リードデータベースの品質を維持するには

技術コラム

マーケティング部長

リードデータベースの品質を維持するには

マーケティング部長

マーケティングオートメーション(MA)の運用において、マーケティング担当者が頭を悩ませる問題のひとつが、自社のリードデータベースにおける品質の維持です。言うまでもありませんが、リード情報が整備されていないと、業界、企業規模、既存顧客、新規顧客、パートナーなどのセグメントに対して有効な施策を行うことが難しくなります。

正確なリード情報を維持するための課題

正確なリード情報を維持し続けるための課題には下記の項目があげられます。

  1. リード情報の正規化
  2. リードの重複管理
  3. Webフォームから入力される不正確な情報
  4. 業種、企業規模、役職レベルなどの属性情報の付与
1. リード情報の正規化

リード(見込客)情報は、オンライン/オフライン含めあらゆるチャネルから獲得できるため、品質にバラつきが生じるのは避けようがありません。アカウントベースドマーケティング(ABM)のように企業アカウント単位でマーケティング施策を行う場合には特にリード情報の正規化を行い、企業情報の意図せぬ重複を避ける必要があります。

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様々なデータ入力の例

 

2.リードの重複管理

MAの多くはメールアドレスをキーに名寄せを行い重複排除を行う仕組みを持っていますが、リードの流入元がSFA/CRMである場合、まれにリードの重複が発生します。重複が発生した場合には、マージ(統合)作業を行いますが、この際に属性情報だけでなく、アクティビティログなどの活動情報も考慮してマージを行う必要があります。例えば、Salesforceの場合、リードと取引先責任者間で重複が発生する場合がありますので、その場合はリードを取引先責任者に変換した上でマージを行う必要があります。

3. Webフォームから入力される不正確な情報

Webサイトに来訪したリードが、資料ダウンロードの際に正確な個人情報を入力するとは限りません。必要最小限の情報や、あえて架空の情報を入力するケースも考えられます。登録されていた正確なリード情報が、意図せず不正確な情報に更新されてしまうことも十分ありえます。

不正確なリードができる例

不正確なリードができる例

 

4. 業種、企業規模、役職レベルなどの属性情報の付与

適切なマーケティング施策を行うには、対象とするリードの業種、企業規模、役職レベルなどの属性情報の取得は欠かせません。しかしながらこれらの情報をWebフォームからすべて取得するには、サイト来訪者の負担を増やすこととなりWebフォームの入力が完了する前に離脱してしまうこともありえます。そのため離反防止には、MAの「プログレッシブプロファイリング」という機能を利用し、フォーム入力の際に段階的に属性情報を取得するなどの方法が有効です。また、第三者データや名刺情報の活用することで、情報を後から付与する方法もあります。特に名刺には役職レベルや所属部署、住所、電話番号などの属性情報が含まれています。

リードデータ管理のためのツール活用

では正確なリード情報を管理していくためにはどうすれば良いのでしょうか?当社の場合は積極的に様々なサービスやツールを用いてリード情報の管理を行っています。

  1. 名刺管理サービスの活用:自社開発のSalesforce一体型名刺管理サービス「SmartVisca(スマートビスカ)」でSalesforceに取り込んだ名刺情報をリードに変換しています。SmartViscaにはリードと取引先責任者のタブに「名刺で更新」機能があるため上記課題の3で取り上げた意図せぬ更新が行われた場合にも名刺情報があるリードであれば名刺がリードや取引先責任者の情報のバックアップとしてデータを再度更新してくれます。
  2. テンプレートの活用:外部メディアなどから取得したリード情報の登録時には、スムーズにリードデータベースに項目がマッチングされるよう予めExcelでテンプレートを作っておき、項目を揃えた状態でデータを取り込みます。
  3. VyNDEXの活用:ウイングアーク社が提供しているAppExchangeアプリケーションのVyNDEXは使い慣れたExcelを利用して、Salesforceのデータメンテナンスを行える優れもののツールです。社名の表記統一や属性情報の一括付与などを手軽に行うことができるので非常に便利です。
VyNDEXによるデータメンテナンス

VyNDEXによるデータメンテナンス

 

適切なマーケティング施策を実施するためにも、マーケティング担当者は日々リード情報の品質について意識しておく必要があります。ツールを活用するなどして、常に最適な状況を維持しておきたいものです。

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