。特にSalesforceとMAをどちらも利用している場合、マルケトのようなMAでは登録された顧客に対し総じて「リード」という言葉を使うため、混乱を避けるためにも「リード」という言葉を使うときには注意が必要です(注1)

パイプライン(Pipeline)

Salesforceの用語解説(注2)によると、パイプラインとは「見込み顧客から、購入客までのプロセスにある見込み顧客、あるいは金額、案件数などを指します」と定義されています。「リード」が必ず人を意味するのに対し、「パイプライン」というときには人だけではなく、取引先企業や商談のことを指している場合もありますので、より注意が必要です。特に数字に関する議論においては、定義を明確にしておきましょう。

ホットリード(Hot Lead)

「ホットリード」とは、MAやリードナーチャリング、購買ファネルなどを語る際に特に使われる言葉です。“ホットになったリード”、つまり購買確度が高まっている顧客のことを意味しますが、高まっていると判断する基準は企業によりさまざまです。問合せや資料請求をする、スコアが閾値を超えるなど、どのような行動や状態であればホットとみなすのか、関係者で認識を合わせる必要があります。企業によってはリードを購買確度の高さでコールドリード(Cold Lead)やウォームリード(Warm Lead)などに段階を分けて管理することもありますので、自社の運用に応じて整理をした方が良いでしょう。

新規と既存

新規リード、新規取引先、既存客など、「新規」や「既存」はマーケティングや営業の日常業務において、最も頻繁に使われる言葉に入るでしょう。しかしながら、意外と定義が整理されないまま使われているケースも少なくありません。一言に「新規」といっても、顧客情報がまったくない新規、顧客情報はあっても取引が一度もない新規、商材Aは既存客だが商材Bにとっては新規など、さまざまなパターンがあります。予測やレポーティングの際には特に明確にしておきたい用語です。

エンタープライズ(大企業)/SMB(中小企業)

BtoBにおいて、顧客のターゲット分類に企業規模を条件としている場合は多いでしょう。「エンタープライズ案件」「小規模案件」など、呼び方は企業により異なりますが、いずれにしても、「大企業」や「中小企業」の定義を社内で統一しておく必要があります。中小企業基本法では、社員300人以下の企業を「中小企業」と定義(注3)していますが、自社で扱う商材により「中小」の数の定義は異なるでしょう。また、従業員規模ではなく、売上高や資本金、上場・非上場などを条件とする場合もあるかもしれません。いずれにしても自社にとっての「エンタープライズ」や「SMB(注4)」の認識合わせが不可欠です。

ここまでは、顧客や企業などターゲットに関する定義でしたが、次に施策や検証に関わる用語をいくつかとりあげます。

商談

「商談」とは、「お得意先・見込客などに対して、商品・サービスの取引を納得してもらうための交渉、相談の場」という意味です(注5)。この定義だけ聞くとあまり曖昧な印象はありませんが、注意したいのは“商談化”した件数をカウントする場合です。この“商談化”は“案件化”と言われることもありますが、どの状態を一つの商談とみなすのかは、商談件数の予測や検証にも影響するため大事な定義です。

近年では、営業やマーケティングが同じ目標を持つ動きになっており、商談数をマーケティング部門のKPIとする企業もあります。その場合には特に、営業とマーケティングの間で商談の定義をすり合わせておく必要があります。営業やマーケティングの評価にもつながる重要なKPIの一つになるため、基準が曖昧なまま運用した場合に実態と乖離した水増しされた数字になってしまう可能性もあります。アポイントがとれた段階、見積もり提示まで進んだ段階など、商談化とみなす定義は企業によって異なるので、商談を作成する担当者間で認識の統一が必要です。

また、SalesforceなどのSFAを利用している場合、商談の作成やリードを取引先責任者へ昇格させるタイミングについても、合わせて決めておくべきでしょう。

コンバージョン(CV: Conversion)

コンバージョン(CV)とは、WEBサイトを運営している人にとっては馴染みのある言葉だと思いますが、特定の目標を達成した数を表します。対象とする目標は、資料請求や会員登録、商品の購入や動画の視聴など、運営しているサイトや施策の内容によって異なります。従来、WEBにおけるフォームの入力のことをコンバージョンと呼んでいましたが、実際にはWEBに限らずオフラインの施策において用いられることもあります。そのためWEB業務をメインとした担当者と会話をするときには誤解が生じやすい用語です。営業とマーケティング、サイト運営者など、当事者によってコンバージョンが何を意味するのか、明確にした上で議論を進めたいものです。

キャンペーン

一般的に「キャンペーン」というと、”会員登録キャンペーン”といったような特定の宣伝・プロモーション活動や施策が連想されると思います。特に、BtoCの企業においては頻繁に使われる言葉でしょう。

一方で、SalesforceやPardotなどのSFAやMAでは、それぞれの施策やプログラムを管理する単位として「キャンペーン」という言葉が使われています。よって、「キャンペーン」という場合、リアルのキャンペーンを指しているのか、システム上のキャンペーンを指しているのか使い分けが必要です。

また、マルケトでは、SalesforceやPardotでいうところの「キャンペーン」のことを「プログラム」と呼んでいるため、キャンペーンとプログラムの違いも認識が必要です。

用語の定義は普段はあまり意識しないものですが、ちょっとしたルールを作っておくことで、社内のやりとりや予実管理がスムーズになることが期待できます。社内で認識合わせが必要だと思い当たる用語がありましたら、この機会に是非ご参考ください。


(注1)Marketoの場合:Salesforceのリードと取引先責任者の判別自体はMA側でも可能。以前は、管理画面にて一律「リード」という言葉が使用されていましたが、現在では、日本語表記は「顧客」、英語表記は「Person」を使用し、「リード」という言葉は極力使われていないようです。
(注2)Salesforce 用語解説 https://www.salesforce.com/jp/dictionary/words/
(注3)製造業・その他のける定義。業種により異なる。
(注4)SMB: Small and Medium Businessの略称で中小企業を意味する。
(注5)コトバンク https://kotobank.jp/word/%E5%95%86%E8%AB%87-178632

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