マーケティングオートメーションが注目される背景 導入前に知っておきたいマーケティングオートメーションの基礎知識(第1回)

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「マーケティングオートメーション元年」と言われた昨年と比較すると、今年はさらにマーケティングオートメーションへの注目が高まっています。その一方で「なぜマーケティングオートメーションが必要なのか?マーケティングオートメーションは何をしてくれるのか?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

本連載記事では、マーケティングオートメーションの導入を検討されている皆様が、「なるほど、だからマーケティングオートメーションが必要なのか」と、その本質が理解できるような情報を5回に分けてご提供したいと思います。

1.高まるマーケティングオートメーションへの注目

「マーケティングオートメーション」に対する注目が高まっていますが、そもそもマーケティングオートメーションとは何なのでしょうか?現在、多方面において色々な解釈でマーケティングオートメーションを定義していますが、本稿では、「マーケティングオートメーションとは、興味・関心・行動が異なる個別の顧客と個別のコミュニケーションを実現するため、インターネットを活用したマーケティングを実施し、さらにそこでの煩雑な業務を効率的、または自動化する為に開発されたシステムや概念」と定義します。

では、マーケティングオートメーションはどれ位注目されているのでしょうか?具体的に見てみましょう。
図1は、Googleで「マーケティングオートメーション」が検索された検索量の推移です。

図1「マーケティングオートメーション」の検索推移

「マーケティングオートメーション」の検索推移

2014年は「マーケティングオートメーション元年」と言われたよう、2014年の3月から検索量が増加しているのがわかります。2015年になると検索量はさらに増加し、3月には1年前の約3倍以上の検索量となっています。ここからも、マーケティングオートメーションに対し注目が高まっていることがお分かりになるのでは無いでしょうか。


2. マーケティングオートメーションが注目される背景

マーケティングオートメーションは「新しいツール」として注目される傾向にあると思いますが、単に新しいだけではここまでの大きな注目にはなり得ません。では、なぜマーケティングオートメーションがここまで注目されるのでしょうか?その背景を4つ挙げて見たいと思います。

  1. 顧客の購買行動の変化
    購買行動におけるインターネット上の情報活用が、BtoC、BtoBともにより拡大しています。
  2. 顧客接点チャネルの多様化と個人データの統合
    顧客の購買行動の変化により、企業と顧客の接点はリアルとインターネットを横断した複数のチャネルへと拡大しています。それら複数のチャネルから接触する顧客を従来のようにチャネルごとでなく、1人の顧客として統合管理する事が重要になっています。
  3. 労働生産性向上ニーズの拡大
    少子高齢化が進むことによって労働生産人口が減少し続ける日本では、労働者1人あたりの生産性の向上が、国として、企業として取組む課題になっています。
  4. 新たなマーケティング業務への期待
    営業部門が担ってきた見込客の管理をマーケティング部門がインターネットを活用した育成業務を行うことで、営業部門は営業活動時間の確保と購買意欲の高い見込み客へ集中することが可能となります。その結果、営業担当者の労働生産性の向上が期待されているのです。

このように、企業活動を取り巻くミクロ・マクロ環境の変化が、マーケティングオートメーションへの注目へと繋がっています。本メールマガジンではこの4つの背景について、次回の配信から詳細に説明をしていきます。

次回は「1. 顧客の購買行動の変化」について説明をします。連載の購読をご希望の方は右記のフォームよりメールマガジンのご登録をお願いいたします。

今回のポイント

  • マーケティングオートメーションは、マーケティングツールとしての革新性だけに注目するだけでは不十分。
  • マーケティングオートメーションが着目されるに至った経緯を理解することで、その本質が理解出来るようになる

参考文献・資料

  1. 株式会社セールスフォース・ドットコム 「マーケティングオートメーション」
    http://www.salesforce.com/jp/socialenterprise/innovation/vol3-marketing-automation.jsp
  2. Google Trends https://www.google.co.jp/trends/

執筆者

片桐英毅 株式会社サンブリッジ クラウドマーケティング事業部長

大手企業Webサイトの戦略立案、関連する業務改善コンサルティングを担当。直近では、マーケティングオートメーションの導入・戦略コンサルティングを担当。大学院でマーケティング研究を行う研究者でもあり、執筆、学会発表など実績多数。経営システム科学修士(MSM)、経営管理学修士(MBA)、経営学博士課程単位習得退学。現在は国立大学のMBA Program in International Businessに在籍し、インターナショナルビジネス・マネジメントを研究。